前立腺癌の小線源治療は手術と比較して長期的な副作用が軽度な傾向にある

まとめ

前立腺癌の治療において、手術と比較すると小線源治療は長期的な副作用の頻度が少ない傾向がみられ、有効な治療選択肢のひとつと考えられる。

 

 解説

前立腺癌治療の副作用についての前向き研究の結果の解析では、摘出術では尿失禁や性機能障害は術後早期から見られ、10年が経過しても症状の程度が持続する傾向がみられた。

いっぽうで、前立腺癌に対する小線源治療ではもともと尿失禁は起こりにくく、性機能障害についても長期でみるとだんだんと機能が低下していくものの、5年程度の中期的なスパンでみると手術よりも程度は軽かった。

放射線治療の中でも、外照射は小線源治療と排尿症状および性機能障害の点では同程度であったが、消化管の副作用の頻度が高い傾向にあった。

総合的にみると、小線源治療は手術や外照射と比較して、長期的な副作用が最も少ない傾向にあると考えられ、治療選択肢の一つとして十分に考慮すべきと思われる。

参考文献

Comparative Effectiveness Research in Localized Prostate Cancer: A 10-Year Follow-up Cohort Study

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