放射線治療による頭頸部の副作用まとめ|口・喉の症状(口内炎・味覚障害・口の渇き・嚥下障害など)

放射線治療をすると、口や喉に副作用が出るって聞いたのですが…大丈夫でしょうか?

頭頸部の治療では、口内炎や味覚の変化などが出ることがあります。
ただし多くは一時的で、対処法もあります。

どんな症状が起きるのか、
先に知っておきたいです。

この記事では、口や喉に起こりやすい副作用をまとめて解説します。
放射線治療では、照射した部位の正常組織にも一時的な影響が出ることがあります。
特に頭頸部(口・のど・唾液腺など)に放射線が当たる治療では、さまざまな症状が現れることがあります。
代表的な症状として
- 口内炎
- 味覚障害
- 口の渇き(唾液の減少)
- 嚥下障害
- 嗄声(声のかすれ)
- 頸部の腫れ
- 食道炎
などがあります。
これらの症状は多くの場合、治療期間中〜治療終了後数週間にかけて現れ、徐々に改善していきます。
この記事では、放射線治療で起こる頭頸部の副作用をまとめて解説し、それぞれの症状について詳しく解説した記事も紹介します。
→ 詳しい副作用全体については:放射線治療の副作用まとめ

どうして口や喉に副作用が出るのでしょうか?

放射線はがん細胞を治療する一方で、
近くの正常組織にも一時的な影響を与えることがあります。
特に口の粘膜や唾液腺は影響を受けやすいため、
口や喉の症状が出ることがあります。
放射線治療で頭頸部の副作用が起こる理由
放射線治療はがん細胞のDNAを損傷させて治療する方法です。
しかし、同じ場所にある
- 口腔粘膜
- 唾液腺
- 咽頭
- 食道
などの正常組織にも影響が出ることがあります。
特に次のような組織は放射線の影響を受けやすいとされています。
- 粘膜(口腔・咽頭)
- 唾液腺
- 咽頭筋
- 食道粘膜
そのため、口・のど周囲の症状として現れることがあります。
参考:
NCCN Guidelines Head and Neck Cancers
https://www.nccn.org
ASTRO clinical practice guideline
https://www.astro.org

口や喉の副作用といっても、いろいろあるのですね。

はい。症状はいくつかのタイプに分かれます。
それぞれ詳しく解説している記事もあるので、
気になる症状から読んでみてください。
放射線治療で起こる頭頸部の主な症状
頭頸部の放射線治療では、以下のような症状がみられることがあります。
口内炎(放射線性口腔粘膜炎)
口の粘膜に炎症が起こり、
- 口の痛み
- 食事のしみる感じ
- 潰瘍
などが起こることがあります。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療の口内炎
味覚障害
味を感じる細胞(味蕾)が放射線の影響を受けることで
- 味が薄く感じる
- 金属のような味
- 味が分からない
などの症状が出ることがあります。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療の味覚障害
口の渇き(唾液減少)
唾液腺が放射線の影響を受けると
- 唾液が減る
- 口が乾く
- 食べ物が飲み込みにくい
などの症状が出ることがあります。
医学的には口腔乾燥症(xerostomia)と呼ばれます。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療の口の渇き(唾液減少)
嚥下障害
喉や咽頭の炎症によって
- 食べ物が飲み込みにくい
- 飲み込むと痛い
- 食事が時間がかかる
などの症状が出ることがあります。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療の嚥下障害
嗄声(声のかすれ)
喉頭(声帯)の炎症によって
- 声がかすれる
- 声が出しにくい
などの症状が起こることがあります。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療後の嗄声
頸部の腫れ
放射線治療後に
- 首のむくみ
- 首の腫れ
が出ることがあります。
これはリンパの流れが一時的に悪くなることが原因の一つです。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療後の頸部の腫れ
食道炎
頸部や胸部に放射線が当たる治療では
- 食事のしみる感じ
- 飲み込みの痛み
- 胸の違和感
などが出ることがあります。
▶ 詳しくはこちら:放射線治療の食道炎

副作用はいつ頃から出てくるのでしょうか?

