温熱療法は子宮頚癌の治療に有効である
まとめ
解説
進行子宮頚癌の治療についてのシステマティックレビューおよびメタ解析の結果の報告である。
進行子宮頚癌に対する様々な治療法について、治療成績および副作用を比較検討を行った。
局所制御については温熱療法+放射線治療、化学放射線療法+追加の化学療法(アジュバント療法)、温熱療法+化学放射線治療が優れている傾向があった。
全生存率については化学放射線療法、温熱療法+化学放射線療法、温熱療法+放射線治療が優れていた。
急性期の副作用については、放射線治療+追加の化学療法、放射線治療単独、温熱療法+放射線治療で少ない傾向があった。
長期の副作用では先行化学療法(NAC)+放射線治療+追加の化学療法、放射線治療+免疫療法、化学放射線療法で少ない傾向が見られた。
著者らは結論として、温熱療法+放射線療法、温熱療法+化学放射線療法、化学放射線療法(パクリタキセル)が優れた治療法であるとしている。
温熱療法は過去に日本でもそれなりに流行った時期があったようであるが、現在は実施している施設も減少している。温熱療法の実施施設数が減ってしまった原因もさまざまあるであろうが、治療に手間がかかることや、放射線治療装置の近代化とともに放射線治療じたいの精度があがり、温熱療法をそこまで必要とされなくなっていった(温熱療法で得られるメリットが放射線治療機器の進歩によってカバーされてしまった)ことがあるのではないだろうか。
しかしながら、今回の報告のように、温熱療法が明らかなメリットとして存在する状況も残っている。温熱療法の有効性自体は以前から知られており、以前ほどには普及しなくとも、選択肢として残しておくべき治療法だと考える。
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