放射線治療は入院?通院?|治療期間・通院頻度・入院が必要なケースを専門医が解説

放射線治療って、入院しないといけないんですか?

多くの放射線治療は通院で受けられます。
ただし治療の種類によっては入院が必要になることもあります。

えっ、そうなんですね。どんな場合に入院になるんでしょう?

通院が基本ですが、小線源治療や小児治療などでは入院になることがあります。
この記事でわかりやすく説明します。
放射線治療を受けることになったとき、多くの患者さんが最初に疑問に思うのが
「放射線治療は入院が必要なの?それとも通院でできるの?」
という点です。
結論から言うと、
多くの放射線治療は通院で行われます。
しかし、
- 治療の種類
- がんの場所
- 全身状態
- 小児か成人か
などによっては、入院が必要になるケースもあります。
この記事では、放射線治療専門医の立場から
- 放射線治療は入院か通院か
- 通院治療の頻度
- 入院が必要になるケース
- 治療期間の目安
を、公的機関や国際ガイドラインの内容に基づいてわかりやすく解説します。
なお、放射線治療の費用について詳しく知りたい方は、以下のまとめ記事もご覧ください。
放射線治療は入院?通院?
結論から言うと、
放射線治療の多くは通院で行われます。
特に以下のような治療は、通常 外来通院治療です。
- 乳がん放射線治療
- 前立腺がん放射線治療
- 頭頸部がん放射線治療
- 肺がん放射線治療
- 食道がん放射線治療
外照射(リニアックによる放射線治療)は、
1回の治療時間は10〜20分程度であり、
治療後すぐ帰宅できます。
米国放射線腫瘍学会(ASTRO)でも、外照射は通常 outpatient treatment(外来治療)として行われることが説明されています。
参考
ASTRO
https://www.rtanswers.org

放射線治療って、毎日病院に来るんですか?

多くの場合は平日毎日(月〜金)通院します。

毎日ですか!1回の治療ってどれくらい時間がかかるんでしょう?

照射自体は数分です。準備を含めても15〜30分くらいで終わることが多いですよ。
放射線治療の通院頻度
多くの放射線治療は以下のスケジュールです。
週5回(月〜金)
つまり
平日に毎日通院
することになります。
例:
| 治療 | 回数 | 期間 |
|---|---|---|
| 乳がん | 15〜25回 | 3〜5週間 |
| 前立腺がん | 20〜39回 | 4〜8週間 |
| 肺がん | 20〜30回 | 約4〜6週間 |
これは国際的な放射線治療ガイドライン(NCCN、ASTRO)でも標準的なスケジュールです。
参考
NCCN Guidelines
https://www.nccn.org

3〜6週間くらい通うんですね。
仕事は続けられるんでしょうか?

多くの患者さんは仕事や日常生活を続けながら通院しています。

入院じゃないなら、生活はそこまで変わらないんですね。

はい。ただし疲労などの副作用が出ることもあるので、無理はしないことが大切です。
1回の治療時間
実際の放射線照射時間は
数分程度
です。
ただし、
- 位置合わせ
- CT画像確認
- セットアップ
などを含めると、
滞在時間は15〜30分程度
になることが多いです。
入院が必要になる放射線治療

通院が多いなら、入院になるのはどんな場合なんですか?

代表的なのは小線源治療(体の中に放射線源を入れる治療)です。

普通の放射線治療とは違うんですね。

はい。その場合は数日間の入院が必要になることがあります。
放射線治療でも、以下のようなケースでは入院が必要になります。
密封小線源治療(ブラキセラピー)
体の中に放射線源を入れる治療です。
例
- 子宮頸がん
- 前立腺がん
- 食道がん
特に
子宮頸がんの腔内照射
では、数日間の入院が必要になることがあります。
参考
IAEA
https://www.iaea.org/resources/rpop/health-professionals/radiotherapy
小児の放射線治療
小児では、
- 治療中に動かないようにする必要
- 麻酔が必要な場合
などの理由で、入院で治療することがあります。
全身状態が悪い場合
以下のようなケースでは、入院治療になることがあります。
- 強い痛み
- 食事困難
- 化学療法併用
- 全身状態が不安定
最近増えている「短期間の放射線治療」
近年は
寡分割照射(Hypofractionation)
という治療が広がっています。
これは
1回の線量を増やして治療回数を減らす方法
です。
例
乳がん
以前
25回
現在
15回
あるいは
5回
などの治療も行われています。
この方法は、
英国の大規模臨床試験 FAST-Forward trial(Lancet 2020)で安全性が示されました。
参考
Brunt AM et al.
FAST-Forward Trial
Lancet 2020

