放射線治療の回数と費用|1回いくら?総額はいくら?専門医がわかりやすく解説

放射線治療って、何回くらい通うんですか?
費用も気になります…

がんの種類によりますが、一般的には20〜30回くらいの治療が多いです。
ただ最近は、回数が少ない治療も増えてきています。
放射線治療の費用は、治療回数(照射回数)によって大きく変わります。
一般的な放射線治療では、
20〜35回程度の照射を行うことが多く、それに応じて費用も増減します。
しかし最近では、
- 寡分割照射(回数を減らす治療)
- 定位放射線治療(数回で終わる治療)
なども増えており、治療回数と費用の関係は少し複雑になっています。
この記事では、放射線治療専門医の立場から
- 放射線治療は何回行うのか
- 回数によって費用はどう変わるのか
- 総額はいくらになるのか
を 公的機関の情報と最新ガイドラインに基づいて解説します。
※放射線治療の費用全体については
→放射線治療の費用まとめ
放射線治療は何回行う?基本の治療回数
放射線治療は通常、1日1回、平日に通院して数週間行うのが一般的です。
代表的な例を示します。
| 治療内容 | 回数 | 期間 |
|---|---|---|
| 従来分割照射 | 25〜35回 | 約5〜7週間 |
| 寡分割照射 | 15〜20回 | 約3〜4週間 |
| 乳がん寡分割 | 約15回 | 約3週間 |
| 定位放射線治療 | 1〜5回 | 数日 |
このように、
治療方法によって回数は大きく変わります。
参考
国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/treatment/radiation_therapy/index.html
→放射線治療の期間・回数についてはこちらの記事でも解説しています。

思ったより回数が多いんですね。毎日通うんですか?

通常は平日に1日1回です。
土日は休みなので、5〜7週間くらいかかることが多いですね。
放射線治療の費用は回数でどう変わる?
放射線治療の費用は、
回数だけで単純に決まるわけではありません。
診療報酬では主に
- 治療計画
- 照射方法
- 使用装置
などによって決まります。
そのため
回数が半分になっても費用が半分になるわけではありません。

じゃあ、回数が多いと費用も高くなるんですか?

回数も関係しますが、実は治療計画や装置でも費用が決まります。
そのため、回数だけでは総額は決まらないんです。
放射線治療1回あたりの費用の目安
一般的な外部照射では、自己負担3割の場合
1回あたり数千円程度が目安になります。
ただし実際には
- 初回の治療計画
- 画像誘導
- 特殊照射
などが追加されるため、
総額で考えることが重要です。
参考
厚生労働省 診療報酬
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
放射線治療の総額はどれくらい?
一般的な放射線治療の総額(保険診療)は
| 治療 | 医療費総額 | 3割負担 |
|---|---|---|
| 一般的外部照射 | 約50〜100万円 | 約15〜30万円 |
| IMRT | 約80〜150万円 | 約24〜45万円 |
| 定位放射線治療 | 約60〜120万円 | 約18〜36万円 |
ただし日本では
高額療養費制度があるため、
多くの場合は自己負担がさらに抑えられます。
→高額療養費制度と放射線治療
参考
厚生労働省 高額療養費制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougaku.html
回数が少ない治療(寡分割照射)は費用が安い?
最近の研究では、
回数を減らした治療(寡分割照射)が増えています。
例えば乳がんでは
従来
25回
現在
15〜16回
という治療が多くなっています。
これは国際ガイドラインでも推奨されています。
参考
ASTRO guideline
https://www.astro.org
ただし費用は
- 計画費用
- 装置費用
などがあるため
回数が減っても費用が大きく下がるとは限りません。

最近は回数が少ない治療もあるんですか?

