前立腺癌のリスク分類
前立腺癌のリスク分類について
前立腺癌の治療は基本的にリスク分類に沿って行われます。
このため、リスク分類は基本であり、自分の病気がどのリスクに相当するのかを把握しておくほうが良いです。
リスクは以下の3つの項目を合計した要素からなります。
一つはT分類で、前立腺の中の腫瘍の広がりを示します。
2つ目はグリソンスコアと呼ばれるもので、生検で得られた組織を顕微鏡検査で解析して、細胞の悪性度を示したものです。
3つ目はPSAで、採血によって得られる項目で、前立腺癌の再発の判定にも用いられます。
これらの項目を合計して低リスク、中リスク、高リスクに分けていきます。
低リスク
超低リスク
低リスクの中でもさらに予後の良いものを超低リスクに分類します。
超低リスクは以下の項目がすべて当てはまるものです。
・Tステージ:T1c
・グリソン分類:グループ1(スコア6=3+3)
・PSA:10 ng/mL以下
・生検で癌が陽性であったのが1-2コア以下であり、コアに占める癌の割合が半分以下
低リスク
・Tステージ:T1-T2a
・グリソン分類:グループ1(スコア6=3+3)
・PSA:10 ng/mL以下
・生検で癌が陽性であったコアが3つ以上であるが、全体のコアに対して半分以下
中リスク
以下の項目を一つ以上満たすものを中リスク前立腺癌と分類します。
・Tステージ:T2bまたはT2c
・グリソン分類:グループ2または3(スコア7=3+4または4+3)
・PSA:10-20 ng/mL
予後の良い中リスク
中リスクの中でも、予後が良い(favorable)群として以下の項目のすべてを満たしたものを指します。
・中リスクの項目のうち一つのみを満たす
・グリソン分類:グループ1または2(スコア6または7)
・生検で陽性になったコアが半数以下
予後の良くない中リスク
中リスクの中で予後が良くない(unfavorable)群として、以下の項目のうち少なくとも一つを満たすものを指します。
・中リスクの項目のうち、2個以上を満たす
・グリソン分類:グループ3(スコア7=4+3)
・生検で陽性になったコアが半数以上
高リスク
以下の項目のうち少なくとも一つを満たす場合、高リスクに分類されます。
・Tステージ:T3a
・グリソン分類:グループ4または5(スコア8、9、10)
・PSA:20 ng/mL以上
超高リスク
以下の項目を少なくとも1つ以上満たすものは、超高リスク群に分類され、最も予後が悪い群となります。
・Tステージ:T3b-T4
・グリソン分類:グループ5(スコア9または10)
・高リスクの項目のうち、2つ以上を満たす
・生検において4つ以上のコアでグリソングループが4または5を認める
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