膀胱癌術後の放射線治療における照射範囲について
External Validation and Optimization of International Consensus Clinical Target Volumes for Adjuvant Radiation Therapy in Bladder Cancer.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28244409
膀胱癌術後の放射線治療における照射範囲について、術後患者の再発形式をもとに、現在の標準となっている照射範囲とを比較した論文である。
結論は、再発形式で多かったものは、総腸骨動脈周囲および閉鎖リンパ節領域であり、これらは標準的な照射範囲から外れる領域であり、治療計画の際には注意が必要とのこと。
JASTROの発行しているガイドラインにおいても、膀胱癌の治療において、内・外腸骨動脈を領域に含むように記載があるが、総腸骨動脈領域については記載されていない。リスクの高い症例については、照射野を頭側に伸ばすことも考慮する必要があるのかもしれない。
一方で閉鎖リンパ節領域については、4門で照射する際には基本的に領域に含まれるため、そこまで意識しなくても良いのかもしれない。問題となるのはIMRTのように、領域を厳密に指定して照射する場合であろう。
リンパ節領域をどこまで含めるのかというのは、副作用が増えるという観点からは難しい問題である。一律にすべての症例で、広い照射野で治療をするというのは許容されないであろう。症例ごとにリスクを十分に評価して、使い分けるというのが現実的な対応になるのではないだろうか。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません