放射線治療医のキャリアを考える②
前回の記事からの続きになります。
目次
1:研究の道へ
2:終末期医療で働く
3:後進の教育
研究の道へ
これはどの領域にいてもそうですが、研究職に行くという選択肢があります。
ただ、このあたりは国によって研究における状況は大きく違いますので、一概に論じることは難しい部分です。
日本はよく言われているように研究に対する予算というのは非常に少なくなっているため、必然的に研究職におけるポストもそこまで多くはありません。
このため、研究に行こうと思って気軽に行けるというものではないことに注意が必要です。
また、医師の場合は臨床医として働くよりも研究職の場合は給与が下がることも多いと考えられるため、その点も注意する必要があります。
いっぽうでアメリカなどでは研究費は比較的潤沢ですが、それを自分の業績で獲得していく必要があるため、日本以上に実績を求められると思います。
このため、日本で研究を行うよりも、定期的に実績を出し続けるというプレッシャーにさらされる可能性は高いです。
終末期医療で働く
終末期医療で働くというのも一つの選択肢になると思います。
特に癌に関係する領域では、緩和治療というのは終末期において重要なポイントを占めます。
よくあるのは骨転移に伴う痛みに対する放射線治療です。
緩和治療は現時点でも十分に行われているとは言えない部分もあり、放射線治療が終末期医療で果たす役割は大きいと考えています。
今後、さらに高齢化が進むことで、終末期医療もより整備されていく必要があると思います。
その中で、放射線治療も終末期医療において重要な位置を占めると考えます。
後進の教育
教育というのも知識や技術を受け継いでいく上で重要なポイントです。
日本では大学病院が医学生の教育において大きな役割を担っていますが、大学病院の機能も多岐にわたっており、ある程度細分化し、マンパワーを増やす必要があると感じていますが、現在の予算ではなかなか難しいところです。
日本の医療全体に言えることですが、臨床についても研究についてもギリギリの予算でやりくりしているところがあり、とても健全な状態とは言えません。
このあたりは現状の社会保障制度が続く限りは大きく変わらないのではないかと思いますが、いつか限界が来るのではないかと危惧しています。
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