放射線治療は何歳まで受けられる?高齢でも治療できるのか専門医が解説

放射線治療って…何歳まで受けられるんでしょうか?
もう高齢なので無理かと思っていて…

実は放射線治療には年齢の上限はありません。
80歳や90歳でも治療が行われることがあります。
年齢よりも大切なのは体の状態なんです。
放射線治療は「高齢だから受けられないのでは?」と心配される方も多い治療です。
結論から言うと、放射線治療には年齢による明確な上限はありません。
実際には80歳・90歳以上でも放射線治療が行われることがあります。
この記事では、放射線治療専門医の視点から
- 放射線治療に年齢制限がない理由
- 高齢者でも治療できる条件
- 超高齢者での研究データ
- 高齢者で注意すべきポイント
を、国際ガイドライン・公的資料・研究論文に基づいてわかりやすく解説します。
※放射線治療の基本を知りたい方は
→【放射線治療の初心者向け総合ガイド】
放射線治療は何歳まで受けられる?
結論から言うと、
放射線治療に年齢の上限はありません。
厚生労働省の高齢者がん医療の資料でも、
「放射線療法に年齢による制限はない」
と明記されています。
つまり
- 70歳
- 80歳
- 90歳
であっても、体の状態が許せば治療は可能です。
実際の臨床でも、
- 高齢者
- 超高齢者
- 手術が難しい患者
に対して、放射線治療が選択されるケースは多くあります。
なぜ放射線治療は高齢でも受けられるのか

でも高齢だと体への負担が心配です。
手術より危険だったりしませんか?

放射線治療は体を切らない治療なので、
手術より体への負担が少ない場合も多いんです。
そのため高齢の患者さんでも行われることがあります。
放射線治療が高齢者でも行いやすい理由は、体への負担が比較的少ない治療だからです。
主な理由は次の通りです。
1 手術のような大きな侵襲がない
放射線治療は
- 切開
- 麻酔
- 手術
を必要としません。
そのため
- 心臓病
- 肺疾患
- 高齢による体力低下
がある患者でも治療できる場合があります。
2 入院せず通院で治療できる
多くの放射線治療は
外来通院で実施可能です。
そのため高齢者でも生活への負担が比較的小さい治療です。
3 手術できない患者の代替治療になる
多くのがんでは
- 手術
- 放射線治療
- 薬物療法
が治療の選択肢です。
高齢で手術が難しい場合、
放射線治療が根治治療として選択されることもあります。
実際に超高齢者でも放射線治療は行われている

本当にそんな高齢の人でも治療しているんですか?

はい。実際の研究でも85歳以上の患者さんに放射線治療が行われた報告があります。
高齢だから治療できない、というわけではありません。
研究でも、85歳以上の患者に対して放射線治療が実施されています。
ある研究では
- 85〜99歳の患者
- 45例の放射線治療
を検討し、
91%が治療を完遂したと報告されています。
つまり、
超高齢者でも
- 症状緩和
- 根治治療
の目的で放射線治療が実施されているのです。
高齢者で放射線治療ができるか決めるポイント

じゃあ、治療できるかどうかは何で決まるんですか?

一番大事なのは年齢ではなく全身状態です。
普段どれくらい動けるか、持病はあるかなどを総合的に判断します。
年齢より重要なのは、患者さんの全身状態です。
主に次の要素が重要になります。
1 全身状態(Performance Status)
日常生活の自立度を示す指標です。
例
- 歩けるか
- 自分で生活できるか
- 寝たきりか
などが判断材料になります。
2 臓器機能
- 心臓
- 肺
- 腎臓
- 肝臓
などの状態を確認します。
3 合併症
高齢者では
- 糖尿病
- 心疾患
- 認知症
などを考慮して治療を決定します。
4 高齢者総合機能評価(CGA)
国際ガイドラインでも、
高齢者では包括的な機能評価を行うことが推奨されています。
高齢者では治療方法が調整されることもある

高齢だと、普通の治療は難しいこともありますか?

