放射線治療後の嗄声(声がかれる)|原因・いつ治る?対処法を放射線治療専門医が解説

2026年4月13日

患者

放射線治療が終わったあと、
声がかれてしまいました…。
このまま治らないのではないかと心配です。

放射線治療医

放射線治療後の嗄声は、頭頸部の治療では比較的よく見られる症状です。
多くの場合は一時的な炎症によるもので、
時間とともに改善します。

患者

そうなんですね。
どのくらいで治ることが多いのでしょうか?

放射線治療医

多くは数週間〜数ヶ月で回復します。
この記事では原因や回復の目安、
対処法をわかりやすく解説します。

放射線治療の後に、声がかれる(嗄声)症状が出ることがあります。

とくに

  • 頭頸部がん(喉頭がん・咽頭がんなど)
  • 甲状腺がん
  • 縦隔腫瘍

などの治療では、声帯や喉の粘膜に放射線が当たるため起こりやすい副作用です。

しかし多くの場合は
一時的な炎症によるもので、時間とともに回復することが多い症状です。

この記事では

  • 放射線治療後の嗄声の原因
  • どれくらい続くのか
  • 回復の目安
  • 自宅でできる対処法
  • 受診の目安

国際的なガイドラインと最新研究をもとに放射線治療専門医がわかりやすく解説します。

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まずは放射線治療の副作用全体について知りたい方は
[放射線治療の副作用まとめ]


放射線治療による口や喉の副作用の全体像については、以下の記事でまとめて解説しています。

放射線治療の頭頸部の副作用まとめ


放射線治療後に嗄声が起こる原因

放射線治療後の嗄声は、主に次のような原因で起こります。

声帯の炎症(放射線粘膜炎)

放射線が喉の粘膜に当たると

  • 粘膜の炎症
  • むくみ
  • 声帯の動きの低下

が起こります。

この状態は放射線性粘膜炎と呼ばれ、声帯にも起こることがあります。

頭頸部放射線治療では
治療中〜治療後数週間で嗄声が出ることが多いとされています。


喉の乾燥(唾液分泌低下)

放射線治療では唾液腺に影響が出ることがあります。

唾液が減ると

  • 喉が乾燥する
  • 声帯の潤滑が低下する
  • 声がかれやすくなる

ことがあります。

関連症状
放射線治療による口の渇き(ドライマウス)


声帯筋肉の一時的な機能低下

放射線によって

  • 声帯周囲の筋肉
  • 神経

に影響が出ると、声帯の振動が弱くなることがあります。

ただし、通常は時間とともに回復することが多いです。


嗄声はどれくらい続く?

患者

治療が終わったのに、
声がかれたままだと少し不安になります。

放射線治療医

実は、放射線治療の副作用は治療終了直後が一番強いことが多いんです。

患者

治療が終わればすぐ良くなるわけではないんですね。

放射線治療医

はい。多くの場合、数週間かけてゆっくり回復していきます。

多くの場合、嗄声は

治療終了後2〜8週間程度で改善することが多いと報告されています。

一般的な経過

時期症状
治療中徐々に声がかれる
治療終了直後症状が最も強い
2〜6週間徐々に改善
数ヶ月多くは回復

ただし

  • 高線量照射
  • 声帯への直接照射
  • 手術後

などでは回復に数ヶ月以上かかることもあります。

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放射線治療後に起こるさまざまな晩期副作用については、以下の記事でまとめて解説しています。

放射線治療の晩期副作用まとめ(症状・原因・対処法)


注意が必要な嗄声

次のような場合は、主治医に相談してください。

  • 嗄声が3ヶ月以上続く
  • 声がほとんど出ない
  • 呼吸が苦しい
  • 喉の痛みが強い
  • 飲み込みづらい

特に喉頭がんの治療後では
腫瘍の再発との区別が重要になる場合があります。


患者

声がかれているとき、
自分でできる対策はありますか?

