放射線治療はどこで受けるのがおすすめなのか

2019年3月27日

2017 Jul 1;98(3):508-510. doi: 10.1016/j.ijrobp.2016.09.033.

Is It Time for New Target Volumes in Radiation Oncology?

 

1施設における、適切な放射線治療件数に関する考察の論文である。

 

外科治療でよく言われることであるが、経験件数が多いほうが、手術の成績が良くなるという報告がある。
これと同様のことは放射線治療でも当てはまる傾向にあるという考え方である。

 

特に、最近では局所にピンポイントで放射線を照射する高精度治療が急速に普及している。
高精度治療とは専門的には、IMRTや定位照射(SRT、SBRT)と呼ばれるもののことである。
高精度治療は、病変部に十分な線量を照射する一方で、正常組織への過剰な線量を抑えられるというメリットがある。
一方で、十分な精度が担保できていなかったり、本来照射しないといけない部位を設定していなかった場合には、副作用が通常よりも強く出たり、治療成績が悪くなったりといった側面があり、治療精度をしっかりと保つことがより治療成績に直結するという特徴がある。

 

この論文では、そういった高精度治療において、年間での治療件数が少ない施設での治療成績が劣る傾向にある点について言及している。
たしかに、症例件数が少なければ、精度管理やプランニングの正確性が劣る可能性は否定できず、結果的に本来の治療効果が得られないということは考えられるであろう。

 

結論から言えば、高精度治療を受けるのであれば、日頃から多数の症例を治療している施設で受けるのが望ましいと考えられる。
もちろん、この論文はおもに海外の文献をもとにして構成されているため、単純に日本での治療の状況と比較するのが好ましくない点もあると考えられる。
特に、海外では治療施設の集約化が進んでおり、集約化された施設において多数症例を治療している場合が多いかと思われる。
一方で、日本では比較的多数の治療施設にアクセスできる状態であり、選択枝が多い反面、症例数はばらける傾向にある。そのため、上記のように年間の症例数が少ないけれども高精度治療を行っているという施設もある可能性がある。
患者本人が治療施設を変更したり、探したりするのはまだまだハードルが高いのが現状ではあるが、もし高精度治療を受けるのであれば、治療を受ける施設の症例数についても一度気にしてみても良いかもしれない。
(ただし、多数の症例を治療している施設は、それだけ混んでいる可能性もあり、治療開始にある程度の期間が必要になるかも知れない点も留意しておいたほうが良いと思われる)

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