放射線治療医のネット利用に関して

2019年2月5日

2017 Dec 1;99(5):1083-1091. doi: 10.1016/j.ijrobp.2017.08.015. Epub 2017 Aug 19.

Reputation Management and Content Control: An Analysis of Radiation Oncologists’ Digital Identities.

 

放射線治療医のネット利用に関して。

今回は疾患の話題ではなく、医師がネットを利用して自身の情報を発信しているかどうかを調べた論文の紹介。

 

 なかなか興味深い内容で、アメリカでの調査ではあるが、放射線治療医のなかで、みずからネット上で自分の情報をSNS等で発信しているのはわずかに0.44%と非常に少ない結果であった。
もちろん、所属している病院や研究機関のHPにはそれぞれの名前が記載さているのだが、個人的に情報を出すとなると非常に少ないことが分かる。
アメリカなどはSNSの本場というような勝手なイメージがあり、そういったことも進んでいるのかと思ったのだが、意外とそうではないようである。
一方で、訴訟大国という状況もあるからなのかもしれない。

 

この研究はGoogleの検索を利用して、放射線治療医の名前を検索した場合にどういった情報が上位に表示されるかを調べたもので、殆どが所属機関の情報、健康や医療者の情報を表示するサードパーティのHPなどで、ソーシャルメディアの情報がヒットするのは少なかった。
これは卒業年度が新しくなるほどわずかにソーシャルメディアの割合が増えるものの、大きな変化は見られなかった。

 

近年になり、様々な情報の取得が、スマートフォンを利用したインターネットから可能になった。
一方で、医療者自身の情報というのは十分に提供されているとは言いがたい。
これは医療者による自己防衛的な側面もあるのであろうと考えられる。
かくいうこのサイトも匿名という形式で運営している(将来的には公表するつもりではいるが…)。
インターネット利用に危険が潜むことも事実であり、どこまで公表するのかは難しい問題であるが、今後インターネットを利用した医師の取捨選択が進んでいけば、情報公開が十分にされていない医師は選ばれないという未来が来るのかもしれない。

 

この論文で提言されている医師側の改善策としては以下のようなものがある。
一つはサードパーティにより運営されている医師紹介ページにおける自身の情報を正確に記載すること。
もう一つは、医師自身がブログ等の情報発信を行い、そこで患者との良好な関係構築を行うこと。
そして、情報発信においては、臨床とは関係のない情報を発信しないことが重要である。

 

このサイトは今回の論文に触発されたわけではないのだが、なるほどなと感じる部分もいくつかあった。
論文の紹介に関してはどこまで患者の利益になっているかは不明ではあるが、細く長く続けていければ本望である。

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