医療費控除とは?放射線治療を受けた方が必ず知っておくべき税金還付の仕組み

がん治療、とくに放射線治療は通院回数も多く、交通費もかかります。

実はそれらの多くが「医療費控除」の対象になる可能性があります。

この記事では、

  • 医療費控除の基本
  • 放射線治療で対象になる費用
  • 高額療養費との関係
  • 具体的な計算例
  • 申請方法

を、分かりやすく解説します。


医療費控除とは?

医療費控除とは、

1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合、所得税・住民税が軽くなる制度

です。

▶ 参考:国税庁公式ページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm


医療費控除の対象になる人

以下のいずれかに該当すれば対象になります。

  • 本人
  • 配偶者
  • 生計を一にする家族(子ども・親など)

※同居していなくても「仕送りしている親」などは対象になる場合があります。


放射線治療で医療費控除の対象になるもの

ここが重要です。

放射線治療では、以下が控除対象になります。

✅ 対象になる費用

  • 放射線治療費(保険診療)
  • 画像検査(CT・MRI・PET)
  • 診察料
  • 処方薬
  • 入院費
  • 通院のための公共交通機関の交通費
  • やむを得ないタクシー代(体調不良など)
  • 医療用ウィッグ(治療目的の場合)
  • 補正下着(乳がん術後など)

❌ 対象にならないもの

  • 美容目的の治療
  • 自家用車のガソリン代
  • 差額ベッド代(原則)
  • サプリメント(治療目的でない場合)

高額療養費との関係は?

ここは非常に誤解が多いポイントです。

医療費控除の計算は、

実際に自分が負担した金額のみ

が対象になります。

つまり、

支払った医療費 − 高額療養費で戻ってきた金額 − 民間保険の給付金

が医療費控除の対象額になります。

▶ 高額療養費と民間保険の関係についてはこちら


医療費控除の計算方法(具体例)

医療費控除額 =(年間医療費 − 保険金などで補填された額) − 10万円
※所得200万円未満の場合は「所得の5%」

年間医療費:80万円
高額療養費で戻った額:20万円
民間保険給付:10万円

実際負担:50万円

医療費控除額:50万円 − 10万円 = 40万円

→ この40万円が所得から差し引かれます。

※実際に戻る金額は所得税率によって変わります。


放射線治療は通院交通費が大きい

放射線治療は通常、

  • 平日毎日
  • 4〜6週間

通院するケースが多いです。

交通費が積み重なり、年間10万円を超えることも珍しくありません。

交通費は必ず記録しておきましょう。


医療費控除の申請方法

① 確定申告を行う

会社員でも申告が必要です。

e-Taxが便利です。
https://www.e-tax.nta.go.jp/

② 必要書類

  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票
  • マイナンバー
  • 還付先口座

※領収書の提出は不要ですが、5年間保存が必要です。


医療費控除はいつまで申請できる?

原則として、

過去5年までさかのぼって申請可能

です。

忘れていた方も、まだ間に合う可能性があります。


医療費控除とこれからの生活設計

放射線治療は医療だけの問題ではありません。

  • 高額療養費
  • 民間保険
  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 住宅ローン
  • 教育費
  • 老後資金

これらはすべてつながっています。

▶ 傷病手当金


▶ 障害年金

医療とお金は切り離せません。


よくある質問(FAQ)

Q1. 医療費控除はいくら戻りますか?

所得税率によって異なります。控除額×税率が目安です。

Q2. 放射線治療の交通費は本当に対象ですか?

公共交通機関は対象になります。

Q3. 自家用車で通院した場合は?

ガソリン代は対象外です。

Q4. 家族の医療費も合算できますか?

生計を一にしていれば可能です。

Q5. 高額療養費と二重取りになりますか?

なりません。差し引いて計算します。

Q6. 医療費が10万円以下なら対象外?

原則は対象外ですが、所得が200万円未満なら「所得の5%」です。

Q7. ウィッグは対象になりますか?

治療目的であれば対象になる場合があります。

Q8. 民間保険の給付金はどう扱いますか?

医療費から差し引きます。

Q9. 申告しないと自動で還付されますか?

されません。必ず確定申告が必要です。

Q10. 仕事を休んだ場合の補償は?

傷病手当金や障害年金の制度があります(別記事で解説予定)。


まとめ

放射線治療は身体的負担だけでなく、経済的負担も大きい治療です。

しかし、

公的制度を正しく理解すれば、負担は軽くできます。

医療費控除は、その中でも「確実に使うべき制度」の一つです。

知らないことで損をしないように。

制度を理解し、生活を守りましょう。


放射線治療の医療費まとめ

放射線治療で使える公的制度

放射線治療中にあって良かったもの


医師監修・著者情報

著者

放射線治療専門医

がん診療に日常的に従事し、臨床現場での経験をもとに、一般の方にも分かりやすい医療情報を発信しています。

本記事は、最新の公的制度・診療報酬制度に基づき作成しています。

監修ポリシー

・一次情報(公的機関資料・診療報酬点数表)を参照 ・誇張表現を避ける ・制度変更時は随時更新

正確性と中立性を重視しています。

 

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