放射線治療で「めまい」は起こる?原因・対処法・危険なサインを専門医が解説

2026年4月18日

患者

放射線治療を受けているのですが、
最近めまいがします…。
これって副作用なのでしょうか?

放射線治療医

心配になりますよね。実は、放射線そのものより脱水や体力低下などが原因のことも多いんです。

患者

そうなんですね。

放射線治療医

この記事では、放射線治療中に起こるめまいの原因・危険なサイン・対処法をわかりやすく解説します。

放射線治療を受けている患者さんの中には、

  • 「最近めまいがする」
  • 「ふらつく感じがある」
  • 「これは放射線の影響?」

と不安に感じる方もいます。

結論から言うと、放射線治療そのものが直接めまいを起こすことは多くありません。
しかし、治療部位・体調変化・薬剤などが原因となり、めまいが生じることがあります。

この記事では、放射線治療によるめまいについて

  • 起こる原因
  • 注意すべき症状
  • 対処方法
  • 受診の目安

放射線治療専門医の視点からわかりやすく解説します。

関連記事

放射線治療では、さまざまな神経症状が起こる可能性があります。
しびれ・痛み・頭痛・めまいなどの症状の全体像については、以下の記事でまとめて解説しています。

放射線治療による神経症状まとめ


※放射線治療の副作用全体については放射線治療の副作用まとめ


放射線治療でめまいは起こる?

放射線治療中または治療後にめまいを感じることはありますが、

放射線そのものが直接の原因であることは多くありません。

多くの場合は次のような原因が関係しています。

主な原因

  • 体力低下
  • 脱水
  • 貧血
  • 薬の副作用
  • 内耳への影響(頭部照射)
  • 低血圧
  • 栄養不足

つまり、

「放射線治療中の体調変化」

がめまいの原因になることが多いのです。


めまいが起こりやすいケース

患者

放射線治療なら、誰でもめまいが出るのでしょうか?

放射線治療医

いいえ、治療部位や体調によって起こりやすいケースがあります。
特に頭部や全身状態の変化が関係することが多いですね。

放射線治療の中でも、以下の状況ではめまいが起こることがあります。

1 頭部・脳の放射線治療

以下の治療ではめまいが起こることがあります。

  • 脳腫瘍
  • 転移性脳腫瘍
  • 前庭神経近くの腫瘍
  • 聴神経腫瘍

理由は

  • 内耳
  • 前庭神経
  • 小脳

などの平衡感覚に関係する部位が影響を受けるためです。

参考
National Cancer Institute
https://www.cancer.gov


2 頭頸部の放射線治療

頭頸部がんの放射線治療では

  • 食欲低下
  • 脱水
  • 体重減少

などが起こりやすく、結果として

立ちくらみやめまい

が起こることがあります。

関連症状
放射線治療による吐き気
放射線治療による食欲不振


3 貧血

放射線治療中には

  • 栄養不足
  • 化学療法併用
  • 慢性炎症

などによって貧血が起こることがあります。

貧血の症状

  • めまい
  • ふらつき
  • 動悸
  • 息切れ

参考
American Society of Clinical Oncology
https://www.cancer.net


4 脱水

放射線治療中は

  • 食事量低下
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発熱

などにより脱水になりやすい状態になります。

脱水の症状

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 倦怠感
  • 頭痛

関連記事
放射線治療による倦怠感
放射線治療による頭痛


放射線治療中の「めまい」の医学的原因分類

患者

めまいって原因がたくさんある気がします…。
放射線と関係あるのか分かりません。

放射線治療医

実は、めまいは医学的にいくつかのタイプに分けて考えます。
放射線治療中のめまいも、この分類で整理すると理解しやすいんですよ。

めまいは医学的には、原因となる体の部位によって分類されます。

放射線治療中に起こるめまいも、この分類で整理すると理解しやすくなります。

分類主な原因放射線治療との関係
内耳性めまい(末梢性)良性発作性頭位めまい症、内耳炎、前庭神経炎頭部照射や腫瘍の位置によってまれに影響することがある
中枢性めまい脳腫瘍、脳梗塞、小脳障害脳腫瘍の放射線治療中や腫瘍そのものが原因となる場合
循環性めまい低血圧、脱水、貧血放射線治療中に比較的多い原因
全身性めまい疲労、栄養不足、感染治療による体力低下で起こることがある
薬剤性めまい制吐薬、鎮痛薬、睡眠薬など治療中に使用する薬の副作用として起こることがある

