日本の放射線治療の現状③:どこで放射線治療を受けるのが良いのか
今回で3回目になります。
今回は、ではどこで放射線治療を受ければよいのか、について書いていこうと思います。
これまでにも触れたように、日本全国どこにでも放射線治療専門医がいるというわけではありません。
なので、結論から言えば、できればある程度の規模の都市で、大病院のほうが望ましいと考えます。
もちろん、大きな病院になれば治療まで待ち時間が必要になる場合もあるため、一概に良いことだけというわけではないですが、もし選択可能であるのであればそのほうが良いでしょう。
海外からの報告になりますが(以前の記事でも触れましたが)、放射線治療は手術と同じように、件数を多くこなしている病院のほうが治療成績が良かったというデータがあります。
なので、より多くの治療を行っている施設のほうが望ましいといえます。
また、放射線治療医の数も多ければ多いほうが良いです。
病院の中には常勤の放射線治療医がおらず、非常勤の医師が週に何日か来て治療を行っている場合もあります。
非常勤で治療しているというのはそれだけ治療の件数が少ないということでもあり、やはり常勤医がいる病院のほうが好ましいです。
放射線治療は上記のような人的な要素とは別に、機械の要素があります。
簡単に言えば、新しい治療装置を使えばより高度な治療が行えます。
高度な治療というのは、より治療効果が高く、副作用の少ない治療になります。
放射線治療は他の科に比べると、機械の占めるウェイトは高いと思います。
わかりやすいのは、粒子線治療と呼ばれる、重粒子線治療や陽子線治療になります。
ただし、これらは治療可能な施設が限られるため、もし金銭面および地理的な面でアクセス可能であるのであれば、考慮すると良いでしょう。
一般的な放射線治療はX線を利用し、X線を発生する装置はリニアックと呼ばれます。
リニアックも上記と同様に、新しいものほど良い治療を提供できます。
なので、もし可能であれば治療を受ける予定の病院にどのような治療機械が入っているのかチェックするのが良いです。
放射線治療の機械メーカーはニッチな市場のため、それほど多くのメーカーがありません。
世界的にはヴァリアンとエレクタが2大企業になります。日本では三菱重工業が放射線治療装置を作っていましたが、日立に買収されたようです。
この2つの企業のホームページに載っている治療装置であれば、比較的新しいものと考えられますが、ホームページに載っていないような古い機械の場合には、現在多くの病院で行われている高精度治療は行えない可能性があります。
治療の機械によってもできる治療がかなり違ってくるため、できればどのような機械か把握しておくと良いと思います。
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