前立腺癌のホルモン治療後の2次癌の発生について
目次
1: 癌治療後の2次癌
2:前立腺癌の治療後における2次癌
3:まとめ
4:参考文献
癌治療後の2次癌
癌治療の進歩によって、多くの症例で長期生存が確認されるようになってきています。
癌治療後の長期生存において問題となってくるのが2次癌の発生です。
つまり、最初の癌は治療で良くなったけれども、治療を原因とした癌が時間がたってから出現するものです。
これは癌の治療は癌細胞を殺すような強い治療を行っているため、やはり正常細胞にもそれなりのダメージが蓄積されます。
そのため、ある程度の年月が経過するとダメージを受けた細胞の中から新たに癌細胞が出現してしまうのです。
癌治療後の成績がそこまで良くない状態であれば、2次癌というのは問題になりませんが、治療後に長期生存が得られるようになると逆に2次癌が問題となってきます。
前立腺癌の治療後における2次癌
今回紹介する研究では前立腺癌のホルモン治療後における長期間の観察で、2次癌の発生頻度を調べています。
この研究では900例弱を対象として、ホルモン治療と放射線治療を併用した群およびホルモン治療のみの群にわけて評価しています。
観察期間の中央値は約12年で、観察期間中にホルモン+放射線治療群で168例、ホルモン単独群で125例の2次癌が見られました。
全ての2次癌を対象とした解析では両群に有意な差は見られませんでしたが、膀胱癌などの尿路系癌の発生については放射線治療を併用した群で有意に発生率が高いという結果でした。
いっぽうで生存に関しては、ホルモンと放射線治療を併用した群で生存期間の中央値が15.3年でしたが、ホルモン治療単独群では12.8年と、併用群のほうが有意に生存期間が長いという結果でした。
またホルモン治療単独群ではその後、追加の放射線治療を受ける症例が有意に多いという結果でした。
まとめ
前立腺癌に対するホルモン治療後の長期間の観察で、2次癌の発生について評価した研究を紹介しました。
結果として、ホルモン治療と放射線治療を併用した群では、ホルモン治療単独群と比較して、2次癌としての尿路系癌の発生が有意に多いという結果でしたが、逆に生存期間については併用群のほうが長いという結果でした。
放射線治療の併用で2次癌は増えますが、生存期間について2次癌はそこまで悪影響を及ぼしていないと考えられます。
参考文献
Second Cancers in Patients With Locally Advanced Prostate Cancer Randomized to Lifelong Endocrine Treatment With or Without Radical Radiation Therapy: Long-Term Follow-up of the Scandinavian Prostate Cancer Group-7 Trial
- PMID: 31786279
- DOI: 10.1016/j.ijrobp.2019.11.027
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