障害年金とは?がん・放射線治療中でも受給できる公的制度を分かりやすく解説

はじめに

がん治療中、とくに放射線治療を受けている方やそのご家族から、次のような相談を受けることがあります。

  • 仕事を続けられなくなった
  • 収入が減り、生活が不安
  • 治療費だけでなく生活費が心配

このような状況で、最も重要な公的制度の一つが「障害年金」です。

しかし、

  • 「身体障害者手帳がないと無理?」
  • 「がんではもらえないのでは?」
  • 「放射線治療だけでは対象外?」

と誤解されていることが多く、実際には受給できる可能性がある人でも申請していないケースが少なくありません。

本記事では、放射線治療を中心に、障害年金の基礎から具体的な申請のポイントまで詳しく解説します。


障害年金とは

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金です。

老後に受け取る年金とは別の制度で、現役世代でも受給可能です。

対象となる主な疾患

  • がん
  • 心疾患
  • 脳卒中
  • 精神疾患
  • 難病

つまり、がんや放射線治療中でも条件を満たせば受給できます。


がん・放射線治療でも障害年金の対象になる理由

障害年金は「病名」ではなく、生活や仕事への影響(障害の程度)で判断されます。

たとえば、次のような状態です。

  • 強い倦怠感
  • 疲労により長時間勤務が困難
  • 副作用による日常生活の制限
  • 痛み
  • 食事障害

放射線治療では、以下のような副作用により生活機能が低下することがあります。

  • 粘膜炎
  • 嚥下障害
  • 下痢
  • 皮膚障害
  • 神経障害

これらが継続している場合、障害年金の対象となる可能性があります。


障害年金の種類

1. 障害基礎年金

国民年金に加入している方が対象です。

主に

  • 自営業
  • 学生
  • 主婦(夫)

などが該当します。

2. 障害厚生年金

会社員・公務員など厚生年金加入者が対象です。

厚生年金の方は、

  • 支給額が高い
  • 3級もある

というメリットがあります。


受給のための3つの条件

① 初診日

最初に医療機関を受診した日です。

がんの場合、

  • 検診
  • 精密検査
  • 症状での受診

などが初診日となります。

② 保険料納付要件

一定以上の年金保険料を納めている必要があります。

③ 障害状態

日常生活や仕事にどの程度影響があるかで判断されます。


放射線治療患者で重要なポイント

1. 治療中だけでなく後遺症も対象

放射線治療後に、

  • 嚥下障害
  • 口渇
  • 呼吸機能低下
  • 神経障害

などが残る場合も対象です。

2. 就労できていても対象

フルタイム勤務が困難

  • 短時間勤務
  • 軽作業

でも受給できる可能性があります。

3. 再発・転移

病状の悪化で新たに申請や等級変更が可能です。


どのくらいもらえる?

障害基礎年金

年間約80万円〜

子どもがいる場合は加算があります。

障害厚生年金

給与により大きく異なります。

年間100万円以上になることもあります。


申請の流れ

STEP1 初診日の確認

最も重要です。

STEP2 診断書の依頼

医師に生活状況を詳しく伝えることが重要です。

STEP3 病歴・就労状況等申立書

日常生活の困難さを具体的に書きます。

STEP4 提出

年金事務所または市区町村へ提出します。


申請成功のコツ

1. 医師との情報共有

診断書は結果を大きく左右します。

2. 日常生活の具体性

  • 買い物
  • 食事
  • 家事

などを詳細に。

3. 早めの相談

社会保険労務士の活用も有効です。


他制度との併用

障害年金は以下と併用可能です。

  • 傷病手当金
  • 高額療養費制度
  • 医療費控除
  • 民間保険

※それぞれの詳細は以下の記事をご覧ください。


よくある誤解

手帳が必要?

不要です。

がんでは無理?

対象になります。

働いていると不可?

可能です。


外部参考


まとめ

障害年金は、がんや放射線治療患者にとって非常に重要な生活支援制度です。

しかし、情報不足により申請されていないケースが多く、早期に知ることが生活の安定につながります。

放射線治療は長期にわたることも多く、身体的・社会的な負担も大きいため、医療と生活支援の両面から考えることが重要です。

本記事がその第一歩となれば幸いです。


FAQ

Q1 がんでも障害年金は受給できますか?

可能です。生活や仕事への影響が重要です。

Q2 放射線治療中だけでも申請できますか?

条件を満たせば可能です。

Q3 働いていると受給できませんか?

働いていても受給できる場合があります。

Q4 初診日が分からない場合は?

医療機関への確認が必要です。

Q5 どのタイミングで申請すべき?

生活に支障が出た時点で検討します。

Q6 再発した場合は?

等級変更が可能です。

Q7 診断書は誰に書いてもらう?

主治医です。

Q8 申請が通らないことはありますか?

ありますが再申請も可能です。

Q9 どれくらい時間がかかりますか?

通常3〜6か月程度です。

Q10 家族が代行できますか?

可能です。


放射線治療の医療費まとめ

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医師監修・著者情報

著者

放射線治療専門医

がん診療に日常的に従事し、臨床現場での経験をもとに、一般の方にも分かりやすい医療情報を発信しています。

本記事は、最新の公的制度・診療報酬制度に基づき作成しています。

監修ポリシー

・一次情報(公的機関資料・診療報酬点数表)を参照 ・誇張表現を避ける ・制度変更時は随時更新

正確性と中立性を重視しています。

 

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