オープンアクセスジャーナルについて

2019年3月27日

今回はオープンアクセスジャーナルについて書こうと思います。

 

論文を書いていざ投稿するわけですが、投稿する雑誌の種類は無数にあります。

その中でも、最近存在感を増しているのがオープンアクセスジャーナル(OAJ)です。

雑誌の多くは読者から購読料をもらいながら運営している場合が多く、その場合、購読料を支払っていない読者に対しては、その雑誌に載っている情報は閲覧できない場合が多いです。

その場合には大学や勤務先がその雑誌と契約していたり、より大きな括りで電子ジャーナルを一括して購入していれば閲覧できますが、もしそのような環境に無ければ、その雑誌の内容はわからないわけです。AbstractはPubmedなどで参照できますが。

こういった雑誌は言わば閉ざされた状態であり、これとは別に誰に対してでも開かれた雑誌として生まれたのがオープンアクセスジャーナルです。

オープンアクセスジャーナルの場合には購読料という形での運営費はありません。では誰がその費用を負担するのかというと、これは投稿者本人ということになります。雑誌にもよりますが、1投稿につき10万円以上必要となることも珍しいことではありません。

しかし、このような高額な費用をわざわざ投稿者が負担しても、オープンアクセスジャーナルに投稿するメリットはいったいどのようなものがあるのかというと、以下のような点が挙げられます。

①広く世界に開かれるため、一般的なクローズドの雑誌に載った論文と比較して多くの人の目に留まることになる。そして、結果的にはその論文が、他の論文に引用される可能性が増す。

②一般的な論文と比較して、査読の方法論が違う場合があり、一般雑誌で通らなかった内容でもアクセプトされる可能性がある。また、雑誌によってはアクセプトのスピードが速い。

 

②の点については議論も多いかと思いますが、①の点についてはオープンアクセスジャーナルの純粋なメリットであると思います。実際にIFで見ても、オープンアクセスジャーナルで比較的高い数値を獲得している雑誌は存在するため、そのメリットは十分にあると考えます。

②に書いた査読の方法論が違うという点に関してですが、オープンアクセスジャーナルのひとつの使命としては、現時点ではその結果が本当に役に立つのかわからない研究であっても、将来的に日の目を見る場合もある点に着目し、科学的・統計的な根拠が十分な雑誌であれば、結果の有意性についてはそこまで重視しないというスタンスがあります。

これはすべての雑誌に関して共通しているわけではないですが、オープンアクセスジャーナルのさきがけとなったPLOSについてはこのような指針にもとづいて査読がなされているとされています。

 

ただ、オープンアクセスジャーナルは最近かなり数が増えてきており、その問題点も指摘されるようになってきています。

なぜオープンアクセスジャーナルが増えるのかというと、その運用形態に問題があります。それは、自分の書いた論文をある程度の費用がかかっても投稿したい著者が存在し、その費用のみを徴収して、ほとんどジャーナルの運用の実態が無いような悪質な組織が存在するためです。

研究者にとっては自分の論文が雑誌に掲載されたということが、業績を評価するための重要な指標となるため、投稿先を気にせずに(悪質だと知りつつも)、投稿せざるを得ないという状況もあります。特に補助金を取得して研究を行っている場合には業績の有無はその後の研究を継続できるかという重要な問題となります。

ただ、悪質な雑誌というのは調べれば結局はわかってしまうものなので、どこまで業績にプラスになるかは疑問です。

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