オリゴ転移の9つの分類

ヨーロッパの放射線治療学会では、オリゴ転移を9つに分類しています。
まずは分類に必要な5つの評価項目を整理しましょう。
分類のために確認する5つのポイント
① 以前に多数転移があったか?
まったく新規の少数転移か
多数転移が治療で減って少数になったのか
② これまでにオリゴ転移を経験したことがあるか?
初めてのオリゴ転移か
繰り返しているのか
③ 原発がん診断から6か月以上経過しているか?
④ 現在、化学療法中か?
⑤ 現在、増大している病変があるか?
この5項目の組み合わせで9分類になります。
9つのオリゴ転移分類
1:Synchronous OMD(同時性オリゴ転移)
新規病変
初発
原発診断から6か月未満
原発がん診断とほぼ同時期に見つかるオリゴ転移です。
2:Metachronous oligorecurrence(異時性オリゴ再発)
新規病変
初発
6か月以上経過
化学療法中ではない
時間が経ってから出現した再発です。
3:Metachronous oligoprogression(異時性進行性オリゴ転移)
新規病変
初発
6か月以上経過
化学療法中
治療中に一部が進行している状態です。
4:Repeat oligorecurrence(繰り返すオリゴ再発)
新規病変
オリゴ転移を繰り返している
化学療法中ではない
5:Repeat oligopersistence(繰り返す持続オリゴ転移)
新規病変
オリゴ転移を繰り返している
化学療法中
増大病変なし
6:Repeat oligoprogression(繰り返す進行オリゴ転移)
新規病変
オリゴ転移を繰り返している
化学療法中
増大病変あり
7:Induced oligorecurrence(誘導性オリゴ再発)
以前に多数転移あり
現在は少数転移
化学療法中ではない
多数転移が治療で改善し、その後少数転移が出現した状態です。
8:Induced oligopersistence(誘導性持続オリゴ転移)
以前に多数転移あり
現在は少数転移
化学療法中
増大病変なし
9:Induced oligoprogression(誘導性進行オリゴ転移)
以前に多数転移あり
現在は少数転移
化学療法中
増大病変あり
なぜこの分類が重要なのか?
この9分類は、それ自体が予後予測の指標になります。
報告では、
✔ Synchronous OMD は比較的予後が良好
✔ Oligoprogression(分類3・9) は予後が不良
とされています。
つまり、
「同じオリゴ転移」でも
背景によって治療戦略も予後も大きく変わるのです。
オリゴ転移の予後や治療法などについて解説
オリゴ転移についての様々な研究結果を分かりやすく紹介しています。
まとめ
オリゴ転移=少数転移
しかし病態は非常に多様
9分類は予後予測に重要
治療適応を判断するために不可欠な概念
FAQ(よくある質問)
Q1. オリゴ転移とは何ですか?
オリゴ転移とは、がんが少数の部位にのみ転移している状態を指します。近年は、限られた転移に対して高精度の放射線治療などを行うことで、予後の改善が期待できる可能性が報告されています。
Q2. なぜオリゴ転移を分類する必要があるのですか?
オリゴ転移といっても、発生のタイミングや治療状況、病勢の進行などが異なり、予後も大きく変わります。分類することで、より適切な治療方針を決定しやすくなります。
Q3. オリゴ転移の分類は何に役立ちますか?
この分類は予後予測の指標として重要です。どの患者さんが根治的治療の対象となる可能性が高いかを判断する際の参考になります。
Q4. 予後が良いオリゴ転移はどのタイプですか?
報告では、原発がんと同時に発見される「同時性オリゴ転移(Synchronous OMD)」は、他の分類と比較して予後が良好とされています。
Q5. 予後が悪いとされる分類はありますか?
治療中に一部の病変が進行する「オリゴプログレッション(Oligoprogression)」は、他のタイプより予後が不良とされています。
Q6. 多数転移から少数転移になった場合もオリゴ転移ですか?
はい。治療により多数転移が減少して少数転移になった状態もオリゴ転移に含まれます。ただし、予後や治療方針は初めから少数転移であった場合とは異なることがあります。
Q7. オリゴ転移ではどのような治療が行われますか?
高精度放射線治療、手術、薬物療法などを組み合わせる集学的治療が検討されます。患者さんの状態に応じて最適な治療が選択されます。
Q8. オリゴ転移は完治を目指せる状態ですか?
症例によっては根治を目指した治療が行われることがあります。ただし、すべての患者さんが対象となるわけではなく、個々の病状に応じた判断が重要です。
参考文献
Validation of the Prognostic Utility of ESTRO/EORTC Oligometastatic Disease Classification: A Secondary Analysis From the Population-Based Phase II SABR-5 Trial
- PMID: 36302495
- DOI: 10.1016/j.ijrobp.2022.08.026



















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