オリゴメタスタシス(oligometastases)という考え方

2019年12月27日

Clin Cancer Res. 2015 Dec 1;21(23):5198-204. doi: 10.1158/1078-0432.CCR-15-0822.

New Strategies in Stereotactic Radiotherapy for Oligometastases.

Palma DA1, Louie AV2, Rodrigues GB2.

 

オリゴメタスタシスという概念は1995年に提唱されたもので、通常、メタ(転移)がある場合の治療は、根治にくらべて弱めにすることが多いが、逆にすべての転移巣をたたいてしまえば長期生存が期待できるのではないかという考え方である。

もちろんこれがすべての患者さんにあてはまるかというと、そういうわけでも無く、治療をしてみたら結果的に良かった人がいたということである。

オリゴメタスタシスの明確な定義があるわけでは無いが、多くの場合は、原発部位が制御されており、転移巣が3~5個以下とされている。

この場合に治療を行って、転移巣をすべて治療できれば、その後長期生存が期待できるというわけである。

これまでの転移の治療は多くの場合消極的な治療となっていただけに、仮に転移があっても長期生存が期待できるというのは希望のある話である。

1995年からあった定義が最近になって注目されるようになってきている一つの要因として、放射線治療技術の進歩があげられる。

放射線治療は医療の領域の中でも、技術の進歩の恩恵を直接受けやすい領域である。

特に最近では、より高精度に、そして1回の治療でより高線量を病変に投与することが可能となってきている。

これにともなって、たとえ転移の治療であっても、体の負担が少なく短期間に有効な治療を行えるようになったことが、オリゴメタスタシスという概念の再注目につながったと考えられる。

この論文の中では以下の要因を有する場合に成績が良好であるとしている。

①年齢が若い(65歳または70歳以下)

②患者本人が元気である(KPS 70以上)

③進行の遅い癌腫である

④転移巣が少ないあるいは小さい

上の項目に合致するようであれば、たとえ転移の治療であっても、十分に根治を目指す治療を考慮して良いと考えられる。

ただオリゴメタスタシスはまだまだデータの不足している領域でもある。今後新たな治療技術の開発や、治療成績の報告によって、より個別化した検討や治療成績の改善につなっがていくことが期待できるであろう。

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