前立腺癌の放射線治療において、治療期間の短縮は可能なのか

2019年3月27日

Conventional Versus Hypofractionated Radiation Therapy for Localized or Locally Advanced Prostate Cancer: A Systematic Review and Meta-analysis along with Therapeutic Implications

 

前立腺癌の放射線治療において、通常の1回2Gy照射と比較した、短期照射の治療成績を検討したシステムレビューである。

 

専門的な話になるが、前立腺癌のα/βは、一般的な悪性腫瘍と比較してかなり低く(1-1.8Gy程度と予想されている)、1回の照射線量を増加することで治療成績を改善することができる可能性が示唆されている。

 

今回の検討では、これまでに報告されている研究をもとに、前立腺癌において1回線量を増加した短期照射の有効性を評価したものである。
結論からすると、短期照射(HRT)はこれまでの治療(CRT)と比較して、治療成績については明らかな有意差は見られなかった。一方で、副作用に関しては、HRT群において急性期副作用が強い傾向が見られた。

 

この検討の中では、HRT群の照射線量は1回2.4-3.4Gyで、総線量では中央値で62.33Gyが照射されている。通常照射での治療回数が中央値37回程度であったのに対して、HRT群では22回であった。治療期間でいうと、12日間程度の短縮が見られた。

 

治療成績という意味でのメリットはHRT群には見られなかったが、短期間に治療可能という意味での、患者負担の軽減や、医療経済的な観点からのメリットはあると考えられる。

 

急性期副作用については、低リスクや中リスクであれば精嚢腺が照射される範囲も少なくなるため、周囲臓器への線量も低減できる可能性がある。ホルモン治療を先行することで、前立腺体積を小さくしてから放射線治療を開始するのも副作用低減につながると考えられる。
あるいは直腸側へのスペーサー挿入も副作用低減のひとつの方法となるであろう。

 

前立腺癌の放射線治療は、放射線治療の中でも期間が長いもののひとつであり、およそ2ヶ月近く通院する必要がある。通院期間が10日以上短くなるというのは大きなメリットであるが、治療成績の改善という観点では新たな戦略を模索する必要があるであろう。

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