放射線治療の全身症状|疲労・食欲低下・発熱などを専門医が解説

放射線治療って、副作用は照射した場所だけじゃないんですか?

実は疲労や食欲低下などの“全身症状”もよく起こります。

そうなんですね…
どう対処すればいいんでしょう?

大丈夫です。
よくある症状と対処法を専門医の視点で解説します。
放射線治療では、治療部位に限らず全身に現れる症状が起こることがあります。
代表的なのは
- 強い疲労(倦怠感)
- 食欲低下
- 体重減少
- 発熱
- 放射線宿酔
などです。
これらの症状は多くの場合、治療終了後に徐々に改善する一時的な症状ですが、適切な対処を知っておくことで生活の負担を大きく減らすことができます。
この記事では、
- 放射線治療で起こる全身症状
- 起こる理由
- 対処法
- 受診の目安
について、国際的なガイドラインや研究をもとに放射線治療専門医が解説します。
▶ 放射線治療の副作用の全体像はこちら
→ 放射線治療の副作用まとめ(親記事)
放射線治療で起こる全身症状

疲れや食欲低下も放射線の副作用なんですか?

はい。実は多くの患者さんが経験する症状です。

どんな症状が多いんですか?

代表的なものを順番に説明します。
放射線治療では、以下のような全身症状がみられることがあります。
放射線治療の疲労(倦怠感)
放射線治療の副作用で最も多い症状です。
特徴
- 治療中〜治療後に出現
- 十分休んでも回復しにくい
- 集中力低下を伴うこともある
研究では
患者の約50〜80%が経験すると報告されています。
放射線宿酔
放射線治療開始後に起こる
- 吐き気
- 頭痛
- 倦怠感
- 食欲低下
などの症状の総称です。
現在は治療技術の進歩により以前より頻度は減少しています。
放射線治療による発熱
放射線治療中に微熱〜発熱が起こることがあります。
原因
- 炎症反応
- 免疫反応
- 感染症
発熱は感染症の可能性があるため注意が必要です。
放射線治療中の食欲低下
食欲低下は
- 消化管への照射
- 倦怠感
- 味覚変化
などによって起こります。
食欲低下が続くと
- 栄養不足
- 体力低下
につながるため、早めの対策が重要です。
放射線治療による体重減少
食欲低下や消化管症状により
体重が減少することがあります。
研究では
体重減少は治療継続や予後に影響する可能性があるため
早期の栄養管理が推奨されています。

どうして放射線で全身がだるくなるんですか?

主な理由は体の炎症反応とエネルギー消費の増加です。

体が戦っている感じなんですね。

その通りです。
体が回復しようとしている反応でもあります。
なぜ放射線治療で全身症状が起こるのか
原因は主に以下です。
炎症反応
放射線により
- 炎症性サイトカイン
が増えることで
- 倦怠感
- 食欲低下
- 発熱
が起こります。
体のエネルギー消費増加
放射線治療中は
- 体の修復反応
- 免疫反応
が活性化します。
そのため体がエネルギー不足になりやすい状態になります。
栄養摂取量の低下
食欲低下や吐き気により
- 摂取カロリー減少
が起こり
- 倦怠感
- 体重減少
につながります。

疲れている時は、
ずっと休んでいたほうがいいですか?

実は軽い運動のほうが疲労改善に効果的なことが多いです。

えっ、動いた方がいいんですか?

はい。無理のない範囲の散歩などがおすすめです。
全身症状の対処法
国際ガイドラインでは次の対策が推奨されています。
① 軽い運動
研究では
軽い運動が疲労改善に最も有効とされています。
例
- 散歩
- ストレッチ
- 軽い体操
参考
National Comprehensive Cancer Network
https://www.nccn.org
→放射線治療中の運動についてはこちらの記事で解説しています。
② 栄養管理
推奨される食事
- 高タンパク食
- 少量頻回食
- 栄養補助食品
必要に応じて
栄養サポートチーム(NST)が関わることもあります。
→放射線治療中の食事についてはこちらの記事で解説しています。
③ 十分な休息
疲労が強い場合は
- 昼寝
- 睡眠時間の確保
が重要です。
ただし
長時間の安静は逆効果になる場合があります。
受診の目安
次の場合は医師に相談してください。
- 38℃以上の発熱
- 食事が取れない
- 急激な体重減少
- 強い倦怠感
これらは
- 感染症
- 栄養障害
の可能性があります。

疲労や食欲低下って、
我慢するしかないんでしょうか?

いいえ。
対策でかなり改善できることが多いです。

そうなんですね。

ここで放射線治療専門医として重要なポイントをまとめます。
専門医コメント
放射線治療では、皮膚炎や口内炎などの局所症状に注目されがちですが、実際には全身症状も非常に多く見られます。
特に
- 倦怠感
- 食欲低下
- 体重減少
は患者さんの生活の質(QOL)に大きく影響します。
近年の研究では
軽い運動と栄養管理が疲労改善に有効であることが分かっています。
症状を我慢せず、早めに医療スタッフに相談することが重要です。
まとめ
放射線治療では
- 疲労
- 食欲低下
- 体重減少
- 発熱
- 放射線宿酔
などの全身症状が起こることがあります。
多くは一時的ですが
- 栄養管理
- 運動
- 休息
によって改善が期待できます。
症状が強い場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
FAQ(よくある質問)
放射線治療で疲労はどのくらい起こりますか?
研究では約50〜80%の患者に起こると報告されています。
放射線治療の疲労はいつまで続きますか?
多くは治療終了後数週間〜数か月で改善します。
放射線治療で発熱することはありますか?
炎症反応や感染症により発熱することがあります。
食欲低下はよくある副作用ですか?
消化管照射や倦怠感により比較的よくみられます。
体重減少は問題になりますか?
体重減少は体力低下や治療継続に影響することがあります。
放射線宿酔とは何ですか?
吐き気、頭痛、倦怠感などの症状の総称です。
放射線治療中は運動しても大丈夫ですか?
軽い運動は疲労改善に有効とされています。
食欲がない場合どうすればよいですか?
少量頻回食や栄養補助食品が有効です。
発熱したらどうすればいいですか?
38℃以上の場合は医療機関に相談してください。
全身症状は治療後も続きますか?
多くは治療終了後に改善します。
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この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























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