左側乳癌の放射線治療において冠動脈の動脈硬化性変化の有無が重要
まとめ
左側乳癌術後の放射線治療において、冠動脈の前下行枝に存在する動脈硬化性変化にどれだけの放射線が照射されるかで、その後の心臓の副作用の発生頻度が変わってくる。
解説
放射線治療後の心血管障害は最近のひとつのトピックなのか、これを扱った研究の報告が多い。
これまでにも乳癌術後の放射線治療における心臓の線量が、将来的な心疾患リスクになるということは様々な研究で報告されており、このブログでもいくつか取り上げている。
今回の研究は、冠動脈の動脈硬化性変化の有無に着目したものである。
結論として、冠動脈(特に左前下行枝)における動脈硬化性変化にどれだけの放射線が照射されたかが、その後の心疾患リスクの発生に有意に影響していた。
逆に、単に冠動脈に対する線量のみであれば、心疾患リスクには有意に影響しないという結果であった。
つまり、冠動脈に動脈硬化性変化が無いあるいは少ないような患者であれば、仮に冠動脈にそれなりに強く放射線が照射されたとしても、将来的な心疾患リスクはそこまで上がらないということである。
逆に、冠動脈に動脈硬化性変化が存在する患者においては、放射線治療の際には十分に注意してプランを作成する必要がある。
この研究はオランダからの報告であり、人種差や生活習慣などで、単純には適応できない部分もあるが、参考にはなり得る結果と考える。
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