高圧酸素療法とは?放射線治療後の副作用への効果・回数・費用・保険適応を解説

2026年3月10日

患者

放射線治療のあとから血尿や血便が続いています…。
こういう副作用って治るものなんでしょうか?

放射線治療医

放射線治療のあとに、数ヶ月〜数年して起こる副作用として
放射線性膀胱炎や放射線性直腸炎があります。

患者

治療法はあるんですか?

放射線治療医

はい。その一つが高圧酸素療法です。
傷ついた組織の回復を助ける治療で、
放射線治療後の副作用に使われることがあります。
この記事で詳しく解説します。

放射線治療のあとに起こる副作用の中には

  • 血尿(放射線性膀胱炎)
  • 血便(放射線性直腸炎)
  • 傷が治りにくい
  • 組織の壊死

などがあります。

こうした副作用に対して
高圧酸素療法(こうあつさんそりょうほう)が行われることがあります。

この記事では

  • 高圧酸素療法の仕組み
  • 有効率
  • 治療回数
  • 費用
  • 保険適応

などを、放射線治療専門医の立場から分かりやすく解説します。


患者

高圧酸素療法って、
どんな治療なんですか?

放射線治療医

簡単に言うと、高い気圧の環境で酸素を吸うことで組織の回復を促す治療です。

患者

手術ではないんですね?

放射線治療医

はい。
専用の装置の中で酸素を吸入する治療で、
体に大きな負担の少ない治療です。


高圧酸素療法とは

高圧酸素療法とは

高い気圧の環境で100%の酸素を吸入する治療

です。

専用の装置(高圧酸素タンク)に入り

  • 2気圧前後
  • 約60〜90分

酸素を吸入します。

この治療は

  • 放射線障害
  • 潜水病
  • 難治性創傷

などに使われています。


放射線治療後に起こる副作用

放射線治療後、数ヶ月〜数年して

血管が壊れやすくなる

ことがあります。

その結果

  • 血尿
  • 血便
  • 傷が治らない

といった症状が起きます。

代表的な病気

  • 放射線性膀胱炎
  • 放射線性直腸炎

内部リンク
放射線性膀胱炎とは?血尿の原因
放射線性直腸炎とは?血便の原因


高圧酸素療法の治療原理

放射線で傷ついた組織では

血流が低下し酸素不足

になります。

高圧酸素療法では

血液中の酸素量が増え

  • 組織の修復
  • 血管の再生
  • 炎症の改善

が促されます。

その結果

出血や傷が改善することがあります。


患者

実際に効果はあるんでしょうか?

放射線治療医

研究では、放射線治療後の副作用に対して
60〜80%程度で症状の改善がみられると報告されています。

患者

完全に治ることもあるんですか?

放射線治療医

症状が大きく改善する方も多いですが、
症状を軽くすることを目的に行う治療でもあります。


高圧酸素療法の有効率

研究報告では

放射線障害に対する改善率は

約60〜80%

とされています。

特に

  • 放射線性膀胱炎
  • 放射線性直腸炎

で有効性が報告されています。

参考
Undersea and Hyperbaric Medical Society

https://www.uhms.org


患者

治療は1回で終わるんですか?

放射線治療医

高圧酸素療法は複数回の治療が必要です。

患者

どれくらい通うんでしょうか?

放射線治療医

多くの場合、30〜40回程度行います。
週5回ほど治療を行うことが多く、
1〜2ヶ月程度かけて治療することになります。


治療回数

高圧酸素療法は

複数回の治療が必要

です。

一般的な回数

20〜40回

治療頻度

週5回

つまり

1〜2ヶ月程度

治療することが多いです。


治療は痛い?

高圧酸素療法は

基本的に痛みはありません

ただし

  • 耳が詰まる感じ
  • 軽い圧迫感

が出ることがあります。

飛行機に乗ったときの
耳の圧迫感に近い感覚です。


高圧酸素療法の費用

保険適応の場合

1回あたり

約5000〜7000円
(3割負担)

30回の場合

約15〜20万円程度

が目安になります。

※施設によって差があります


保険適応

放射線障害は

健康保険適応

です。

対象となる疾患

  • 放射線性膀胱炎
  • 放射線性直腸炎
  • 放射線壊死

など。


合併症

頻度は高くありませんが

  • 中耳炎
  • 鼓膜損傷
  • 酸素中毒

などがあります。

ただし

安全性の高い治療

とされています。


尿漏れパッド

血尿がある場合、下着や衣服への付着が気になることがあります。
外出時などには男性用尿ケアパッドを使用すると安心です。


他の治療法

放射線障害では

他にも

  • 内視鏡治療(APC)
  • 薬物療法

が行われます。

内部リンク
放射線性直腸炎のAPC治療


患者

放射線治療の副作用が続くと、
本当に不安になりますね。

放射線治療医

そうですね。
ただ、現在は高圧酸素療法のような治療法があり、症状が改善する患者さんも多いです。

患者

治療の選択肢があると分かって安心しました。

放射線治療医

血尿や血便などの症状が続く場合は、
我慢せず早めに主治医へ相談することが大切です。


専門医コメント

放射線治療後の慢性副作用は
患者さんにとって非常に不安な症状です。

しかし現在は

  • 高圧酸素療法
  • 内視鏡治療

などの治療法があり、
多くの患者さんで症状の改善が期待できます。

血尿や血便が続く場合は
早めに主治医に相談することが大切です。


放射線治療について詳しく知りたい方へ

放射線治療の基本や副作用、費用については以下の記事で詳しく解説しています。


FAQ(高圧酸素療法)

効果はどれくらいありますか

約60〜80%で症状改善が報告されています。

痛いですか

痛みはありません。

何回くらい必要ですか

30〜40回が一般的です。

毎日通院ですか

週5回程度の治療が多いです。

費用はいくらですか

3割負担で
1回約5000〜7000円です。

保険は使えますか

放射線障害では保険適応です。

入院が必要ですか

外来治療が多いです。

治療時間は?

60〜90分程度です。

効果が出るまでどれくらい?

数週間〜1ヶ月程度かかることがあります。

再発することはありますか

ありますが、再治療が可能な場合もあります。


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  この記事の執筆者

放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

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