乳癌術後の放射線治療について小線源治療という選択肢もある

まとめ

乳癌術後の放射線治療において、小線源治療を利用した短期照射あるいは超短期照射も有用である。

 

 解説

乳癌術後の放射線治療において、小線源治療を利用したAPBI、uAPBIの有効性についての報告である。

これはそれぞれ、局所に対して照射を行うもので、APBIであれば34Gyを10回に分けて照射、uAPBIは16Gyを1回で照射するものである。

結果として、10回照射と1回照射で治療成績および晩期の合併症に関して有意な差は見られなかった。

一般的には乳癌術後の放射線治療は体外照射を行う場合が多いが、小線源治療は乳腺組織に針を刺入して、その針の中に放射線物質を挿入して局所を照射する方法である。

体外照射は乳腺全体を照射するのに対して、小線源治療は局所のみに照射し、また線量の分布も調整できるという特徴がある。

いっぽうで、乳癌の小線源治療は一般的とは言えず、実際に治療を行っている施設はかなり限定されるという側面がある。

乳癌術後に対する小線源治療も治療選択枝の一つと考えられるが、上記のようにどの施設でも受けられる治療というわけではない。

今後の小線源治療の広がりによっては、治療を受けられる施設も増えてくる可能性はあるが、小線源治療の専門性が高いことから普及にはそれなりに長期が必要になるのではないかと思われる。

参考文献

APBI Versus Ultra-APBI in the Elderly With Low-Risk Breast Cancer: A Comparative Analysis of Oncological Outcome and Late Toxicity

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