脊椎転移に対する定位放射線治療における脊髄の耐容線量の検討

2019年1月22日

2017 Nov 1;99(3):598-607. doi: 10.1016/j.ijrobp.2017.05.053.

A Detailed Dosimetric Analysis of Spinal Cord Tolerance in High-Dose Spine Radiosurgery.

 

 

脊椎転移は悪性腫瘍の経過の中でしばしば見られる合併症である。

この論文は、その脊椎転移の治療の際の脊髄の耐容線量を調査したものである。

脊椎転移に対する1回のみの放射線治療は、日本ではまだ一般的とは言えず、通常であれば10回程度で治療することが多い。

しかしながら、回数を減らすことができれば、それだけ患者や家族の負担も減らすことができ、また治療件数の多い病院ではよりたくさんの患者を治療することが可能となるという点でメリットがある。

治療効果としても1回の治療ではあるが、通常よりも多量の放射線を照射するために、治癒が十分に期待できる。

 

一方で放射線治療の効果は副作用のリスクとトレードオフの関係であり、効果を求めれば、副作用のリスクもあがってしまうという側面がある。

この論文では、どこまで治療効果を上げられるか、つまりどこまでの線量であれば、副作用を出さずに治療可能かを検討している。

 

結論からいうと、1回治療において14Gyまでであれば比較的安全に治療可能であるという結果であった。

これは単純にα/βを2として計算した場合のEQD2は56Gy相当であり、腫瘍に対してもそれなりに高線量が照射できていると考えられる。

 

脊椎転移に対する定位照射による1回治療はまだまだ普及している治療ではないが、耐容線量14Gyというのは今後のひとつの目安になると考えられる。

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