脳転移に対する定位照射における副作用のリスク因子

目次

1:脳転移に対する定位照射後の副作用
2:まとめ
3:参考文献

脳転移に対する定位照射後の副作用

脳転移に対する定位照射における放射線治療後の副作用について評価した研究を紹介します。

約200例弱の症例において、脳転移に対して手術後あるいは手術をしていない状態で定位放射線治療を行った結果を比較しています。

定位放射線治療については、中央値30Gyを5回にわけて照射しています。

定位放射線治療後の副作用は、有症状のもので10.8%、無症状も含めて21.2%の症例で見られました。

副作用が出現する時期は中央値で治療後8ヶ月でした。

手術の有無の比較では、術後腔にあてた症例では、手術を受けずに新規に脳転移に照射した症例と比較して、副作用が有意に少ない傾向が見られました。

新規に脳転移に照射した群で副作用のリスクとなるものは、正常脳組織が30Gy以上照射された範囲で、10.5㎝3以上照射されると副作用のリスクが7倍になっていました。

まとめ

脳転移に対する定位放射線治療では、未治療の脳転移に照射するほうが、術後腔に照射するよりも副作用の発生が有意に多いという結果でした。

また、未治療の脳転移の照射においては正常脳組織が30Gy以上照射される体積が副作用の発生において重要な指標でした。

参考文献

Adverse Radiation Effect After Hypofractionated Stereotactic Radiosurgery in 5 Daily Fractions for Surgical Cavities and Intact Brain Metastases

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