前立腺癌の寡分割照射における直腸の線量制約

目次

1:寡分割照射における直腸の線量制約
2:新たな線量制約
3:参考文献

寡分割照射における直腸の線量制約

今回は自分のための備忘録として、記事を残しておこうと思います。

前立腺癌に対して放射線治療が選択されることがしばしばありますが、最近では、通常の放射線治療だけでなく、寡分割照射が行われることも増えてきています。

寡分割照射とは1回の線量を増やして、治療回数を減らし、治療期間を短くする照射方法です。

コロナ禍を経て、長期間の通院がコロナ感染においてリスクになるという考えから、寡分割照射を採用する病院が増えた印象です。

乳癌ではだいぶ寡分割照射への移行が進んでいますが、前立腺癌でも病院によっては寡分割照射が採用されています。

寡分割照射において問題となるのは、従来の線量制約をそのまま適応しても良いのかという点です。

線量制約とは、これ以上照射をすると副作用の発生率が大きく上がり、治療後のQOLを低下させる可能性が高い線量基準のことで、基本的にはプラン作成時にこの数値を気にしながらプランを立てます。

今回、前立腺癌の寡分割照射における線量制約が提示されていましたので、そちらを載せておこうと思います。

 

新たな線量制約

60Gyあるいは57Gyの寡分割照射における直腸の線量制約は以下の通りです。

V20Gy < 85%

V30Gy < 57%

V40Gy < 38%

V50Gy < 22%

V60Gy < 0.01%

 

参考文献

Derivation of Dose/Volume Constraints for the Anorectum from Clinician- and Patient-Reported Outcomes in the CHHiP Trial of Radiation Therapy Fractionation

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