一人で論文を書くということ③

2019年3月27日

またまた雑記の続きです。

 

テーマもある程度決まり、文献収集もひと段落したら、いよいよデータ収集になります。

(可能であればこの時点で施設にあわせた研究の倫理書類を作成・申請しておくのが望ましいでしょう)

論文作成を「料理」にたとえるのであれば、データの収集は畑からの野菜の収穫になるでしょうか。前向き研究であれば、みずみずしい朝どれ野菜となりますが、残念ながら後ろ向き研究の場合には、そういったわけにもいきません。特に後ろ向き研究が前向き研究に劣る点は、データが統一されていないという点で、これは場合によっては最後までアクセプトの可否を決める要因になりかねない部分でもあります。

前向き研究であれば、対象は一定の基準を満たしたものになり、化学療法などの治療法についても統一されます。一方で、後ろ向き研究の場合には研究を前提に治療をおこなっているわけでは無いため、治療法には統一感がありません。(もちろん、これは治療を重視して行った結果であり、悪いというわけでは無いのですが、研究という観点で見た場合に、どうしても足を引っ張る部分になります)

検討する場合には、当然データの整合性が高い方が好ましいため、バリエーションが少ない対象を選んだ方が、その後の検討はスムーズになると思います。ただ、後ろ向き研究であれば、選択にも限界があるため、バリエーションが多いデータで論文作成をする場合には、仮にそこをつっこまれた場合にも回避できるよう模索しておくことも重要です。

 

データの収集がひと段落すれば、統計解析に入ります。統計解析は医学論文においては避けては通れない過程であり、基本的には統計解析の無い論文というのはほとんど存在します。統計解析にはSASやSPSSといった高度な解析ソフトもありますが、高度な分、高価です。個人で購入するのはなかなか現実的ではありません。現在、RあるいはeasyRというフリーの統計解析ソフトが公開されています。これは非常に優れており、多変量解析を含めてほとんどの統計解析が行える強力なソフトです。さらには、一流ジャーナルにもこの解析ソフトを利用した論文が掲載されていることから、フリーソフトでありながら、一流紙にも認められているというすごいソフトです。慣れるまでには少し時間もかかるかもしれませんが、フリーでできる得難いソフトですので、是非とも習熟していただければと思います。

どのような解析をおこなえば良いかも、以前の論文が非常に参考になります。まったく同じ検討では新規性が無いため、複数の論文を参考にしながら、自分の研究にあった解析を選ぶことになります。統計解析は、基本的には解析の対象が決まれば解析手法は決まっているため、ある程度の統計の基礎知識は、本などで勉強しておいた方が良いです。もちろん知り合いに統計解析に詳しい人がいれば良いのですが、なかなかそういうことも無いので、ここは自分で勉強しましょう。解析手法が間違っていれば、それだけでリジェクトの対象となる可能性がありますので。

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