放射線治療は毎日通院?治療スケジュールを専門医がわかりやすく解説【期間・回数】
放射線治療を検討している方の多くが、次の疑問を持ちます。
- 「放射線治療は毎日通院するの?」
- 「どのくらいの期間続くの?」
- 「仕事や生活と両立できる?」
結論から言うと、多くの放射線治療は平日に毎日通院して行う治療です。ただし、近年は治療技術の進歩により治療回数は短縮する傾向にあります。
この記事では、放射線治療の通院スケジュール、治療回数、治療期間、生活への影響について、専門医の立場からわかりやすく解説します。
放射線治療全体の基本について知りたい方は、まずこちらをご覧ください。
放射線治療は毎日通院するの?
多くの放射線治療は、平日に毎日通院して治療を行います。
一般的なスケジュールは次の通りです。
基本的な治療スケジュール
・1日1回
・平日(月〜金)
・1回の治療時間は10〜20分程度
・土日祝日は休み
つまり、
「毎日通院するが、1回の治療は短時間」
という特徴があります。
患者さんの多くは、外来通院で治療を受けます。
なぜ毎日治療するの?
放射線治療は、放射線を少しずつ分けて照射する治療です。
これを医学的に
分割照射(fractionation)
と呼びます。
この方法には重要な理由があります。
正常組織を守るため
放射線を一度に強く当てると、正常な組織へのダメージが大きくなります。
しかし、少しずつ分けて照射すると正常組織は回復する時間を得られます。
がん細胞により効果的
がん細胞は修復能力が低いため、
分割照射によってより効果的にダメージを与えることができます。
この考え方は放射線治療の基本原理であり、長年の臨床研究で確立されています。
(参考)
International Commission on Radiation Units and Measurements
Journal of Clinical Oncology など
放射線治療の期間はどのくらい?
治療期間は、がんの種類や治療方法によって大きく異なります。
代表的な例を紹介します。
乳がん
約3〜5週間
近年は短期照射あるいは寡分割照射(hypofractionation)が主流になっています。
参考
Lancet Oncology
→乳がんの放射線治療のまとめ記事はこちら
前立腺がん
約4〜8週間
ただし近年は
SBRT(体幹部定位放射線治療)
により
5回程度の短期治療
も行われています。
参考
Journal of Clinical Oncology
→前立腺がんの放射線治療のまとめ記事はこちら
頭頸部がん
約6〜7週間
比較的長い期間の治療が必要になることが多いです。
肺がん
1〜6週間程度
治療目的(根治・緩和)や方法によって大きく変わります。
→肺がんの放射線治療のまとめ記事はこちら
1回の治療時間はどのくらい?
患者さんが驚くことの一つですが、
放射線を実際に照射している時間は数分程度です。
ただし、
- 体の位置合わせ
- CT画像確認
- 装置調整
などがあるため、
治療室に入ってから出るまで10〜20分程度
かかることが多いです。
入院は必要?
多くの放射線治療は
外来通院で受けられます。
入院が必要になるケースは次のような場合です。
・体調が不安定
・遠方から通院が難しい
・副作用の管理が必要
・同時に化学療法を行う
ただし、多くの患者さんは普段の生活を続けながら治療できます。
仕事や生活は続けられる?
多くの患者さんは
仕事や日常生活を続けながら治療を受けています。
理由は
・治療時間が短い
・通院のみ
・体への負担が比較的少ない
ためです。
ただし副作用の程度は個人差があるため、
- 体調が悪いときは休む
- 医師と相談する
ことが大切です。
放射線治療中の生活・仕事についてはこちらの記事でまとめています。
治療を休むとどうなる?
基本的には
可能な限り予定通りに治療を続けることが重要です。
理由は、治療間隔が空くと
腫瘍が再増殖する可能性
があるためです。
ただし
- 発熱
- 強い副作用
- 体調不良
などの場合は、医師が治療スケジュールを調整します。
近年は治療期間が短くなる傾向
近年の放射線治療は大きく進歩しています。
特に以下の技術により、
治療回数は短縮する方向に進んでいます。
・IMRT
・IGRT
・SBRT
・粒子線治療
その結果、
従来6〜7週間だった治療が
1〜2週間程度になるケース
も増えています。
参考
ASTRO guideline
Radiotherapy and Oncology
放射線治療のスケジュール例
イメージしやすいように例を示します。
例:乳がん術後照射
月 治療
火 治療
水 治療
木 治療
金 治療
土日 休み
これを3〜5週間繰り返します。
専門医コメント
放射線治療の通院頻度について、患者さんから最も多い質問は
「毎日通院するのですか?」
というものです。
確かに、平日毎日の通院は大変に感じるかもしれません。
しかし実際には
- 治療時間は短い
- 入院が不要
- 生活を続けながら治療できる
という特徴があり、多くの患者さんが治療を完遂しています。
また近年は
短期間で終わる放射線治療
も増えており、患者さんの負担は確実に減ってきています。
不安な点があれば、遠慮なく担当医に相談することが大切です。
まとめ
放射線治療のスケジュールのポイントは次の通りです。
・多くは平日毎日の通院
・1回の治療は10〜20分程度
・治療期間は1〜7週間程度
・多くは外来通院
・仕事を続けながら治療可能な場合も多い
放射線治療は、技術の進歩によってより短期間で安全に行える治療へと進化しています。
治療の全体像を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
→放射線治療の初心者向け総合ガイド
FAQ よくある質問
放射線治療は毎日通院する必要がありますか?
多くの放射線治療は平日毎日の通院で行われます。ただし、近年は治療回数が少ない短期治療も増えています。
放射線治療の期間はどのくらいですか?
がんの種類によって異なりますが、1週間〜7週間程度が一般的です。
1回の治療時間はどれくらいですか?
実際の照射は数分ですが、位置合わせなどを含めて10〜20分程度です。
放射線治療は入院が必要ですか?
多くの治療は外来通院で行われ、入院は必要ありません。
放射線治療中に仕事はできますか?
多くの患者さんは仕事を続けながら治療を受けています。ただし体調に応じて調整が必要です。
放射線治療を休むと効果が下がりますか?
治療間隔が空くと効果に影響する可能性があるため、基本的には予定通り続けることが重要です。
土日も治療はありますか?
通常は土日祝日は治療は行いません。
治療回数は誰が決めるのですか?
がんの種類や病期に応じて、放射線腫瘍医が治療計画を作成します。
治療期間を短くすることはできますか?
がんの種類によっては短期照射が可能な場合があります。担当医と相談することが重要です。
放射線治療は途中で中止できますか?
副作用などの状況により調整することはありますが、治療効果を保つため基本的には最後まで行うことが推奨されます。
放射線治療の総合ガイド
あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。





























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