低リスク前立腺癌に対する放射線治療後再発における小線源治療の有効性
まとめ
解説
低リスク前立腺癌の治療においては様々な選択肢がある。
放射線治療や手術、小線源治療、アクティブサーベイランスなどである。
放射線治療はこの選択肢のひとつであるが、そのデメリットのひとつとして治療後再発における選択肢が少ないという点が以前からネックではあった。
放射線照射を行うと周囲の組織に癒着が起こるため、その後に手術で切除するのが非常に困難である。また、放射線を照射された組織は治癒が悪く、手術で接着しても十分にくっつかずに解離してしまうという問題点がある。
このため、前立腺癌の放射線治療後に再発した場合は手術という選択肢はなく、ホルモン治療を行うという流れになる。
一方、最初の治療に手術を選択した場合には、その後再発したとしても放射線治療を行うことが可能である。
このため、治療の選択肢という観点からみると、手術は放射線治療よりも選ばれやすいという面がある。
今回の報告は、手術ができないのであれば、小線源治療ではどうかという検討である。
結果として、小線源治療を用いたサルベージによって、局所の病変は十分にコントロールされていた。
いっぽうで、生物学的再発は長期経過で徐々に上昇する傾向が見られた。
これは小線源治療じたいが、どうしても局所の治療であるため、局所のコントロールはできても、はなれた場所に出てくる再発に関しては治療できていないということである。
ただ、今後、離れた部分の病変をホルモン治療なり、放射線治療なりで制御することができれば、より良好な治療成績をしめすことができる可能性も秘めているのではないかと思われる。
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