放射線性直腸炎のAPC治療とは?血便の原因・痛み・費用・保険適応を専門医が解説

放射線治療のあとから血便が続いています…。
これって大丈夫なんでしょうか?

放射線治療のあとに起こる放射線性直腸炎の可能性があります。
直腸の血管がもろくなり、出血しやすくなることが原因です。

治療はできるんですか?

はい。
出血が続く場合には、APC治療(アルゴンプラズマ凝固)という内視鏡治療で止血できることが多いです。
この記事ではその治療について分かりやすく解説します。
放射線治療の後に起こる副作用のひとつに
放射線性直腸炎(ほうしゃせんせいちょくちょうえん)があります。
特に多い症状が
- 血便
- 便に血が混じる
- 排便時の出血
です。
こうした出血が続く場合、
内視鏡で止血する治療(APC治療)が行われることがあります。
この記事では
- APC治療とは何か
- 痛みはあるのか
- 何回くらい必要なのか
- 費用・保険適応
などを 放射線治療専門医の立場から分かりやすく解説します。
放射線性直腸炎とは(血便の原因)
放射線治療後、数ヶ月〜数年して
- 直腸粘膜の血管がもろくなる
- 新しい異常血管(毛細血管拡張)ができる
ことで
少しの刺激で出血する状態になることがあります。
これを
放射線性直腸炎
と呼びます。
よくある症状
- 血便
- トイレットペーパーに血がつく
- 排便時出血
- 粘液便
- 下痢
詳しくは
→ 放射線性直腸炎とは?血便の原因と症状

APC治療って初めて聞きました。
どんな治療なんですか?

簡単に言うと、内視鏡で出血している血管を焼いて止血する治療です。

手術なんですか?

いいえ。
お腹を切る手術ではなく、
内視鏡で行う比較的負担の少ない治療です。
APC治療(アルゴンプラズマ凝固)とは
APC(Argon Plasma Coagulation)は
内視鏡で出血している血管を焼いて止血する治療
です。
特徴
- 切らない治療
- 内視鏡で行う
- 外来で可能なことが多い
消化器内視鏡の分野では
放射線性直腸炎の標準治療の一つです。
APC治療の仕組み(治療原理)
APCでは
アルゴンガスを電気でプラズマ化
し
接触せずに粘膜を凝固
させます。
メリット
- 浅い深さだけ凝固
- 穿孔リスクが低い
- 広い範囲を治療できる
そのため
放射線で脆くなった粘膜の止血に適しています。

治療って痛いのでしょうか…?
それが一番心配です。

多くの場合、強い痛みはありません。
内視鏡検査と同じような感覚で、
鎮静剤を使うこともあります。

入院は必要ですか?

出血の程度にもよりますが、
外来で治療できることも多いです。
APC治療は痛い?
多くの患者さんが気にするのが
痛み
です。
結論
- 通常は強い痛みはありません
- 軽い違和感程度
理由
- 粘膜表面の浅い治療
- 鎮静剤を使用することもある
治療後に
- 軽い腹部違和感
- 少量出血
が起こることがありますが
多くは数日以内に改善します。
APC治療の有効率
多くの研究で
70〜90%程度で出血改善
と報告されています。
代表的報告
消化器内視鏡学の報告では
- 出血改善率
約80〜90%
とされています。
ただし
- 1回では止血できない場合
- 再発
もあるため
複数回治療が必要なことがあります。
参考
American Society for Gastrointestinal Endoscopy
APC治療は何回必要?
多くの場合
1〜3回
で止血できます。
ただし
出血範囲が広い場合
- 4回以上
行うこともあります。
治療間隔
4〜8週間程度
で追加治療を検討することが多いです。

治療費って高いんでしょうか?

APC治療は健康保険が使える治療です。

だいたいどれくらいかかりますか?

3割負担の場合、1万〜3万円程度が目安です。
入院する場合はもう少しかかることがあります。
APC治療の費用(保険適応)
APCは
健康保険が適用される治療
です。
日本の医療保険では
内視鏡的止血術として算定されます。
費用の目安(3割負担)
約1万〜3万円前後
※施設や処置内容により異なる
入院する場合
数万円〜10万円程度になることもあります。
高額療養費制度
出血が強く
入院治療になった場合でも
高額療養費制度
が使えます。
自己負担には上限があります。
詳しくはこちら
内部リンク
→ がん治療と高額療養費制度の解説
APC治療の合併症
頻度は高くありませんが
以下の可能性があります。
- 潰瘍
- 直腸狭窄
- 出血
- 穿孔(非常にまれ)
ただし
安全性の高い治療
とされています。
APC治療で改善しない場合
出血が続く場合
次の治療が検討されます。
- 高圧酸素療法
- 内視鏡追加治療
- 薬物療法
内部リンク
→ 高圧酸素療法とは?放射線治療後の副作用への効果
放射線治療後の血便が出たとき
血便があった場合
自己判断せず
必ず医療機関で相談してください
理由
- 大腸がん
- 痔
- 炎症性腸疾患
など別の原因の可能性もあるためです。
円座クッション
直腸の炎症がある場合、長時間座ると症状が悪化することがあります。
円座クッションを使用すると肛門周囲への圧迫を減らすことができます。

血便が続くと、やっぱり不安になります…。

そうですよね。
ですが放射線性直腸炎の出血は、
APC治療などで改善できることが多いです。

治療法があると聞いて安心しました。

血便がある場合は我慢せず、
早めに主治医や消化器内科に相談することが大切です。
専門医コメント
放射線性直腸炎による血便は
患者さんにとって非常に不安な症状です。
しかし
現在は
- APC治療
- 高圧酸素療法
など
有効な治療法が確立しています。
出血が続く場合でも
多くのケースで改善が期待できます。
血便を認めた場合は
早めに主治医や消化器内科に相談することが大切です。
放射線治療について詳しく知りたい方へ
放射線治療の基本や副作用、費用については以下の記事で詳しく解説しています。
- 放射線治療の初心者向け総合ガイド|仕組み・適応・メリット・デメリットまで徹底解説
- 放射線治療の副作用まとめ|症状・原因・対処・予防を専門医がわかりやすく解説
- 放射線治療の医療費まとめ|自己負担・入院費・制度・保険まで完全ガイド
まとめ
放射線性直腸炎による血便には
APC治療(アルゴンプラズマ凝固)
が有効です。
特徴
- 内視鏡治療
- 有効率70〜90%
- 保険適応
- 1〜3回程度で止血することが多い
血便が続く場合でも
治療法はあります。
まずは医療機関で相談しましょう。
FAQ(よくある質問)
APC治療は痛いですか
多くの場合
強い痛みはありません。
鎮静剤を使うこともあります。
APC治療は日帰りですか
外来で行えることが多いですが
出血量などにより入院する場合もあります。
APC治療は何回必要ですか
通常は
1〜3回程度
で止血できることが多いです。
再発することはありますか
あります。
放射線性直腸炎は
慢性疾患
のため再出血することがあります。
APC治療は安全ですか
比較的安全な治療ですが
潰瘍
狭窄
出血
などの合併症がまれに
費用はいくらですか
3割負担で
1万〜3万円前後
が目安です。
保険は使えますか
健康保険適応です。
入院が必要ですか
出血が軽い場合は
外来治療
で行われることもあります。
治療後に注意することはありますか
治療後数日間
激しい運動
アルコール
は控えるよう指導されることがあります。
血便が出たらすぐ受診すべきですか
はい。
血便は
大腸がん
痔
炎症
など別の病気の可能性もあるため
必ず医療機関で相談してくださ
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。


























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