ReGeneraTing Agent (RGTA)は放射線性皮膚炎に有効ではなかったという報告
Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2017 Nov 1;99(3):590-595. doi: 10.1016/j.ijrobp.2017.07.019. Epub 2017 Jul 22.
Multicenter Randomized Double-Blind, Placebo-Controlled Trial GORTEC (Groupe Oncologie Radiotherapie Tete et Cou) 2009-01 Evaluating the Effect of the Regenerating Agent on Radiodermatitis of Head and Neck Cancer Patients.
Tao Y1, Auperin A1, Sire C2, Martin M3, Saliou MG4, Bardet E5, Sun XS6, Chatellier T4, Morand C7, Cornely A1, Angokai M1, Di Rito A8, Kichenin K9, Blanchard P1, D’Onofrio I2, Bourhis J10.
RGTAというのは新しいタイプの薬剤のようで、再生治療に近いものになるようである。
ネットで検索しても十分に説明されている日本語のページは見つからず、かなり新しい領域と考えられる。
RGTAは人工的に作り出されたバイオポリマーの一種で、皮膚の修復に作用すると考えられており、5-FUという抗がん剤を使用した際に出現する粘膜炎に有効であったという報告があるようである。
今回の研究はこのRGTAの性質を生かして、放射線性皮膚炎の治療に有効かどうかを検討する多施設のランダム化比較試験である。
結果からいうとRGTAはプラセボ(偽薬)群と比較して放射線性皮膚炎の治療には有効ではなかった。
臨床前の研究ではRGTAは放射線性皮膚炎に有効であるという報告がされていたようだが、今回はより信頼性の高いランダム化比較試験であり、現時点ではRGTAは放射線性皮膚炎の治療には勧められないという結論になるであろう。
ただし、筆者らも本文中で触れているが、今回の研究では皮膚炎治療にステロイド剤が使用されておらず、ステロイドとの併用ではどのような結果になるのかは不明瞭である。現在は放射線皮膚炎においてステロイド使用は一般的によく見られる治療法であり、今後新たな研究結果が報告されれば、また違った利用法も出てくるものと考えられる。
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