放射線治療の成功率は?効果・治る確率を専門医がわかりやすく解説
がん治療として広く行われている放射線治療。
しかし患者さんからよく聞かれるのが、
- 放射線治療は本当に効くの?
- 成功率はどれくらい?
- 手術より効果は低いの?
という疑問です。
結論から言うと、放射線治療は世界中で確立された非常に効果の高い治療法です。
がんの種類によっては、手術と同等の治療成績が得られることも多くあります。
この記事では、
- 放射線治療の成功率
- がんが治る確率
- どのようながんに効果が高いのか
- 成功率を左右する要因
を専門医の視点でわかりやすく解説します。
放射線治療の基本から知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
放射線治療とは?まずは基本を簡単に
放射線治療とは、高エネルギーの放射線をがん細胞に当てて破壊する治療です。
主な特徴は次の通りです。
・体を切らない治療
・臓器の機能を残しやすい
・多くのがんで標準治療になっている
世界的には、がん患者の約50〜60%が生涯のどこかで放射線治療を受けるとされています。
参考
Delaney G et al. Cancer. 2005
放射線治療の成功率(治療効果)
「成功率」という言葉は医学的には明確な定義がありません。
通常は以下のような指標で評価されます。
・局所制御率
・無再発生存率
・5年生存率
つまり、がんが消える確率や再発しない確率を示しています。
代表的ながんの例を見てみましょう。
前立腺がん
放射線治療の5年制御率
90%以上(早期がん)
NCCN Guidelines
乳がん(術後放射線)
再発率を
約50〜70%低下
EBCTCG meta-analysis
Lancet 2011
頭頸部がん
放射線+抗がん剤併用で
治癒率50〜80%
放射線治療で「治る」可能性
放射線治療は、症状緩和の治療だけではありません。
多くのがんで
根治(完全に治すこと)を目的に行われます。
例
根治目的で放射線治療が行われるがん
・前立腺がん
・頭頸部がん
・子宮頸がん
・肺がん(早期)
・食道がん
・脳腫瘍
特に以下では重要な治療です。
子宮頸がん
手術と並ぶ標準治療
前立腺がん
手術と同等の治療成績
NCCN・ESMOガイドラインでも推奨されています。
放射線治療の効果を高める技術
近年は放射線治療の精度が大きく向上しています。
主な技術
IMRT(強度変調放射線治療)
正常組織を守りながら
がんに高線量を集中
IGRT(画像誘導放射線治療)
毎回画像を撮影し
ミリ単位で位置調整
SBRT(定位放射線治療)
数回で高線量を照射
手術に近い治療効果
これらの技術により、
・治療成績の向上
・副作用の減少
が実現しています。
成功率を左右する5つの要因
放射線治療の効果は、いくつかの要因によって変わります。
1 がんの種類
放射線が効きやすいがん
・リンパ腫
・頭頸部がん
・子宮頸がん
・前立腺がん
などがあります。
2 がんの進行度
早期がんほど
治癒率は高くなります。
3 治療方法
放射線単独
放射線+抗がん剤
放射線+手術
などの組み合わせによって成績が変わります。
4 治療精度
治療装置や施設の経験も影響します。
5 患者さんの体調
治療を予定通り完遂することが
成功率に重要です。
放射線治療のメリット
放射線治療が選ばれる理由は多くあります。
主なメリット
・体を切らない
・臓器を温存できる
・高齢者でも治療可能
・外来治療が可能
そのため近年は
臓器温存治療
として重要性が高まっています。
放射線治療のデメリット
もちろんデメリットもあります。
・治療に数週間かかる
・副作用が出ることがある
・効果が出るまで時間がかかる
副作用については以下の記事で詳しく解説しています。
専門医コメント
放射線治療は、がん治療の三本柱の一つであり、世界中で確立された治療法です。
「成功率」という言葉だけで評価することは難しいですが、多くのがんで手術と同等の治療成績が得られることが科学的に示されています。
また近年は、
・IMRT
・定位放射線治療
・粒子線治療
など技術の進歩により、治療精度と安全性は大きく向上しています。
重要なのは、
「どの治療が一番良いか」
ではなく、
その人のがんに最も適した治療を選ぶことです。
主治医とよく相談し、納得した治療を受けることが大切です。
まとめ
放射線治療は世界中で行われている標準的ながん治療です。
ポイント
・多くのがんで高い治療効果
・手術と同等の治療成績のことも多い
・根治目的でも行われる
・最新技術で精度は大きく向上
正しい知識を持つことで、治療への不安は大きく減ります。
放射線治療の全体像を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
FAQ よくある質問
放射線治療の成功率はどれくらいですか?
がんの種類や進行度によって異なりますが、早期がんでは80〜90%以上の高い治療成績が報告されているものもあります。
放射線治療でがんは治りますか?
はい。多くのがんで根治を目的として行われ、治癒する可能性があります。
手術と放射線治療はどちらが効果がありますか?
がんの種類によって異なりますが、前立腺がんや子宮頸がんなどでは手術と同等の治療成績が報告されています。
放射線治療は再発を防げますか?
はい。乳がんなどでは術後放射線治療により再発率が大きく低下することが知られています。
放射線治療は何回くらい行いますか?
通常は20〜35回程度のことが多いですが、最近は数回で終わる治療もあります。
放射線治療は痛いですか?
照射自体に痛みはありません。
放射線治療は体に残りますか?
外部照射の場合、放射線は体に残りません。
放射線治療の副作用はありますか?
治療部位によって皮膚炎や倦怠感などが起こることがあります。
高齢でも放射線治療は受けられますか?
多くの場合可能で、高齢者にも行われる治療です。
放射線治療は入院が必要ですか?
多くの治療は外来で通院しながら受けることができます。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。




























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