放射線治療による痛み|原因・対処法・受診の目安を専門医が解説

放射線治療って…痛い治療なんですか?

照射そのものは痛くありません。
ただ、治療の途中で炎症などによる痛みが出ることがあります。

そうなんですね。
痛みが出たらどうすればいいんでしょう?

多くは薬やケアで十分コントロールできます。
この記事で原因や対処法を説明します。
放射線治療はがん治療の重要な方法ですが、治療中や治療後に痛み(疼痛)が生じることがあります。
多くの場合は一時的な炎症や組織の反応によるもので、適切な対処で軽減できます。しかし、痛みの種類によっては治療の調整や追加の治療が必要になることもあります。
この記事では、放射線治療による痛みについて
- 起こる原因
- よくある症状
- 対処方法
- 受診の目安
を放射線治療専門医の視点からわかりやすく解説します。
関連記事
放射線治療では、さまざまな神経症状が起こる可能性があります。
しびれ・痛み・頭痛・めまいなどの症状の全体像については、以下の記事でまとめて解説しています。
なお、放射線治療の副作用全体については
▶ 放射線治療の副作用まとめ
の記事も参考にしてください。
放射線治療で痛みが起こる原因

痛みが出ると、治療がうまくいっていないんじゃないかと不安になります…

実は、炎症による痛みはよくある反応です。
必ずしも治療が失敗しているわけではありません。

そうなんですね。

ただし痛みが強い場合は、
薬で調整したり治療を工夫することもできます。
放射線治療による痛みの主な原因は次の3つです。
① 炎症(放射線による組織反応)
放射線が照射されると、皮膚や粘膜などの細胞が影響を受けます。
その結果、炎症反応が起こり、痛みを感じることがあります。
代表例
- 皮膚炎
- 口内炎
- 食道炎
- 直腸炎
これらは治療期間中〜治療終了後数週間に起こりやすい副作用です。
参考
米国のがん情報サイト
https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/types/radiation-therapy/side-effects
② 神経への影響
放射線が神経の近くに当たる場合、神経痛のような痛みが出ることがあります。
症状の例
- ピリピリする痛み
- 電気が走るような痛み
- しびれを伴う痛み
神経症状については
▶ 放射線治療によるしびれ
の記事でも詳しく解説しています。
③ 腫瘍の変化による痛み
治療によって腫瘍が縮小する過程で
- 炎症
- 周囲組織の変化
が起こり、一時的に痛みが出ることがあります。
これは治療反応として起こることもあるため、必ずしも悪いサインとは限りません。
部位別|放射線治療で起こりやすい痛み
放射線治療の痛みは、照射部位によって症状が異なります。
皮膚の痛み
皮膚に放射線が当たると
- ヒリヒリする痛み
- 日焼けのような痛み
が出ることがあります。
詳しくは
▶ 放射線治療による皮膚症状
の記事をご覧ください。
口や喉の痛み
頭頸部の放射線治療では
- 口内炎
- 喉の痛み
- 飲み込みの痛み
が起こることがあります。
関連ページ
▶ 放射線治療による嚥下障害
食道の痛み
胸部の放射線治療では放射線食道炎が起こることがあります。
症状
- 食事のときの痛み
- 飲み込むときの痛み
詳しくはこちら
▶ 放射線治療による食道炎
放射線治療による痛みはいつから起こる?
多くの痛みは次のタイミングで起こります。
| 時期 | 症状 |
|---|---|
| 治療開始〜2週 | 軽い違和感 |
| 治療3〜5週 | 痛みが強くなることがある |
| 治療終了後 | 数週間で改善 |
副作用の出方には個人差があります。
痛みの対処法

痛みが出ても、我慢したほうがいいんでしょうか?

いいえ、我慢する必要はありません。
鎮痛薬などでコントロールすることが大切です。

薬を使っても大丈夫なんですね。

はい。痛みを抑えたほうが食事や体力を保ちやすく、治療も続けやすくなります。
放射線治療による痛みは適切な対処でコントロール可能なことが多いです。
① 鎮痛薬
医療機関では
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
- オピオイド
などを使用することがあります。
がん疼痛治療の国際ガイドライン
WHO pain ladder
https://www.who.int/publications/i/item/cancer-pain-relief
② 粘膜保護
口や食道の痛みでは
- 粘膜保護薬
- 局所麻酔薬
が使用されることがあります。
③ スキンケア
皮膚の痛みには
- 保湿
- 摩擦を避ける
- 紫外線対策
などが重要です。
詳しくは
▶ 放射線治療による皮膚乾燥
受診の目安
次のような場合は必ず主治医に相談してください。
- 痛みが急に強くなった
- 食事ができない
- 強い神経痛がある
- 発熱や腫れがある
早めに対処することで、治療を安全に続けられる可能性が高くなります。

放射線治療の痛みって、ずっと続くこともありますか?

多くの場合は治療終了後に徐々に改善します。

それなら少し安心です。

ただし強い痛みや食事ができない場合は早めに相談してください。適切な対処がとても大切です。
専門医コメント
放射線治療による痛みは、炎症や粘膜障害によって一時的に起こることが多い副作用です。
多くの場合、適切な鎮痛薬や支持療法によってコントロールできます。
一方で、
- 強い痛み
- 神経症状
- 食事ができない状態
などがある場合は、治療計画の調整が必要になることもあります。
我慢せず、早めに医療スタッフへ相談することが重要です。
関連記事
放射線治療では、さまざまな神経症状が起こる可能性があります。
しびれ・痛み・頭痛・めまいなどの症状の全体像については、以下の記事でまとめて解説しています。
まとめ
放射線治療による痛みは比較的よく見られる副作用ですが、多くは一時的で治療可能です。
ポイント
- 主な原因は炎症や神経への影響
- 照射部位によって症状が異なる
- 適切な鎮痛薬で改善することが多い
- 強い痛みは医師に相談することが重要
放射線治療の副作用については
▶ 放射線治療の副作用まとめ
の記事も参考にしてください。
FAQ(よくある質問)
放射線治療は痛い治療ですか?
照射自体は痛みを感じません。ただし治療の途中で炎症などによる痛みが出ることがあります。
放射線治療の痛みはいつから始まりますか?
多くの場合、治療開始から2〜3週間頃に症状が出始めます。
放射線治療の痛みはいつまで続きますか?
多くは治療終了後数週間で改善します。
痛み止めは使えますか?
はい。鎮痛薬を使用することで痛みをコントロールできます。
神経痛のような痛みが出ることはありますか?
照射部位によっては神経に関連した痛みが出ることがあります。
痛みがあると治療を中止しますか?
多くの場合は鎮痛薬などで対処しながら治療を継続できます。
食事が痛くてできない場合はどうすればいいですか?
早めに主治医へ相談してください。薬や栄養サポートが必要になる場合があります。
放射線治療後に痛みが残ることはありますか?
まれに慢性痛が残ることがありますが、多くは改善します。
自宅でできる対策はありますか?
保湿、刺激物を避ける、十分な休息などが有効です。
痛みが強い場合は受診すべきですか?
はい。強い痛みや急な悪化がある場合は医療機関へ相談してください。
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この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























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