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【コロナ流行は放射線治療をどう変えた?】寡分割照射の拡大と遠隔診療の導入を専門医が解説 | 放射線治療よろづ帖.com

【コロナ流行は放射線治療をどう変えた?】寡分割照射の拡大と遠隔診療の導入を専門医が解説

2025年3月23日

はじめに|コロナは医療をどう変えたのか

新型コロナウイルス感染症の流行は、社会全体に大きな影響を与えました。

現在では感染状況も落ち着き、社会生活はコロナ流行以前に戻ったように見えます。しかし実際には、医療現場には今もなおコロナの影響が色濃く残っています。

特に放射線治療の分野では、

  • 治療回数の短縮(寡分割照射の拡大)

  • 遠隔診療の導入

といった変化が起こりました。

本記事では、コロナ流行が放射線治療にどのような影響を与えたのかを、専門医の視点から解説します。

コロナ流行による最大の変化:寡分割照射の導入

寡分割照射とは?

寡分割照射とは、1回に照射する放射線量を増やし、治療回数を減らす方法です。

通常よりも少ない通院回数で治療を終えられるため、コロナ禍においては感染リスクを減らす目的で積極的に導入されました。

コロナ禍を経て、この治療法は一時的な対応にとどまらず、現在も標準治療として継続されている領域があります。

寡分割照射が広く導入された領域

① 乳癌

乳癌の放射線治療では、これまで25回照射が一般的でした。

しかしコロナ流行前後から16回照射が広まり、コロナ禍を経て多くの施設で定着しました。保険適用が後押しとなった面もあります。

海外ではさらに5回照射という方法も取り入れられており、大規模研究で有効性が示されています。

現在では16回照射が標準的な位置づけとなり、「寡分割」といえば5回照射を指す流れになりつつあります。

日本ではまだ5回照射は一般的ではありませんが、将来的に大規模感染症が再び流行した場合には導入が進む可能性があります。

② 前立腺癌

前立腺癌では、従来は35~39回程度の照射が標準でした。

最近では20回照射が行われる施設も増えています。

前立腺は直腸や膀胱に近いため、1回線量を増やす際には慎重な対応が必要です。しかし20回照射でも安全に治療可能と報告されています。

さらに5回照射も報告されており、腫瘍制御率や副作用は従来と同程度とされています。

ただし、

  • 長期成績のデータがまだ十分でない

  • 高線量照射のため直腸スペーサー留置が必要

といった課題があります。

現時点では一般的とは言えませんが、将来的には20回が標準となり、5回が寡分割と呼ばれる時代が来る可能性があります。

③ 直腸癌

直腸癌の術前照射では25回程度が一般的でしたが、5回照射が普及してきています。

報告では、5回でも十分な治療効果が得られ、副作用も大きく増加しないとされています。

5回照射の可能性と課題

乳癌・前立腺癌・直腸癌の領域で、5回照射は徐々に広がっています。

コロナ禍によって寡分割照射への移行は加速しました。

しかし一方で、急速な導入によってエビデンスが十分に蓄積されていないという懸念もあります。

コロナワクチンと同様に、流行下では十分な検証を待たずに導入が進んだ側面があります。

これまでの標準治療は、長年にわたり積み上げられたエビデンスの上に成り立っています。

今後5回照射が主流となる可能性はありますが、さらなる長期データの蓄積が不可欠です。

コロナ禍でのがん治療の現場の変化や、寡分割照射が広がった背景については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 【コロナ禍における放射線治療】

コロナがもたらしたもう一つの変化:遠隔診療

遠隔診療が注目された背景

コロナ流行期には厳しい行動制限が行われ、病院への通院が困難になるケースもありました。

その中で、感染リスクを避けながら診療を行う手段として遠隔診療が注目されました。

遠隔診療のメリットとデメリット

メリット

  • 感染リスクを低減できる

  • 通院時間や交通費を削減できる

  • 過疎地での医療アクセス改善につながる

患者だけでなく、医療スタッフの感染リスクも減らせる点は大きな利点です。

デメリット

  • 聴診や触診ができない

  • 重要な所見を見逃す可能性がある

  • 医師と患者の信頼関係構築が難しい場合がある

  • 高齢者では機器導入のハードルがある

医療においては、対面で得られる情報や信頼関係が重要な役割を果たします。

放射線治療における遠隔診療の適応

放射線治療中は副作用のリスクが高く、不安も強いため、対面診療が望ましいと考えます。

一方で、治療終了後のフォローアップでは遠隔診療が有効な場面もあります。

また、医療スタッフ間のカンファレンスでは遠隔会議のメリットは大きいです。

ただし、個人情報の取り扱いには十分な注意が必要です。

まとめ|コロナ禍が残したもの

コロナ流行は、放射線治療の在り方を大きく変えました。

  • 寡分割照射の拡大

  • 5回照射への移行の可能性

  • 遠隔診療の導入

一方で、急速な変化に対してはエビデンスの蓄積が不可欠です。

感染が落ち着いた現在だからこそ、改めて「科学的根拠の重要性」を意識する必要があります。

将来的に5回照射が一般的になる可能性はありますが、そのためにはさらなる研究と検証が必要です。

参考文献

Breast, Prostate, and Rectal Cancer: Should 5-5-5 Be a New Standard of Care?

Affiliations

TelemedicineVolume 108, Issue 2p435-437October 01, 2020

“Connection Failed”: A Word of Caution on Telemedicine in Radiation Oncology

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