アメリカで放射線治療科を希望する医学生が減っているらしい

まとめ

アメリカの医学生の間では近年、放射線治療科の人気が落ちてきている。

 

 解説

アメリカでは、医学生は卒業すると自分の希望する診療科を決め、大学が募集するプログラムに応募をして、マッチすればその科に進めるという形式らしい。

そのマッチングの結果で、近年、放射線治療科を希望する医学生が減少傾向にあるという話である。

放射線治療科にとっては結構ショッキングな話である。ようは自分たちの診療科の人気が落ちているということなので。

じつは2015年ごろは放射線治療科は医学生が希望する最も人気の高い診療科の一つであった。

放射線治療科の募集枠じたいもそこまで多くは無いので、希望しても行けない難関の診療科だったわけであるが、それがここ数年で人気に陰りが見られているのである。

今回の報告は2021年のものだが、2022年もその傾向は続いている。

この報告の中では、明確にどのような理由があったのかは書かれていない。

そもそも診療科の人気というのは流行り廃りがあるもので、自分が実際に医者になったときも、その時のトレンドみたいなものがあった。

このトレンドは明確な理由が無いことも少なくなく、なんとなくみんながそう感じているという漠然としたものであることもしばしばである。

実生活においても、後から考えてみるとなぜ流行っていたのか分からないといったものは少なくないであろう。

放射線治療科の人気が落ちているというのもひとつのトレンドではあると思うのだが、魅力を発信し続けるというのも大事である。

結局、人が来ないところは将来的に先細りになっていくので、この状況を放置することは将来的に自分たちの首を絞めることにもつながりかねないからである。

ちなみに、この報告の中で、人気があったのは精神科、形成外科、耳鼻咽喉科、麻酔科などである。

いっぽう、人気が無かったのは、放射線治療科、病理、放射線診断科、小児科などである。

 

参考文献

No Longer a Match: Trends in Radiation Oncology National Resident Matching Program (NRMP) Data from 2010-2020 and Comparison Across Specialties

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