多くの症状は治療開始から2〜3週間ほどで出始めることが多いです。
治療終了後には徐々に改善していくケースが多いですよ。
頭頸部の副作用はいつ起こる?
多くの症状は
治療開始2〜3週頃
から出始めることが多いとされています。
ピークは
治療終了前後
になることが多く、その後
数週間〜数か月で改善
していきます。
ただし
- 唾液減少
- 味覚障害
などは回復に時間がかかる場合もあります。

副作用が出た場合、何かできる対策はありますか?

口腔ケアや保湿、食事の工夫などで症状を軽くできることがあります。
医療スタッフと相談しながら対策を行うことが大切です。
症状を軽くするための対策
頭頸部の副作用を軽くするために、次のような対策が行われます。
口腔ケア
口の中を清潔に保つことで
- 口内炎
- 感染
を予防することができます。
保湿・唾液ケア
- 水分摂取
- 保湿ジェル
- 唾液代替製品
などが用いられることがあります。
栄養サポート
嚥下障害や食道炎がある場合には
- 柔らかい食事
- 高カロリー食品
- 栄養補助食品
などが役立つことがあります。

頭頸部の副作用はやはり避けられないのでしょうか?

現在は放射線治療の技術が進歩し、
副作用を減らす工夫がされています。
適切なケアを行えば、
症状をコントロールしながら治療を続けることが可能です。
専門医コメント
頭頸部の放射線治療では、口・のど周囲の副作用が比較的起こりやすいことが知られています。
しかし現在は
- IMRT(強度変調放射線治療)
- IGRT(画像誘導放射線治療)
などの技術により、唾液腺など正常組織への線量を減らす工夫が行われています。
そのため以前と比べて、副作用は軽減する傾向にあります。
また、
- 口腔ケア
- 栄養管理
- リハビリ
などを組み合わせることで、症状をコントロールしながら治療を進めることが可能です。
症状がつらい場合は、我慢せず担当医や医療スタッフに相談することが重要です。
まとめ
放射線治療では、照射部位によってさまざまな副作用が起こることがあります。
頭頸部の治療では特に
- 口内炎
- 味覚障害
- 口の渇き
- 嚥下障害
- 嗄声
- 頸部の腫れ
- 食道炎
などの症状がみられることがあります。
多くの症状は治療終了後に徐々に改善していきます。
また、副作用全体については:放射線治療の副作用まとめ
をご覧ください。
FAQ(よくある質問)
放射線治療で口内炎は必ず起こりますか?
必ず起こるわけではありませんが、頭頸部に放射線が当たる治療では比較的よく見られる副作用です。
味覚障害は治りますか?
多くの場合は数か月かけて徐々に回復します。ただし完全に元に戻らない場合もあります。
口の渇きはいつまで続きますか?
治療後数か月で改善する場合が多いですが、唾液腺の線量によっては長く続くことがあります。
嚥下障害がある場合はどうすればよいですか?
食事形態の調整や嚥下リハビリを行うことで改善することがあります。
声のかすれは治療が終われば治りますか?
多くの場合は治療終了後数週間で改善します。
頸部の腫れは危険な症状ですか?
多くはリンパ浮腫によるものですが、気になる場合は医師に相談してください。
食道炎はどのくらいで改善しますか?
多くの場合、治療終了後2〜4週間で改善していきます。
頭頸部の副作用は予防できますか?
完全に防ぐことは難しいですが、口腔ケアなどで軽減できることがあります。
治療中に食事がとれなくなった場合は?
栄養補助食品や点滴などでサポートすることがあります。
副作用が強い場合は治療を中断しますか?
症状に応じて治療を調整することがありますが、多くの場合はサポートしながら継続可能です。
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この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























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