放射線治療の費用はいくら? がん種別・治療法別にわかりやすく解説【2026年版】
放射線治療を受けるとき、多くの方が不安に感じるのが「費用」です。
この記事の目的は
「安くする方法」を紹介することではありません。
放射線治療は、疾患や病状によって治療方針がほぼ決まっており、
実際には費用もある程度決まっています。
あらかじめ目安を知っておくこと。
それが、治療への不安を少しでも減らすことにつながります。
本記事では、
放射線治療の費用が決まる仕組み
保険制度の考え方
がん種別ごとの費用目安
粒子線治療などの特殊治療の費用
を、体系的にまとめています。
放射線治療の費用はどう決まるのか?
① 治療が「単純」か「複雑」か
一般に、
単純な治療 → 比較的安い
複雑で高度な治療 → 高額
となります。
IMRT(強度変調放射線治療)や定位放射線治療(SBRT)などの高精度治療は、通常照射より高額になります。
また、施設によって対応可能な治療内容が異なるため、費用に差が出ることがあります。
② 治療回数(=治療期間)
放射線治療では、1回ごとに算定される費用があります。
そのため、
治療回数が多いほど費用は高くなります。
ただし、回数は病気ごとに医学的に決まっており、希望で減らすことは基本的にできません。
③ 治療法ごとに「包括算定」される場合
一部の特殊治療は、
1回ごとの積み上げではなく、治療全体でまとめて算定されます。
例:
重粒子線治療
陽子線治療
定位放射線治療
この場合、通常の照射費用は別途算定されません。
日本の保険制度での算定(令和6年度診療報酬)
日本では、放射線治療は保険点数に基づき算定されます。
主な項目
M000 放射線治療管理料
治療計画を立てた際に算定
2700~5000点
M001 体外照射
高エネルギー放射線治療:1回 840~1800点
IMRT:1回 3000点
粒子線治療(包括算定)
重粒子線治療
110,000~187,500点
陽子線治療
110,000~187,500点
※現在は保険適用が拡大しています(疾患により適応条件あり)
がん種別ごとの費用目安
※全額負担=10割
※3割負担=一般的な自己負担
※1割負担=高齢者など
あくまで目安です。
入院費・抗がん剤費は含まれていません。
【脳腫瘍】
全脳照射(脳転移)
全額:約10~18万円
3割:約3~5万円
1割:約1~2万円
グリオーマ(根治照射)
全額:約60~80万円
3割:約20~30万円
1割:約5~10万円
脳定位放射線治療
全額:約60~80万円
3割:約20~30万円
1割:約5~10万円
【頭頸部がん】
一般的治療
全額:約40~80万円
3割:約10~25万円
1割:約4~10万円
IMRT使用
全額:約100~130万円
3割:約30~40万円
1割:約10~15万円
【肺がん】
非小細胞肺がん
全額:約40~70万円
3割:約10~25万円
1割:約4~10万円
小細胞肺がん(1日2回照射)
全額:約30~60万円
3割:約10~20万円
1割:約3~6万円
体幹部定位放射線治療(SBRT)
全額:約60~80万円
3割:約20~25万円
1割:約6~10万円
【乳がん】
術後一般照射
全額:約40~60万円
3割:約10~20万円
1割:約4~6万円
寡分割照射
全額:約30~50万円
3割:約10~15万円
1割:約3~5万円
【消化器がん】
食道がん
全額:約30~60万円
直腸がん・肛門がん
全額:約45~70万円
肝細胞がん
全額:約50~60万円
膵がん
全額:約50~60万円
腹部SBRT
全額:約60~80万円
腹部IMRT
全額:約80~100万円
【前立腺がん】
IMRT
全額:約120~150万円
3割:約35~45万円
通常照射
全額:約65~80万円
密封小線源永久挿入療法
全額:約80~110万円
【膀胱がん】
全額:約60~80万円
【婦人科がん】
子宮頸がん+腔内照射
全額:約60~80万円
