【完全ガイド】乳がんの放射線治療|適応・副作用・期間・最新治療まで専門医が解説
乳がんの治療では、手術・薬物療法と並んで放射線治療は非常に重要な柱の一つです。
近年は技術の進歩により、副作用を減らしながら治療効果を高めることが可能になっています。
この記事では、国際ガイドラインに基づき、乳がん放射線治療の全体像を専門医が分かりやすく解説します。
この記事で分かること
乳がんで放射線治療が必要な理由
どんな人が対象になるのか
治療の流れ・期間
副作用と対策
最新の治療(短期照射・部分照射など)
治療後の生活と注意点
乳がんに放射線治療が必要な理由
乳がんの放射線治療の目的は主に次の3つです。
①再発を防ぐ
乳房温存手術の後に放射線治療を行うことで、局所再発を大きく減らすことが証明されています。
さらに、生存率の改善にも寄与します。
乳房温存手術後には、年齢や病理に関係なく基本的に照射が推奨されています。
②生存率を改善する
放射線治療は単に再発を減らすだけでなく、長期的な予後改善にも関与します。
③臓器を温存できる
乳房を残す治療が可能になり、生活の質(QOL)を保つことができます。
放射線治療が必要になるケース(適応)
1. 乳房温存手術後
もっとも多いケースです。
以下の場合は原則として放射線治療を行います。
早期乳がん
非浸潤がん(DCIS)
腫瘍切除後
非浸潤がんでも再発予防のため照射が推奨されます。
2. 乳房切除後(術後照射)
以下のような場合に検討されます。
強く推奨
リンパ節転移あり
T4腫瘍
炎症性乳がん
個別判断
T3
1~3個のリンパ節転移
3. 再発乳がん
局所再発・リンパ節再発の治療として使用されます。
4. 転移乳がん
痛みや症状を改善する緩和治療としても重要です。
放射線治療の種類
①全乳房照射(Whole breast irradiation)
もっとも標準的な方法です。
②部分乳房照射(APBI)
最近注目されている治療です。
適応(国際ガイドライン)
40歳以上
2cm以下
ER陽性
低~中リスク
リンパ節陰性
これらを満たす場合、全乳房照射と同等の効果が期待されます。
③リンパ節照射
再発リスクが高い場合に行います。
④胸壁照射
乳房切除後に行います。
乳がんの放射線治療に関して徹底解説
乳がんの放射線治療について、専門医が最新情報を詳しく解説しています。
治療期間(どのくらい通院する?)
従来
約5〜6週間
現在(短期照射)
近年は短期間で治療できる方法が主流です。
例
3〜4週間
1週間(5回)
APBIでは5回治療が標準となりつつあります。
現在の主流、16回照射について解説
5回照射とは?
5回照射の有効性、将来性について解説
治療の流れ
①初診・説明
病理・画像・再発リスクを評価。
②CTシミュレーション
治療計画を作成します。
③治療開始
通常は平日毎日通院。
④フォロー
定期検査を行います。
副作用と対策
副作用は多くの場合軽度で、時間とともに改善します。
急性期(治療中〜数週間)
皮膚炎
乳房の痛み
疲労
放射線治療における皮膚炎の記事はこちら
放射線治療による皮膚炎
- 皮膚炎のスキンケア
放射線宿酔の記事はこちら
放射線治療に伴う、だるい感じ、疲労感を解説。
晩期副作用
乳房硬化
色素沈着
浮腫
まれに心臓・肺への影響
左乳がんでは心臓線量低減の工夫が重要です。
なぜ心臓線量を減らす必要があるのか
乳がん術後のリンパ浮腫についての記事はこちら
副作用を減らす最新技術
①IMRT・VMAT
線量を均一化し副作用を低減。
②深吸気息止め(DIBH)
心臓線量を減らします。
③画像誘導放射線治療(IGRT)
精度を向上。
④プロトン(陽子線)治療
正常組織への影響を減らします。
ただし、長期的な皮膚の整容面で通常のX線治療よりも劣る可能性があることが報告されています。
乳がん放射線治療と生活
仕事
多くの患者さんが継続可能です。
運動
軽い運動は推奨されます。
入浴
基本的に可能です。
食事
特別な制限はありません。
放射線治療中の生活について解説
治療後のフォロー
一般的には
3〜6ヶ月ごと診察
1年ごと画像検査
よくある質問(FAQ)
Q. 放射線治療は痛いですか?
痛みはありません。
Q. 副作用は必ず出ますか?
軽い皮膚症状が多いですが個人差があります。
Q. 脱毛しますか?
乳房照射では脱毛はありません。
Q. 再発は完全に防げますか?
再発リスクを大きく下げます。
結果的に長期的な生存率も改善することが報告されています。
その他の放射線治療に関するよくある質問はこちら
最新のトピック
治療の個別化
リスクに応じて
照射省略
部分照射
が検討されています。
術前放射線
研究段階です。
一部、効果に否定的な報告もあります。
まとめ
乳がんの放射線治療は、
再発を減らす
生存率を改善
乳房温存を可能にする
非常に重要な治療です。
さらに短期化・低侵襲化が進み、
患者さんの負担は年々軽くなっています。
放射線治療の費用、期間、副作用の記事はこちら
放射線治療の費用
放射線治療の期間
- 放射線治療の副作用(まとめ)



























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