放射線治療の費用はいくら? がん種別・治療法別にわかりやすく解説【2026年版】

2017年2月22日

放射線治療を受けるとき、多くの方が不安に感じるのが「費用」です。

この記事の目的は
「安くする方法」を紹介することではありません。

放射線治療は、疾患や病状によって治療方針がほぼ決まっており、
実際には費用もある程度決まっています。

あらかじめ目安を知っておくこと。
それが、治療への不安を少しでも減らすことにつながります。

本記事では、

  • 放射線治療の費用が決まる仕組み

  • 保険制度の考え方

  • がん種別ごとの費用目安

  • 粒子線治療などの特殊治療の費用

を、体系的にまとめています。

放射線治療の費用はどう決まるのか?

① 治療が「単純」か「複雑」か

一般に、

  • 単純な治療 → 比較的安い

  • 複雑で高度な治療 → 高額

となります。

IMRT(強度変調放射線治療)や定位放射線治療(SBRT)などの高精度治療は、通常照射より高額になります。

また、施設によって対応可能な治療内容が異なるため、費用に差が出ることがあります。

② 治療回数(=治療期間)

放射線治療では、1回ごとに算定される費用があります。

そのため、

治療回数が多いほど費用は高くなります。

ただし、回数は病気ごとに医学的に決まっており、希望で減らすことは基本的にできません。

③ 治療法ごとに「包括算定」される場合

一部の特殊治療は、
1回ごとの積み上げではなく、治療全体でまとめて算定されます。

例:

  • 重粒子線治療

  • 陽子線治療

  • 定位放射線治療

この場合、通常の照射費用は別途算定されません。

日本の保険制度での算定(令和6年度診療報酬)

日本では、放射線治療は保険点数に基づき算定されます。

主な項目

M000 放射線治療管理料
治療計画を立てた際に算定
2700~5000点

M001 体外照射
高エネルギー放射線治療:1回 840~1800点
IMRT:1回 3000点

粒子線治療(包括算定)

重粒子線治療
110,000~187,500点

陽子線治療
110,000~187,500点

※現在は保険適用が拡大しています(疾患により適応条件あり)

がん種別ごとの費用目安

※全額負担=10割
※3割負担=一般的な自己負担
※1割負担=高齢者など

あくまで目安です。
入院費・抗がん剤費は含まれていません。

【脳腫瘍】

全脳照射(脳転移)

全額:約10~18万円
3割:約3~5万円
1割:約1~2万円

グリオーマ(根治照射)

全額:約60~80万円
3割:約20~30万円
1割:約5~10万円

脳定位放射線治療

全額:約60~80万円
3割:約20~30万円
1割:約5~10万円

【頭頸部がん】

一般的治療

全額:約40~80万円
3割:約10~25万円
1割:約4~10万円

IMRT使用

全額:約100~130万円
3割:約30~40万円
1割:約10~15万円

【肺がん】

非小細胞肺がん

全額:約40~70万円
3割:約10~25万円
1割:約4~10万円

小細胞肺がん(1日2回照射)

全額:約30~60万円
3割:約10~20万円
1割:約3~6万円

体幹部定位放射線治療(SBRT)

全額:約60~80万円
3割:約20~25万円
1割:約6~10万円

【乳がん】

術後一般照射

全額:約40~60万円
3割:約10~20万円
1割:約4~6万円

寡分割照射

全額:約30~50万円
3割:約10~15万円
1割:約3~5万円

【消化器がん】

食道がん

全額:約30~60万円

直腸がん・肛門がん

全額:約45~70万円

肝細胞がん

全額:約50~60万円

膵がん

全額:約50~60万円

腹部SBRT

全額:約60~80万円

腹部IMRT

全額:約80~100万円

【前立腺がん】

IMRT

全額:約120~150万円
3割:約35~45万円

通常照射

全額:約65~80万円

密封小線源永久挿入療法

全額:約80~110万円

【膀胱がん】

全額:約60~80万円

【婦人科がん】

子宮頸がん+腔内照射

全額:約60~80万円

子宮頸がん IMRT+腔内照射

全額:約90~120万円

子宮体がん

全額:約60~80万円

【リンパ腫】

ホジキンリンパ腫

全額:約20~35万円

非ホジキンリンパ腫

全額:約20~50万円

胃MALTリンパ腫

全額:約20~40万円

※悪性度や化学療法の効果により回数は変わります。

粒子線治療の費用

現在は疾患により保険適用が拡大しています。

保険適用外の場合
約300万円前後(全額自己負担)

放射線治療費用で知っておくべき重要ポイント

✔ 複雑な治療ほど高額
✔ IMRTや定位治療は高額になりやすい
✔ 入院費・抗がん剤費は別
✔ 高額療養費制度が利用可能

まとめ

放射線治療の費用は、

  • 治療の複雑さ

  • 回数

  • 使用する技術

によって決まります。

多くの場合、治療方針は医学的に決まっており、
費用もある程度想定できます。

「どのくらいかかるのか」を事前に知ること。

それが、不安を減らす第一歩になります。

放射線治療の期間についてまとめました

放射線治療は意外に長くかかる治療になります。

部位別に治療期間をまとめました。

放射線治療の費用に関するFAQ

Q1. 放射線治療の費用はいくらくらいかかりますか?

がんの種類や治療方法によって異なりますが、
全額で約20万円~150万円程度が目安です。

一般的な3割負担の場合は、
約6万円~45万円程度になることが多いです。

※入院費や抗がん剤費は含まれていません。

Q2. 3割負担の場合、自己負担額はいくらになりますか?

全額費用の約3割が自己負担となります。

例:

  • 全額60万円 → 約18万円

  • 全額120万円 → 約36万円

実際には高額療養費制度が利用できる場合があります。

Q3. 放射線治療は回数が多いほど費用は高くなりますか?

はい。

放射線治療には1回ごとに算定される費用があるため、
治療回数が多いほど費用は高くなります。

ただし、回数は医学的に決まっており、患者さんの希望で変更することは基本的にできません。

Q4. IMRT(強度変調放射線治療)は通常の放射線治療より高いですか?

はい。

IMRTは高精度治療のため、通常の放射線治療より費用が高くなります。

例えば前立腺がんでは、

  • 通常照射:約65~80万円

  • IMRT:約120~150万円

と差があります。

Q5. 定位放射線治療(SBRT)の費用はいくらですか?

がん種によりますが、
全額で約60~80万円程度が目安です。

3割負担の場合は約20~25万円程度です。

Q6. 粒子線治療(重粒子線・陽子線)はいくらかかりますか?

保険適用外の場合、
約300万円前後の全額自己負担となります。

現在は一部の疾患で保険適用が拡大しています。

Q7. 放射線治療費以外にかかる費用はありますか?

はい。

  • 外来診察料

  • 入院費

  • 抗がん剤などの薬剤費

これらは別途かかります。

Q8. 放射線治療の費用は病院によって違いますか?

基本的な保険点数は全国共通ですが、

  • 行っている治療の種類

  • IMRTや高精度治療の有無

によって総額は異なります。

Q9. 寡分割照射は費用が安くなりますか?

治療回数が少ないため、
通常照射より費用が抑えられる場合があります。

例:乳がん術後照射
通常:約40~60万円
寡分割:約30~50万円

Q10. 放射線治療は複雑な治療ほど高くなりますか?

はい。

治療計画が複雑になるほど管理料や照射費用が高くなります。
最近は高度な治療が増えているため、費用はやや高めになる傾向があります。

Q11. リンパ腫の放射線治療費はなぜ幅がありますか?

リンパ腫は、

  • 悪性度

  • 化学療法の効果

  • 必要な照射線量

によって治療回数が変わるため、費用に幅が出ます。

Q12. 放射線治療の費用は事前に分かりますか?

多くの場合、治療方針が決まればおおよその費用は予測できます。

不安がある場合は、治療開始前に医療機関へ確認することをおすすめします。

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