放射線治療中のめまいで最も多い原因は

  • 脱水
  • 貧血
  • 体力低下

などの全身状態の変化とされています。

一方で、

  • 脳腫瘍
  • 頭部照射

などの場合には、神経系の影響によるめまいが起こることもあります。

そのため、めまいの性質や持続時間によっては、医師による評価が重要になります。


放射線治療中のめまいはいつ起こりやすい?

患者

治療が始まってからめまいが出ました。
こういう症状はよくあるのでしょうか?

放射線治療医

実は、めまいは治療の時期によって起こりやすいタイミングがあります。
体力や栄養状態の変化が関係することが多いんです。

めまいは、治療の時期によって原因が異なることがあります。

治療開始〜2週

主な原因

  • 精神的ストレス
  • 睡眠不足
  • 水分不足

治療3〜5週

この時期は

  • 食欲低下
  • 体力低下
  • 脱水

などが起こりやすく、めまいが出やすい時期です。

治療終了後

治療後には

  • 疲労
  • 栄養不足
  • 体力回復途中

などにより、一時的なふらつきを感じることがあります。

多くの場合は数日〜数週間で改善します。

関連記事

※放射線治療の急性副作用について全体を知りたい方は
放射線治療の急性副作用まとめ|治療中〜治療後数週間の症状もご覧ください。


危険なめまい(すぐ受診)

患者

めまいがあるとき、
様子を見ても大丈夫でしょうか?

放射線治療医

多くは心配ないことが多いですが、
すぐ受診すべきサインもあります。
見逃してはいけない症状を確認しておきましょう。

以下の症状がある場合はすぐに医療機関に相談してください。

  • 激しい頭痛
  • 手足の麻痺
  • ろれつが回らない
  • 視野異常
  • 意識低下
  • 歩行困難

これらは

  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 腫瘍進行

などの可能性があります。


受診の目安(どのタイミングで医師に相談すべき?)

患者

どのくらい続いたら病院に相談した方がいいのでしょうか?

放射線治療医

めまいが数日以上続く場合や、
日常生活に支障がある場合は相談しましょう。
早めに確認することで安心できます。

放射線治療中のめまいは多くの場合は軽度ですが、次のような場合は医師へ相談することが推奨されます。

早めに相談した方がよい症状

  • めまいが数日以上続く
  • 日常生活に支障がある
  • 吐き気・嘔吐を伴う
  • 歩くとふらつく
  • 食事や水分がとれない

すぐ受診が必要な症状

  • 激しい頭痛
  • 手足のしびれ・麻痺
  • 言葉が出にくい
  • 強いふらつき
  • 意識がもうろう

このような症状がある場合は、脳血管障害などの緊急疾患の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。


めまいの対処法

患者

めまいがあるとき、
自分でできる対処はありますか?

