放射線治療の平均費用はいくら?治療別・がん種別の目安を専門医が解説

放射線治療って高いイメージがあります…。
実際はいくらくらいかかるんでしょうか?

保険診療の場合、自己負担は10万〜40万円程度になることが多いです。
さらに高額療養費制度も使えるため、
実際の負担はもっと抑えられることもあります。
がん治療を考えるとき、多くの患者さんやご家族が気になるのが「費用」です。
放射線治療は高価な医療機器を使うため「とても高額なのでは」と思われがちですが、実際には健康保険が適用されるため、自己負担は比較的抑えられることが多い治療法です。
この記事では、
- 日本における放射線治療の平均費用
- がん種別・治療法別の費用の目安
- 医療費が高額になった場合の公的制度
について、公的機関の情報や医療機関の公開データをもとにわかりやすく解説します。
なお、放射線治療の費用の全体像については
▶ 放射線治療の費用まとめ
もあわせてご覧ください。
放射線治療の平均費用

放射線治療って何十回も通うって聞きますよね。
回数が多いと費用もすごく高くなりませんか?

確かに回数は多いですが、日本では診療報酬が全国共通なので費用はある程度決まっています。
多くのケースでは数十万円程度の自己負担に収まることが多いですよ。
日本では放射線治療の多くが健康保険適用で行われます。
そのため、患者の自己負担は通常
- 1〜3割負担
となります。
医療機関が公開しているデータをまとめると、
標準的な放射線治療の自己負担額(3割負担)は以下の程度が平均的です。
| 治療内容 | 自己負担の目安 |
|---|---|
| 乳がん術後照射(25〜30回) | 約18〜25万円 |
| 前立腺がん IMRT(約39回) | 約35〜45万円 |
| 体幹部定位放射線治療(SBRT) | 約20万円 |
| 骨転移の緩和照射 | 約4〜9万円 |
※これらは外来3割負担の概算
※初診料・検査料などが別途必要になる場合があります
つまり、
一般的な放射線治療の平均費用
- 約10万円〜45万円(3割負担)
程度になることが多いです。
放射線治療の費用が決まる仕組み
放射線治療の費用は、主に次の要素で決まります。
① 治療方法
放射線治療にはさまざまな方法があります。
主な例
- 通常照射(3DCRT)
- 強度変調放射線治療(IMRT)
- 定位放射線治療(SBRT)
- 粒子線治療(陽子線・重粒子線)
一般に
高精度治療ほど費用が高くなる傾向があります。
② 治療回数
放射線治療は
1日1回×数週間
という形で行われることが多く、回数によって費用が変わります。
例
| 治療 | 回数 |
|---|---|
| 乳がん術後照射 | 16〜30回 |
| 前立腺がん | 20〜39回 |
| 骨転移 | 1〜10回 |
回数が多いほど総費用は高くなります。
③ 治療計画
放射線治療では
- CT撮影
- 治療計画
- 照射
というプロセスが必要です。
この治療計画の複雑さによって費用が変わります。
がん種別の放射線治療の平均費用
ここでは代表的ながんの費用の目安を紹介します。
乳がん
乳房温存術後の放射線治療
- 約16〜30回照射
- 自己負担(3割)
約18〜25万円
程度が一般的です
→【2026年最新版】乳がん放射線治療の費用はいくら?自己負担額・保険適用・高額療養費制度まで専門医が解説
前立腺がん
IMRTという高精度治療が行われることが多く
- 約35〜45万円
程度が目安になります
肺がん
早期肺がんでは
定位放射線治療(SBRT)
が行われることがあります。
自己負担
- 約20万円前後
程度が一般的です
骨転移
症状緩和目的の放射線治療
- 約1〜10回照射
自己負担
- 約4〜9万円
程度です
放射線治療は高額療養費制度が使える

もし費用が高くなったら払えないかもしれません…。

その場合は高額療養費制度があります。
1か月の医療費には上限があり、一定額を超えた分は後から払い戻される仕組みです。

そうなんですね。医療費の負担がかなり減りそうですね。
日本では医療費が高額になった場合、
高額療養費制度
を利用できます。
制度の詳細
外部リンク:
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp
この制度により、
1か月の自己負担額には上限があります。
目安(70歳未満・標準所得)
- 約8万円+α
つまり、
放射線治療で費用が高くなっても
実際の負担はこれより低くなるケースが多いです。
詳しくは
の記事で解説しています。
放射線治療はがん治療の中では比較的安い
がん治療の三大治療
- 手術
- 薬物療法
- 放射線治療
の中で、
放射線治療は比較的費用が低いことが多い
とされています。
理由
- 入院が不要なことが多い
- 手術のような入院費が少ない
- 抗がん剤のような高額薬剤が不要なことが多い
このため、
費用と治療効果のバランスが良い治療
と考えられています。

費用のことが心配で、
治療を受けるか迷う人も多いですよね…。

そうですね。ただ、日本の医療制度では放射線治療は比較的負担が抑えられる治療です。
費用の不安がある場合は、遠慮せず医療スタッフに相談してみてください。
専門医コメント
放射線治療の費用について相談を受けることは非常に多いですが、実際には「想像より安かった」と感じる患者さんが多い印象があります。
日本では診療報酬制度が全国共通であるため、放射線治療の費用は施設によって極端に違うことはほとんどありません。
また、高額療養費制度を利用すれば月額の負担には上限があり、実際の負担額はさらに抑えられます。
費用を心配して治療をためらうよりも、まずは主治医や医療相談室に相談することをおすすめします。
まとめ
放射線治療の平均費用は
- 約10万〜45万円(3割負担)
程度が一般的です。
ただし、
- がんの種類
- 治療方法
- 照射回数
によって費用は変わります。
さらに
高額療養費制度
を利用すれば、自己負担額は一定額に抑えられます。
放射線治療の費用についてさらに詳しく知りたい方は
もあわせてご覧ください。
FAQ(よくある質問)
放射線治療の平均費用はいくらですか?
日本では保険適用の場合、自己負担(3割)で約10万〜45万円程度が一般的です。
放射線治療は保険が使えますか?
多くの標準的な放射線治療は健康保険が適用されます。
放射線治療は入院が必要ですか?
多くの場合は外来通院で治療できます。
放射線治療は1回いくらですか?
3割負担では1回数千円程度になることが多いです。
放射線治療は回数が多いほど高くなりますか?
はい。一般的には照射回数が多いほど総費用は高くなります。
高額療養費制度は使えますか?
はい。保険診療の放射線治療であれば利用できます。
粒子線治療は高いですか?
陽子線・重粒子線治療は数百万円程度になることがあります。
放射線治療は手術より安いですか?
入院費などが少ないため、手術より安くなる場合が多いです。
放射線治療の費用は病院ごとに違いますか?
保険診療の場合、診療報酬は全国共通のため大きな差はありません。
放射線治療の費用は事前にわかりますか?
多くの病院で治療前に概算費用を説明してもらえます。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。























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