場合によっては照射回数を減らす治療など、
高齢者でも負担が少ない方法を選ぶことがあります。
高齢者では、次のような工夫をすることがあります。
照射回数を減らす
例
- 寡分割照射
- SBRT
など
症状緩和目的の照射
例
- 骨転移の痛み
- 脳転移
- 出血
など
高齢者では、生活の質(QOL)を重視した治療が選択されることもあります。
逆に放射線治療が難しい場合
年齢に関係なく、次のような場合は治療が難しいことがあります。
例
- 全身状態が非常に悪い
- 余命が極めて短い
- 重度の認知症で治療体位が取れない
この場合は
- 緩和医療
- 支持療法
が優先されることもあります。
認知症の場合は放射線治療はできる?

認知症がある場合でも放射線治療はできますか?

認知症があっても必ずしも治療できないわけではありません。
治療中に姿勢を保てるかなどを見て判断します。
認知症がある場合でも、必ずしも放射線治療ができないわけではありません。
放射線治療では、治療中に数分〜十数分ほど同じ姿勢を保つ必要があります。そのため、認知症があっても
- 指示に従って体位を保てる
- 不安や興奮が強くない
といった場合は、通常通り治療できることがあります。
一方で、
- 強い不穏や興奮がある
- 治療中に動いてしまう可能性が高い
場合には、安全面から治療が難しいこともあります。
実際には、認知症の程度・家族のサポート・治療の必要性などを総合的に考えて判断されます。

高齢でも治療できる可能性があると聞いて安心しました。

年齢だけで治療をあきらめる必要はありません。
放射線治療は高齢の患者さんでも選択されることが多い治療です。
専門医コメント
放射線治療に「何歳まで」という明確な年齢制限はありません。
実際の診療では、90歳以上の患者さんに放射線治療を行うこともあります。
むしろ重要なのは年齢ではなく、全身状態や生活機能、患者さん本人の希望です。
高齢だからといって治療をあきらめる必要はありません。
気になる場合は、放射線治療専門医に相談することが大切です。
まとめ
放射線治療の年齢制限についてまとめます。
- 放射線治療に年齢の上限はない
- 80歳・90歳でも治療可能な場合がある
- 年齢より重要なのは全身状態
- 高齢者では治療方法を調整することもある
高齢化が進む現在、高齢者の放射線治療はますます重要な治療になっています。
放射線治療の基礎を知りたい方はこちら
→【放射線治療の初心者向け総合ガイド】
FAQ(よくある質問)
放射線治療は何歳まで受けられますか?
放射線治療に年齢の上限はありません。体の状態が許せば80歳や90歳以上でも治療が行われることがあります。
90歳でも放射線治療は可能ですか?
可能な場合があります。全身状態や生活機能、がんの種類などを総合的に判断して治療が決定されます。
高齢者でも放射線治療は安全ですか?
放射線治療は体への負担が比較的少ないため、高齢者でも実施されることが多い治療です。ただし副作用や体力を考慮して慎重に判断されます。
放射線治療は高齢者に向いていますか?
手術が難しい高齢者では、放射線治療が重要な治療選択肢になることがあります。
放射線治療は通院でできますか?
多くの場合は通院で治療可能です。ただし症状や体調によっては入院が必要になる場合もあります。
高齢者では放射線治療の副作用は強くなりますか?
個人差がありますが、一般的には若年者と同程度の副作用であることが多いとされています。
高齢者では照射回数は変わりますか?
場合によっては照射回数を減らす「寡分割照射」が選択されることがあります。
寝たきりでも放射線治療はできますか?
治療体位が取れるかどうかが重要です。体の状態によっては難しい場合があります。
放射線治療は何歳から受けられますか?
一般的には成人であれば受けられます。小児でも特定のがんでは放射線治療が行われます。
高齢者で放射線治療を受けるべきか迷っています。
年齢だけで判断するのではなく、放射線治療専門医と相談してメリットとリスクを確認することが重要です。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























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