放射線治療医

はい、あります。水分・栄養・休息を意識するだけでも改善することが多いです。
自宅でできる対策を紹介します。

1 水分補給

1日目安

1.5〜2L

※心疾患・腎疾患がある場合は主治医に相談

放射線治療中の脱水対策に役立つ飲料

放射線治療中のめまいの原因として多いのが 脱水 です。
水だけでなく、電解質(ナトリウム・カリウム) を補うことが重要です。

特に

  • 食欲が落ちている
  • 水分摂取が少ない
  • 暑い季節

などでは、経口補水液が役立つことがあります。

※経口補水液は脱水時の水分・電解質補給のために設計されています。

水分摂取を忘れないためのボトル

放射線治療中は

  • 食事量低下
  • 倦怠感

により 水分摂取が減りやすい ことがあります。

時間目盛り付きのボトルを使うと

  • 1日の水分量
  • 飲むタイミング

を管理しやすくなります。


2 急に立ち上がらない

立ちくらみ予防

  • ベッドで一度座る
  • ゆっくり立つ

3 栄養をとる

めまい予防には

  • タンパク質
  • ビタミン

が重要です。

貧血がある場合

放射線治療中には

  • 栄養不足
  • 化学療法併用

などにより 貧血 が起こることがあります。

貧血は

  • めまい
  • ふらつき
  • 倦怠感

の原因になることがあります。

※サプリメントの使用は 必ず医師に相談してから 行ってください。

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4 十分な休息

放射線治療中は

疲労が強くなりやすい

ため、無理をしないことが大切です。


放射線治療中のめまいを予防する生活習慣

放射線治療中のめまいは、日常生活の工夫で予防できることがあります。

水分をこまめに取る

一度に大量に飲むより

少量をこまめに摂取

する方が効果的です。

食事を抜かない

低血糖はめまいの原因になります。

  • 少量でもよい
  • 回数を増やす

ことが重要です。

放射線治療中の食事についてはこちらの記事で解説しています。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足は

  • 自律神経の乱れ
  • 血圧低下

を引き起こします。

無理な外出を避ける

治療中は体調が変動しやすいため、無理をしないことが大切です。


研究・国際ガイドライン

放射線治療中の症状管理については以下のガイドラインが参考になります。

近年の研究でも、放射線治療中の症状は

脱水・栄養・全身状態の管理

が重要とされています。


Supportive Care in Cancer
Lancet Oncology


患者

めまいがあると、放射線の影響ではないかと不安になります…。

放射線治療医

そう感じる方は多いですね。
ここで、放射線治療専門医として大切なポイントをまとめてお伝えします。


専門医コメント

放射線治療中にめまいを感じると、「放射線の影響では?」と不安になる患者さんは少なくありません。しかし実際には、めまいの多くは放射線そのものではなく、体力低下・脱水・貧血などの全身状態の変化によって起こります。

特に注意すべきなのは、急に強いめまいが出た場合や神経症状を伴う場合です。この場合は、脳の病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関へ相談することが重要です。

放射線治療中は、水分・栄養・休息をしっかり取ることが症状予防につながります。

関連記事

放射線治療では、さまざまな神経症状が起こる可能性があります。
しびれ・痛み・頭痛・めまいなどの症状の全体像については、以下の記事でまとめて解説しています。

放射線治療による神経症状まとめ


まとめ

放射線治療によるめまいは

  • 放射線そのものより
  • 体調変化

が原因であることが多い症状です。

主な原因

  • 脱水
  • 貧血
  • 体力低下
  • 頭部照射
  • 薬の副作用

多くは適切な体調管理で改善します。

ただし

  • 神経症状
  • 激しい頭痛

を伴う場合は早めに受診しましょう。

※放射線治療の副作用全体については放射線治療の副作用まとめ


FAQ(よくある質問)

放射線治療でめまいは起こりますか?

起こることはありますが、放射線そのものが原因であることは多くありません。脱水、貧血、体力低下などが原因となることが多いです。

放射線治療後のめまいはいつまで続きますか?

原因によりますが、脱水や体力低下が原因の場合は数日〜数週間で改善することが多いです。

脳の放射線治療でめまいは起こりますか?

内耳や前庭神経が影響を受ける場合、めまいが起こることがあります。

めまいは危険な症状ですか?

多くは軽い症状ですが、激しい頭痛や麻痺を伴う場合は早急に受診が必要です。

放射線治療中の立ちくらみはなぜ起こりますか?

脱水、低血圧、栄養不足などが原因となることがあります。

めまいがあるときは運動してもいいですか?

軽い散歩程度は問題ないことが多いですが、症状が強い場合は休息を優先してください。

水分はどのくらい取ればいいですか?

一般的には1.5〜2L程度が目安ですが、持病がある場合は主治医に相談してください。

めまい止めの薬は使えますか?

症状によっては処方されることがあります。自己判断ではなく医師に相談してください。

放射線治療後に突然めまいが出た場合は?

強い症状や神経症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。

めまいは再発のサインですか?

多くの場合は再発とは関係ありませんが、気になる場合は主治医に相談してください。


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  この記事の執筆者

放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

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