はい。例えば乳がんでは、
25回 → 15回程度に減らす治療が世界的に広がっています。
2026年診療報酬改定で寡分割照射の算定は変わる?
近年、放射線治療では寡分割照射(治療回数を減らす放射線治療)が世界的に広がっています。
乳がんや前立腺がんなどでは、国際ガイドラインでも標準治療として推奨されています。
参考
ASTRO(American Society for Radiation Oncology)
https://www.astro.org
一方、日本の診療報酬制度は基本的に照射回数ごとの算定になっているため、回数を減らす治療では医療機関の報酬が十分でない可能性が指摘されてきました。
そのため、2026年の診療報酬改定では寡分割照射の評価見直しが議論される可能性があります。
具体的には
- 寡分割照射への評価強化
- 高精度放射線治療の評価見直し
などが検討されると考えられています。
ただし制度は改定によって変わる可能性があるため、実際の費用は医療機関で確認することが重要です。

回数が少ない治療が増えると、
費用も安くなるんですか?

必ずしもそうとは限りません。
ただ制度が見直されれば、より効率的な治療が広がる可能性があります。
定位放射線治療は回数が少ないが費用は高い?
定位放射線治療(SBRTなど)は
1〜5回程度で治療が終わることが多いですが、
- 高精度装置
- 特殊計画
が必要なため
1回あたりの費用は高くなる傾向があります。
ただし
通院回数が少ない
というメリットがあります。
放射線治療の回数は誰が決める?
放射線治療の回数は
放射線腫瘍医が決定します。
決定する際には
- がんの種類
- 病期
- 治療目的(根治・緩和)
- 患者さんの体調
などを総合的に考えます。

放射線治療の費用って、
思ったより複雑なんですね。

そうですね。
回数だけでなく、治療方法や制度によっても変わります。
大切なのは、治療前に費用の目安を確認しておくことです。
専門医コメント
放射線治療の回数は、昔は「30回前後」が一般的でしたが、近年は研究の進歩によって回数を減らす治療(寡分割照射)が世界的に増えています。
ただし回数は、がんの種類や治療目的によって大きく変わるため、回数だけで費用を予測することは難しいのが実際です。
また日本では高額療養費制度があるため、医療費総額が高くても実際の自己負担は大きく抑えられるケースが多いです。
費用が心配な場合は、治療前に医療機関の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談することをおすすめします。
まとめ
放射線治療の回数と費用には次の特徴があります。
- 一般的な治療は 20〜35回程度
- 寡分割照射では 15回前後
- 定位放射線治療では 1〜5回
費用は回数だけで決まるわけではなく、
- 治療方法
- 治療計画
- 使用装置
によって決まります。
放射線治療の費用全体については
→放射線治療の費用まとめ
FAQ(よくある質問)
放射線治療は何回くらい行いますか?
一般的な外部照射では20〜35回程度が多いですが、寡分割照射では15回前後、定位放射線治療では1〜5回の場合もあります。
放射線治療は1回いくらですか?
保険診療の場合、自己負担3割で1回あたり数千円程度が目安ですが、治療計画や装置によって総額は変わります。
放射線治療の総額はいくらですか?
一般的には医療費総額で50〜100万円程度になることが多く、3割負担では15〜30万円程度が目安です。
回数が少ない治療の方が安いですか?
回数が少なくても治療計画や装置費用があるため、費用が大きく下がるとは限りません。
放射線治療は毎日行いますか?
通常は平日に1日1回通院して治療を行います。
放射線治療は何週間くらいかかりますか?
従来治療では5〜7週間、寡分割照射では3〜4週間程度が多いです。
定位放射線治療とは何ですか?
高精度の放射線を使用して、数回で治療を行う放射線治療です。
放射線治療は入院が必要ですか?
多くの場合は通院治療で行われます。
費用は病院によって違いますか?
保険診療の部分は全国共通ですが、入院費や個室費などで差が出ることがあります。
放射線治療の費用を抑える制度はありますか?
日本では高額療養費制度があり、自己負担額が一定額までに抑えられます。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

























ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません