がん治療において脆弱性評価は重要
目次
1:医療における脆弱性とは?
2:がん治療における脆弱性評価
3:脆弱性評価の評価は重要
4:参考文献
医療における脆弱性とは?
医療においてVulnerability(脆弱性)が議論になることがあります。
漠然としていますが、Vulnerabilityとは身体的、社会的な様々な要素を総合的に評価したもので、CGA(総合機能評価)といったもので点数化されます。
CGAは身体的、精神的、社会的な3つの要素から構成されています。
がん治療における脆弱性評価
今回、紹介する研究では頭頚部癌の化学放射線療法においてVulnerabilityが治療成績に影響するのかどうかを検討しています。
Vulnerabilityの評価項目としてはCGAに基づいて、機能面、栄養面、併存疾患の有無、転倒の有無、感情面、認知機能、多剤併用の有無、を評価しています。
これらを用いて脆弱性がある群と無い群にわけて、治療成績を評価しました。
年齢でみると、高齢になるにつれて脆弱性がある症例の割合が高くなっていました。
治療成績については、脆弱性があると評価された群では、生存期間が脆弱性が無い群と比較して短いという結果でした。
18ヶ月の生存割合は、脆弱性が無い群で80.7%でしたが、脆弱性がある群では65.6%でした。
その他の項目では、脆弱性がある群は治療中断率や入院率が高く、また胃管を用いた栄養が管理が必要になる傾向が見られました。
入院期間についても脆弱性がある群で長くなる傾向でした。
脆弱性の評価は重要
脆弱性の有無は治療結果に影響を与える因子であり、特に脆弱性のリスクが高くなってくる高齢者においては、治療の際に脆弱性の有無を適切に評価することが必要になってくると考えます。
また、今後は脆弱性の有無によって、どのように治療方針を変えていくのかという議論も必要になってくると思われます。
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