最近は治療期間が短くなっているって本当ですか?

はい。寡分割照射という方法で、治療回数を減らす研究が進んでいます。

例えばどれくらい短くなるんですか?

乳がんでは、以前は25回でしたが、15回や5回の治療も行われるようになっています。
放射線治療中の生活
通院治療が多いため、
多くの患者さんは
日常生活を続けながら治療
します。
可能なこと
- 通勤
- 家事
- 軽い運動
- 外出
ただし、副作用として
- 疲労
- 皮膚炎
- 食欲低下
などが出る場合があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
👉放射線治療中の生活

通院しながら生活するとなると、
普通に外出しても大丈夫ですか?

基本的には大丈夫です。
仕事、家事、軽い運動も可能なことが多いです。

放射線を浴びた後って、人に影響はないんですか?

外照射の場合、体から放射線が出ることはありません。
周囲の人への影響はないので安心してください。
放射線治療の通院が難しい場合
通院が難しい場合は、
- 宿泊施設(がん患者支援施設)
- 病院近くのホテル
- 家族の付き添い
などが利用されることがあります。
また、
高額療養費制度
などの公的制度も活用できます。
詳しくはこちら

結局、放射線治療はほとんど通院で受けられるんですね。

はい。外来通院が基本のがん治療と言えます。

入院が必要になるのは、
特殊な治療や体調の問題がある場合なんですね。

その通りです。
治療方法によってスケジュールは変わるので、
担当医と相談することが大切です。
専門医コメント
放射線治療は、手術や化学療法と比べて 外来通院で行える治療が多いのが特徴です。
そのため、多くの患者さんは 仕事や家庭生活を続けながら治療することができます。
ただし、
- 小線源治療
- 小児放射線治療
- 全身状態が悪い場合
などでは入院が必要になることがあります。
また、最近は 寡分割照射により治療期間が短くなる傾向があります。
治療のスケジュールは
- がんの種類
- 病期
- 治療方法
によって大きく変わるため、詳しくは担当医に相談することが重要です。
まとめ
放射線治療は
多くの場合、通院で行われます。
一般的な特徴
- 週5回通院
- 治療期間3〜6週間
- 1回の治療は15〜30分
ただし、
- 小線源治療
- 小児治療
- 全身状態が悪い場合
などでは入院治療になることがあります。
放射線治療の費用について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
FAQ(よくある質問)
放射線治療は入院が必要ですか?
多くの放射線治療は通院で行われます。ただし、小線源治療や小児治療などでは入院が必要になることがあります。
放射線治療は毎日通院ですか?
多くの場合、平日(月〜金)に週5回通院します。
放射線治療は1回どれくらい時間がかかりますか?
照射自体は数分ですが、準備を含めると15〜30分程度です。
放射線治療は仕事を続けながら受けられますか?
多くの患者さんは通院しながら仕事や日常生活を続けています。
放射線治療は何週間くらい続きますか?
一般的には3〜6週間程度です。
最近は治療回数が減っているのですか?
はい。寡分割照射により、以前より短期間で終わる治療が増えています。
放射線治療中に家に帰れますか?
外来治療の場合は、治療後すぐに帰宅できます。
通院が難しい場合はどうすればよいですか?
病院近くの宿泊施設やホテルを利用する患者さんもいます。
小児の放射線治療は入院ですか?
麻酔が必要な場合などでは入院治療になることがあります。
放射線治療は痛いですか?
放射線照射自体に痛みはありません。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























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