放射線治療医

あります。
特に大切なのは、喉の乾燥を防ぐことと声を酷使しないことです。

患者

普段の生活で気をつけるだけでも違うんですね。

放射線治療医

はい。簡単なセルフケアでも症状が楽になることがあります。


嗄声を改善するセルフケア

喉を乾燥させない

声帯は潤っているほど振動しやすくなります。

対策

  • こまめな水分摂取
  • 加湿
  • のど飴
  • 人工唾液

喉の乾燥対策

喉の乾燥は嗄声を悪化させる原因になります。
特に寝ている間は喉が乾燥しやすいため、加湿器で湿度を保つことが重要です。

口腔・喉の保湿

放射線治療後は唾液が減り、喉や口の乾燥が起こりやすくなります。
口腔保湿スプレーは、外出先でも簡単に乾燥対策ができます。

のど飴

のど飴は喉の潤いを保ち、声帯の乾燥を防ぐのに役立つことがあります。
特にはちみつ系ののど飴は刺激が少なく、使いやすい場合があります。


声を酷使しない

嗄声があるときは

  • 大声を出さない
  • 長時間話さない
  • ささやき声を避ける

ことが大切です。

実はささやき声は声帯に負担をかけることがあります。


禁煙

喫煙は

  • 声帯の炎症
  • 粘膜障害

を悪化させるため、回復を遅らせる可能性があります。


音声リハビリ

嗄声が続く場合

言語聴覚士による音声リハビリが有効なことがあります。

音声訓練により

  • 声帯の使い方
  • 呼吸の調整

を改善できます。

喉ケア食品

はちみつは古くから喉の保湿や粘膜保護に用いられてきました。
温かい飲み物に少量加えるなど、喉ケアとして利用されることがあります。


放射線治療後の嗄声の研究

頭頸部放射線治療後の嗄声については多くの研究があります。

代表的な知見として

  • IMRTの導入により声帯障害は減少
  • 声帯線量と嗄声リスクは相関
  • 多くの患者で数ヶ月以内に回復

が報告されています。

参考ガイドライン

  • NCCN Head and Neck Cancer Guidelines
  • ASTRO Head and Neck Radiation Therapy Guideline

外部リンク
NCCN
https://www.nccn.org

ASTRO
https://www.astro.org


患者

声がかれていると、このままずっと治らないのでは…と心配になります。

放射線治療医

そのように感じる方は少なくありません。
ただ、多くの場合は放射線による一時的な炎症が原因です。

患者

長く続く場合はどうしたらよいですか?

放射線治療医

3ヶ月以上続く場合などは、念のため耳鼻咽喉科での評価を行うことがあります。
次に専門医の立場からポイントをまとめます。


専門医コメント

放射線治療後の嗄声は、頭頸部放射線治療では比較的よく見られる症状の一つです。

多くの場合は

  • 声帯の炎症
  • 喉の乾燥

による一時的な変化であり、治療終了後数週間〜数ヶ月で回復することが多いとされています。

ただし

  • 嗄声が長期間続く
  • 呼吸や嚥下に問題がある

場合には、耳鼻咽喉科での評価が必要になることがあります。

症状が気になる場合は、遠慮なく主治医に相談してください。

関連記事

放射線治療では、口や喉にさまざまな副作用が起こることがあります。
口内炎・味覚障害・口の渇き・嚥下障害など、頭頸部の副作用についての全体像は以下の記事でまとめて解説しています。

放射線治療の頭頸部の副作用まとめ


まとめ

放射線治療後の嗄声は

  • 声帯の炎症
  • 喉の乾燥

などによって起こる副作用です。

多くの場合

  • 治療後数週間で改善
  • 数ヶ月で回復

します。

ただし

  • 長く続く
  • 症状が強い

場合は主治医へ相談しましょう。

放射線治療の副作用については
放射線治療の副作用まとめ
も参考にしてください。


FAQ(よくある質問)

放射線治療で声がかれるのはなぜですか?

放射線による声帯や喉の粘膜の炎症、乾燥、声帯のむくみなどが原因です。

嗄声はどれくらいで治りますか?

多くの場合、治療後2〜8週間程度で改善します。

嗄声が長く続くことはありますか?

声帯に直接放射線が当たった場合などでは、回復に数ヶ月以上かかることがあります。

声が出ないほどの嗄声は危険ですか?

強い嗄声や声が出ない場合は、主治医や耳鼻咽喉科に相談してください。

嗄声を早く治す方法はありますか?

喉を乾燥させないこと、声を酷使しないこと、水分摂取などが重要です。

のど飴は効果がありますか?

喉の乾燥を防ぐ効果があり、症状緩和に役立つことがあります。

嗄声が再発のサインのことはありますか?

喉頭がん治療後では、長く続く嗄声は再発の評価が必要な場合があります。

声を出した方がよいですか?

軽い会話は問題ありませんが、大声や長時間の会話は避けた方がよいです。

音声リハビリは効果がありますか?

言語聴覚士による音声訓練が有効な場合があります。

放射線治療後ずっと声が変わることはありますか?

稀に声質の変化が残ることがありますが、多くの場合は回復します。


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  この記事の執筆者

放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

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