体幹部定位照射(SBRT)は肝臓癌に対するTACEの代替療法となりうる
まとめ
肝臓癌治療において、腫瘍数が1-2個であれば体幹部定位照射はTACE治療と同程度に有効で、安全な治療法といえる。
解説
肝臓癌の治療においてはTACEと呼ばれるカテーテルを用いて腫瘍血管内に直接薬剤を投与する治療が一般的である。特に肝臓の正常細胞は門脈から栄養されるのに対して、肝臓癌は動脈から栄養されるため、TACE治療ではより選択的に腫瘍細胞を攻撃できるというメリットがある。
今回の研究ではこのTACEと比較して体幹部定位照射(SBRT)が有効であるかどうかを比較したものである。
結論として、腫瘍の数が1-2個の症例においては、体幹部定位照射はTACEと比較して同程度の有効性と安全性が確認された。局所の制御については体幹部定位照射が優れている傾向にあり、生存率に関しては両者で差が無いという結果であった。
TACE治療は肝臓癌の治療において優れた治療法であるが、体幹部定位照射も症例の条件はあるものの、同程度に有効であると考えられる。
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