傷病手当金とは?放射線治療中でも受け取れる公的制度をわかりやすく解説

放射線治療中に、

  • 仕事を休まざるを得ない
  • 収入が減って生活が不安
  • どの制度を使えばいいのかわからない

このような不安を抱える方は少なくありません。

そのときに活用できる重要な制度が 「傷病手当金」 です。

この記事では、放射線治療を受ける患者さんを中心に、

  • いくらもらえるのか
  • いつからもらえるのか
  • どうやって申請するのか
  • 高額療養費との違い
  • 障害年金との関係

を、分かりやすく丁寧に解説します。


傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気やけがで働けない間の「生活保障制度」です。

会社員や公務員など、健康保険に加入している人が対象になります。

病気や治療で仕事を休み、給料が支払われない場合に、
給料の約3分の2が支給される制度です。


放射線治療中でももらえるの?

結論:もらえる可能性は十分あります。

特に以下のようなケースです。

  • 抗がん剤併用で体力低下が強い
  • 頭頸部がんで嚥下困難・倦怠感が強い
  • 乳がん術後照射で疲労が強い
  • 骨転移照射で疼痛が強い
  • 通院頻度が高く勤務継続が困難

「入院していないとダメ」ではありません。

通院治療でも、労務不能と医師が判断すれば対象になります。


傷病手当金の支給条件(4つ)

  1. 業務外の病気やけが
  2. 働くことができない(医師が証明)
  3. 連続3日間の待期期間を満たす
  4. 給料が支払われていない

放射線治療は「業務外の疾病」に該当します。


いくらもらえる?

目安は、

【直近12か月の平均標準報酬日額】の約3分の2

例えば:

  • 月給30万円 → 1日約6,600円前後
  • 月給40万円 → 1日約8,800円前後

※正確な金額は加入している健康保険組合により異なります。


どのくらいの期間もらえる?

最長1年6か月

ただし「連続して」ではなく、
支給開始日から通算1年6か月です。


放射線治療 × 傷病手当金の具体例

ケース①:乳がん術後照射(25回)

  • 平日毎日通院
  • 倦怠感が強くフルタイム困難
    → 1か月間の休職で支給対象

ケース②:頭頸部がん化学放射線療法

  • 粘膜炎で経口摂取困難
  • 体重減少・脱水
    → 数か月の休職で支給対象

ケース③:骨転移緩和照射

  • 強い疼痛
  • 歩行困難
    → 労務不能と判断されれば対象

高額療養費との違い

制度目的
高額療養費医療費の自己負担を軽減
傷病手当金収入減少を補填

▶ 関連記事
【内部リンク】高額療養費制度と民間保険の関係について


【内部リンク】医療費控除の基礎知識


障害年金との違い

傷病手当金は「一時的な収入保障」

障害年金は「長期的な生活保障」です。

治療後も後遺症が残る場合は
▶ 【内部リンク】障害年金の記事


申請方法(簡単3ステップ)

  1. 会社に申請書をもらう
  2. 医師に労務不能証明を書いてもらう
  3. 健康保険組合へ提出

どこに相談すればいい?

  • 会社の人事部
  • 健康保険組合
  • 病院の医療ソーシャルワーカー

公式情報はこちら:


よくある質問(FAQ)

Q1. 通院でももらえますか?

はい。医師が労務不能と判断すれば対象です。

Q2. パートでも対象になりますか?

健康保険に加入していれば対象です。

Q3. 有給休暇中はもらえますか?

有給で給与が支払われている場合は原則対象外です。

Q4. 退職後ももらえますか?

条件を満たせば継続給付があります。

Q5. 自営業は対象ですか?

国民健康保険には原則ありません。

Q6. がんでも必ずもらえますか?

労務不能と医師が判断する必要があります。

Q7. いくら振り込まれますか?

標準報酬日額の約3分の2です。

Q8. 何回でも申請できますか?

同一傷病で通算1年6か月まで。

Q9. 高額療養費と同時に使えますか?

はい。併用可能です。

Q10. 障害年金と両方もらえますか?

調整はありますが、併給可能な場合があります。


まとめ

放射線治療は通院治療が多いですが、

  • 体力低下
  • 強い副作用
  • 通院頻度の多さ

により仕事継続が難しいことは珍しくありません。

そのときに使えるのが 傷病手当金 です。

「知らなかった」ことで損をしないように、
ぜひ制度を理解し、適切に活用してください。


放射線治療の医療費まとめ

放射線治療で使える公的制度

放射線治療中にあって良かったもの


医師監修・著者情報

著者

放射線治療専門医

がん診療に日常的に従事し、臨床現場での経験をもとに、一般の方にも分かりやすい医療情報を発信しています。

本記事は、最新の公的制度・診療報酬制度に基づき作成しています。

監修ポリシー

・一次情報(公的機関資料・診療報酬点数表)を参照 ・誇張表現を避ける ・制度変更時は随時更新

正確性と中立性を重視しています。

 

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