子宮頸がん IMRT+腔内照射
全額:約90~120万円
子宮体がん
全額:約60~80万円
【リンパ腫】
ホジキンリンパ腫
全額:約20~35万円
非ホジキンリンパ腫
全額:約20~50万円
胃MALTリンパ腫
全額:約20~40万円
※悪性度や化学療法の効果により回数は変わります。
粒子線治療の費用
現在は疾患により保険適用が拡大しています。
保険適用外の場合
約300万円前後(全額自己負担)
放射線治療費用で知っておくべき重要ポイント
✔ 複雑な治療ほど高額
✔ IMRTや定位治療は高額になりやすい
✔ 入院費・抗がん剤費は別
✔ 高額療養費制度が利用可能
まとめ
放射線治療の費用は、
治療の複雑さ
回数
使用する技術
によって決まります。
多くの場合、治療方針は医学的に決まっており、
費用もある程度想定できます。
「どのくらいかかるのか」を事前に知ること。
それが、不安を減らす第一歩になります。
放射線治療の期間についてまとめました
放射線治療は意外に長くかかる治療になります。
部位別に治療期間をまとめました。
放射線治療の費用に関するFAQ
Q1. 放射線治療の費用はいくらくらいかかりますか?
がんの種類や治療方法によって異なりますが、
全額で約20万円~150万円程度が目安です。
一般的な3割負担の場合は、
約6万円~45万円程度になることが多いです。
※入院費や抗がん剤費は含まれていません。
Q2. 3割負担の場合、自己負担額はいくらになりますか?
全額費用の約3割が自己負担となります。
例:
全額60万円 → 約18万円
全額120万円 → 約36万円
実際には高額療養費制度が利用できる場合があります。
Q3. 放射線治療は回数が多いほど費用は高くなりますか?
はい。
放射線治療には1回ごとに算定される費用があるため、
治療回数が多いほど費用は高くなります。
ただし、回数は医学的に決まっており、患者さんの希望で変更することは基本的にできません。
Q4. IMRT(強度変調放射線治療)は通常の放射線治療より高いですか?
はい。
IMRTは高精度治療のため、通常の放射線治療より費用が高くなります。
例えば前立腺がんでは、
通常照射:約65~80万円
IMRT:約120~150万円
と差があります。
Q5. 定位放射線治療(SBRT)の費用はいくらですか?
がん種によりますが、
全額で約60~80万円程度が目安です。
3割負担の場合は約20~25万円程度です。
Q6. 粒子線治療(重粒子線・陽子線)はいくらかかりますか?
保険適用外の場合、
約300万円前後の全額自己負担となります。
現在は一部の疾患で保険適用が拡大しています。
Q7. 放射線治療費以外にかかる費用はありますか?
はい。
外来診察料
入院費
抗がん剤などの薬剤費
これらは別途かかります。
Q8. 放射線治療の費用は病院によって違いますか?
基本的な保険点数は全国共通ですが、
行っている治療の種類
IMRTや高精度治療の有無
によって総額は異なります。
Q9. 寡分割照射は費用が安くなりますか?
治療回数が少ないため、
通常照射より費用が抑えられる場合があります。
例:乳がん術後照射
通常:約40~60万円
寡分割:約30~50万円
Q10. 放射線治療は複雑な治療ほど高くなりますか?
はい。
治療計画が複雑になるほど管理料や照射費用が高くなります。
最近は高度な治療が増えているため、費用はやや高めになる傾向があります。
Q11. リンパ腫の放射線治療費はなぜ幅がありますか?
リンパ腫は、
悪性度
化学療法の効果
必要な照射線量
によって治療回数が変わるため、費用に幅が出ます。
Q12. 放射線治療の費用は事前に分かりますか?
多くの場合、治療方針が決まればおおよその費用は予測できます。
不安がある場合は、治療開始前に医療機関へ確認することをおすすめします。














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