放射線治療の消化器症状|吐き気・下痢・腹痛・便秘・血便を専門医が解説

放射線治療って、
吐き気や下痢が出ることもあるんですか?

はい、治療する場所によっては消化器症状が出ることがあります。
ただし現在は薬や食事調整で多くの症状はコントロール可能です。

そうなんですね。
どんな症状があるのか知っておきたいです。

この記事では、放射線治療で起こる吐き気・下痢・腹痛・便秘・血便について、
原因と対処法をわかりやすく解説します。
放射線治療では、治療部位によって消化器症状(胃腸の症状)が起こることがあります。
特に
- 腹部
- 骨盤
- 脳
- 化学療法併用
の場合には、吐き気・下痢・腹痛などがみられることがあります。
しかし多くの場合、
✔ 適切な薬
✔ 食事調整
✔ 生活対策
で安全にコントロール可能です。
この記事では放射線治療で起こる代表的な消化器症状について、国際ガイドライン(NCCN・ESMOなど)をもとに専門医がわかりやすく解説します。
また、放射線治療の副作用全体については
▶ 放射線治療の副作用まとめ
も参考にしてください。
放射線治療で起こる主な消化器症状
放射線治療では以下のような消化器症状が起こることがあります。
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- 便秘
- 血便
症状は
- 治療部位
- 照射範囲
- 線量
- 併用治療
によって異なります。
放射線治療の吐き気

放射線治療でも吐き気が出ることがあるんですか?

はい。特に脳や上腹部の治療では吐き気が起こることがあります。

つらそうですね…。

現在は制吐薬が非常に進歩しているので、
症状はかなり抑えられることが多いですよ。
放射線治療による吐き気は
- 脳
- 上腹部
- 全身照射
などで起こることがあります。
主な原因は
- 消化管への放射線刺激
- 中枢神経への影響
- 炎症反応
などです。
現在は
- 5HT3拮抗薬
- NK1拮抗薬
- ステロイド
などの制吐薬で高い確率でコントロール可能です。
放射線治療の下痢

骨盤の放射線治療だと、
下痢が起こることがあると聞きました。

はい、腸が放射線の影響を受けることで放射線腸炎が起こることがあります。

長く続くんでしょうか?

多くの場合は治療中〜治療後数週間で改善し、
薬でコントロールできることがほとんどです。
骨盤照射では腸管が放射線の影響を受けるため、下痢が起こることがあります。
これは
放射線腸炎(radiation enteritis)
と呼ばれる状態です。
多くの場合は
- 整腸薬
- 下痢止め
- 食事調整
で改善します。
▶ 放射線治療の下痢
放射線治療の腹痛
腹痛は
- 腸炎
- 腸のけいれん
- 炎症
などが原因になります。
多くは軽度ですが、
- 強い腹痛
- 発熱
- 血便
がある場合は医療機関へ相談が必要です。
▶ 放射線治療の腹痛
放射線治療による便秘
放射線治療では、意外にも便秘が起こることがあります。
原因として
- 制吐薬
- 鎮痛薬
- 食事量低下
- 活動量低下
などがあります。
対策として
- 水分摂取
- 食物繊維
- 下剤
などが有効です。
放射線治療後の血便

もし血便が出たら、危ないのでしょうか?

軽い直腸炎で起こることもあり、
すぐに重大な問題とは限りません。

どんなときに病院へ行けばいいですか?

出血が続く場合、貧血、強い腹痛がある場合は早めに医療機関へ相談してください。
血便はまれですが、以下の場合に起こることがあります。
- 放射線直腸炎
- 粘膜炎症
- 血管拡張
多くは軽度ですが、
- 出血が続く
- 貧血
- 強い腹痛
がある場合は医療機関へ相談してください。
消化器症状の予防とセルフケア
放射線治療中の消化器症状は、生活習慣でも改善できます。
食事
- 刺激物を控える
- 脂っこい食事を避ける
- 少量頻回食
水分
脱水予防のため
1.5〜2L程度の水分摂取
を意識します。
腸に優しい食事
おすすめ
- おかゆ
- うどん
- 白身魚
- バナナ
控えたいもの
- アルコール
- 香辛料
- 脂肪の多い食事
国際ガイドラインの考え方
放射線治療による消化器症状は、以下のガイドラインでも重要な副作用として説明されています。
外部リンク
ESMO supportive care
https://www.esmo.org
ASTRO patient resources
https://www.rtanswers.org
これらのガイドラインでは
- 早期発見
- 症状コントロール
- 栄養管理
が重要とされています。

放射線治療の消化器症状って、
やっぱり心配です…。

不安になりますよね。
ただ現在は、薬や栄養管理の進歩で多くの症状は安全にコントロールできます。

我慢せず相談していいんですね。

もちろんです。
早めに相談することが一番大切です。
専門医コメント
放射線治療による消化器症状は、適切な対処でほとんどがコントロール可能です。
特に現在は
- 制吐薬
- 整腸薬
- 栄養管理
が進歩しており、治療を中断するケースは以前より大きく減っています。
重要なのは
症状を我慢せず早めに相談することです。
早期対応により
- 治療継続率
- 生活の質
を大きく改善できます。
まとめ
放射線治療では、治療部位によって消化器症状が起こることがあります。
主な症状
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- 便秘
- 血便
しかし多くの場合は
- 薬
- 食事調整
- 生活対策
によって安全にコントロールできます。
症状がある場合は、早めに主治医へ相談することが大切です。
また、放射線治療の副作用全体については
も参考にしてください。
FAQ(よくある質問)
放射線治療で吐き気はよく起こりますか?
治療部位によって異なりますが、脳や上腹部照射では起こることがあります。現在は制吐薬で多くがコントロール可能です。
放射線治療で下痢はなぜ起こりますか?
腸が放射線の影響を受けることで炎症が起こるためです。骨盤照射で比較的よくみられます。
放射線治療で腹痛が出たら危険ですか?
多くは軽度ですが、強い痛みや発熱、血便がある場合は医療機関へ相談してください。
放射線治療で便秘になることはありますか?
はい。制吐薬や活動量低下などが原因で便秘が起こることがあります。
放射線治療後に血便が出ることはありますか?
まれに放射線直腸炎で起こることがあります。出血が続く場合は医療機関を受診してください。
下痢のとき食事はどうすればよいですか?
脂肪の多い食事や刺激物を避け、消化の良い食事を少量ずつ摂ることがすすめられます。
放射線治療の消化器症状はいつまで続きますか?
多くは治療中から治療後数週間で改善します。
消化器症状があっても治療は続けられますか?
多くの場合、薬で症状をコントロールしながら治療を継続できます。
市販薬を使ってもよいですか?
自己判断ではなく、主治医に相談して使用することが大切です。
症状が強いときはどうすればよいですか?
早めに医療機関へ相談してください。治療内容の調整や薬の変更で改善できることがあります。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
























ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません