5cm以上の巨大な非小細胞肺癌に対する定位放射線治療の成績
Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2017 Mar 15;97(4):778-785. doi: 10.1016/j.ijrobp.2016.11.049. Epub 2016 Dec 2.
Influence of Fractionation Scheme and Tumor Location on Toxicities After Stereotactic Body Radiation Therapy for Large (≥5 cm) Non-Small Cell Lung Cancer: A Multi-institutional Analysis.
Verma V1, Shostrom VK2, Zhen W1, Zhang M1, Braunstein SE3, Holland J4, Hallemeier CL5, Harkenrider MM6, Iskhanian A7, Jabbour SK8, Attia A9, Lee P10, Wang K11, Decker RH12, McGarry RC13, Simone CB 2nd14.
5cm以上の巨大な非小細胞肺癌に対する定位放射線治療の成績の検討。
一般的に非小細胞肺癌に対して定位放射線治療を行う場合は、腫瘍の大きさがある程度小さいものを選択して行うことが多い。
これは、腫瘍径が大きくなれば、それだけ正常組織に放射線が照射されるリスクが増すためであり、特に定位放射線治療の場合には1回の線量が多いため、通常の放射線治療と比較しても、副作用のリスクが高い。
この研究は、5cm以上の腫瘍を対象とした、定位放射線治療の成績について検討したものである。
また、照射方法に関して、連日で照射した場合と隔日で照射した場合、部位について中枢性と末梢性に関して検討している。
結果としては、隔日で照射した群は連日で治療した群と比較して副作用の発現頻度が低く、中枢性と末梢性では副作用の頻度に有意な差は見られなかった。
この研究で投与された線量は、多くの例で50Gy/5Frあるいは48Gy/4Frであった。
傾向としては、連日の治療群では50Gy/5Frを選択されている例が多く、隔日照射群では50Gy/5Frと48Gy/4Frは同数程度であった。
放射線治療の手法としては、固定多門、VMAT、固定ビームによるIMRTがそれぞれ同数程度であった。
中枢性と末梢性で副作用の発現頻度に差が出なかった理由としては、中枢性では5回治療が選択されるのが多かったのに対して、末梢性では5回治療だけでなく、3~4回治療も選択される場合が多かったことが本文中で挙げられている。連日照射と隔日照射の割合は、中枢性と末梢性では変わらなかった。
巨大な非小細胞肺癌の治療においては、副作用の観点からは、連日照射よりも隔日照射が好ましいと考えられる。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません