肺がん放射線治療まとめ|基礎・副作用・SBRT・免疫療法・生存率まで専門医が解説
肺がんは日本・世界ともに死亡原因の上位を占める重要ながんです。
現在では、手術・薬物療法・放射線治療を組み合わせた個別化医療が標準となっています。
特に近年は、放射線治療の進歩により
早期肺がんの根治
手術が難しい患者の治療
転移や再発への積極的治療
免疫療法との併用
など、役割が大きく拡大しています。
この記事では、最新の国際ガイドラインに基づき、肺がん放射線治療の全体像を解説します。
肺がん放射線治療の基礎
まずは肺がんと放射線治療の基本から理解しましょう。
肺がんは大きく
非小細胞肺がん(NSCLC)
小細胞肺がん(SCLC)
に分けられます。
放射線治療は以下のような目的で行われます。
① 根治治療
早期肺がんでは、放射線だけで完治が期待できます。
② 手術の代替
高齢・持病などで手術が難しい患者に重要です。
③ 手術・薬物療法との併用
局所制御や再発予防のために行われます。
④ 症状緩和
痛み・呼吸苦・出血などを改善します。
国際ガイドラインでも、放射線治療は肺がん治療の柱の一つとされています。
肺がん放射線治療の副作用
放射線治療は比較的体への負担が少ない治療ですが、副作用もあります。
代表的なものは
放射線肺臓炎
食道炎
皮膚炎
疲労
などです。
ただし、近年はIMRT・画像誘導放射線治療などの進歩により、副作用は大きく減っています。
特に肺や心臓への線量を減らす技術が推奨されています。
肺がんの放射線治療における副作用を解説
最新の肺がん放射線治療
現在の肺がん治療は急速に進歩しています。
主なトピックは以下です。
・高精度放射線治療
IMRT
画像誘導
呼吸同期
MRIガイド
・粒子線治療
陽子線
重粒子線
・短期照射(寡分割)
これにより
治療期間短縮
副作用低減
高齢者治療
が可能となっています。
非小細胞肺癌の放射線治療の記事はこちら
小細胞肺癌に関しての記事はこちら
SBRT(体幹部定位放射線治療)
SBRTは肺がん放射線治療の中でも最も進歩した分野です。
特徴
数回の治療で完了
高い局所制御
低侵襲
早期肺がんでは手術に匹敵する成績が報告されています。
国際的にも、手術が難しい早期肺がんの標準治療です。
肺がん脳転移と放射線治療
肺がんでは脳転移が比較的多くみられ、治療戦略の中でも重要な位置を占めています。
特に非小細胞肺がん・小細胞肺がんともに、経過中に脳転移が出現することがあります。
脳転移に対する放射線治療には主に以下があります。
① 定位放射線治療(SRS)
少数の脳転移に対して行われます。
正常脳への影響を抑えながら、高い局所制御が期待できます。
近年は、認知機能への影響が少ないため第一選択となることが増えています。
脳転移に対する定位照射の記事はこちら
② 全脳照射(WBRT)
多発脳転移や小細胞肺がんなどで行われます。
近年は、海馬を温存する照射法などにより副作用軽減が図られています。
多発脳転移に対する放射線治療の記事はこちら
③ 手術との併用
大きな病変や症状が強い場合には手術と放射線を組み合わせます。
また、分子標的薬や免疫療法の進歩により、
脳転移があっても長期生存が期待できる時代になっています。
放射線治療は
症状改善
生活の質の維持
長期生存
のために重要な役割を果たします。
オリゴ転移・オリゴ再発への放射線
近年、最も注目されている分野です。
転移が少数(オリゴ転移)の場合、
局所治療(放射線・手術)で長期生存が期待できるとされています。
NCCN・ASTROガイドラインでも、
原発
転移
の両方に放射線を行うことが推奨されています。
局所治療を行った患者では、生存期間が延長した臨床試験もあります。
オリゴ転移の記事はこちら
オリゴ転移(少数転移)について詳しく解説しています。
免疫療法と放射線治療
肺がん治療は免疫療法により大きく変化しました。
放射線には
免疫を活性化
腫瘍抗原を増加
全身効果(アブスコパル効果)
などがあり、免疫療法との相乗効果が期待されています。
現在は
化学放射線+免疫療法
SBRT+免疫
などの治療が行われています。
肺がんの免疫治療に関する記事はこちら
肺がんの免疫治療に関して、こちらの記事で詳しく解説しています。
再発肺がんと放射線
肺がんでは再発後の治療も重要です。
放射線は
局所再発
脳転移
骨転移
リンパ節
などに有効です。
再照射も高精度技術により安全性が向上しています。
肺がんの生存率と放射線治療
肺がんの予後は病期によって大きく異なります。
早期
根治が期待できます。
局所進行
化学放射線療法と免疫療法により改善。
転移
長期生存例が増えています。
特に
オリゴ転移
分子標的
免疫療法
SBRT
の組み合わせが重要です。
肺癌のステージごとの予後の記事はこちら
肺がん治療は個別化の時代へ
現在の肺がん治療は、患者ごとに
年齢
合併症
遺伝子変異
病期
生活の質
を考慮して決定されます。
放射線治療は
根治
再発
転移
すべてに関わる中心的な治療です。
まとめ
肺がんの放射線治療は
高精度
低侵襲
個別化
へと進化しています。
特に
SBRT
オリゴ転移
免疫療法
は今後さらに重要になります。
この記事を起点として、各項目の詳細ページもぜひご覧ください。


























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