放射線治療の種類|IMRT・SBRT・粒子線治療を専門医が解説
放射線治療は、がん治療の三本柱(手術・薬物療法・放射線治療)の一つです。
現在では技術の進歩により
- 高精度放射線治療
- 粒子線治療
- AI・画像誘導治療
など多くの種類が存在します。
しかし患者さんからは
- 「IMRTって何?」
- 「サイバーナイフと普通の放射線の違いは?」
- 「陽子線治療は本当に優れているの?」
といった質問を多く受けます。
この記事では、放射線治療専門医の立場から、現在使われている主な放射線治療の種類をわかりやすく解説します。
さらに詳しい解説は、それぞれの子記事で説明しています。
放射線治療の主な種類
現在世界で使われている主な放射線治療は以下です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| IMRT | 強度変調放射線治療 |
| SBRT | 体幹部定位放射線治療 |
| SRT | 脳の定位放射線治療 |
| サイバーナイフ | ロボット型定位放射線 |
| ガンマナイフ | 脳専用定位放射線 |
| 陽子線治療 | 粒子線治療 |
| 重粒子線治療 | 高エネルギー粒子線 |
| BNCT | ホウ素中性子捕捉療法 |
| MRリニアック | MRI搭載放射線装置 |
これらは
- 照射精度
- 使用する放射線の種類
- 治療回数
などが異なります。
IMRTとは(強度変調放射線治療)
IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)は
現在もっとも広く使われている高精度放射線治療です。
特徴
- 放射線の強さを細かく調整
- 正常組織への線量を減らす
- 腫瘍へ高線量を集中
特に
- 前立腺がん
- 頭頸部がん
- 子宮頸がん
などで標準治療となっています。
詳しくはこちら
→ IMRTとは(強度変調放射線治療)
SBRTとは(体幹部定位放射線治療)
SBRT(Stereotactic Body Radiation Therapy)は
少ない回数で高線量を照射する治療です。
特徴
- 1〜5回程度の治療
- 非常に高精度
- 小さな腫瘍が対象
主な適応
- 早期肺がん
- 転移性腫瘍
- 肝腫瘍
詳しくはこちら
→ SBRTとは
SRTとは(定位放射線治療)
SRT(Stereotactic Radiotherapy)は
脳腫瘍などに対する高精度放射線治療です。
特徴
- ミリ単位の精度
- 脳転移や小さな腫瘍が対象
脳転移では世界的に広く行われています。
詳しくはこちら
→ SRTとは
サイバーナイフとは
サイバーナイフは
ロボットアームを用いた放射線治療装置です。
特徴
- ロボットが追尾照射
- 呼吸による腫瘍の動きを補正
- 手術に近い精度
肺がんや前立腺がんなどに使用されます。
詳しくはこちら
→ サイバーナイフとは
ガンマナイフとは
ガンマナイフは
脳専用の定位放射線治療装置です。
特徴
- 脳病変専用
- 非常に高精度
- 1回治療が多い
主な適応
- 脳転移
- 聴神経腫瘍
- 脳動静脈奇形
詳しくはこちら
→ ガンマナイフとは
陽子線治療とは
陽子線治療は
粒子線治療の一つです。
特徴
- ブラッグピーク
- 正常組織への線量が少ない
- 小児腫瘍などで有利
主な適応
- 小児腫瘍
- 頭頸部腫瘍
- 前立腺がん
詳しくはこちら
→ 陽子線治療とは
重粒子線治療とは
重粒子線治療は
炭素イオンを使う粒子線治療です。
特徴
- 非常に高い生物学的効果
- 放射線抵抗性腫瘍に有効
主な適応
- 骨軟部肉腫
- 膵がん
- 肝がん
詳しくはこちら
→ 重粒子線治療とは
BNCTとは
BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は
腫瘍細胞だけを狙う放射線治療です。
特徴
- ホウ素薬剤を腫瘍に集積
- 中性子照射で細胞破壊
日本では
- 頭頸部がん
で保険適応があります。
詳しくはこちら
→ BNCTとは
MRリニアックとは
MRリニアックは
MRIと放射線治療装置を組み合わせた新技術です。
特徴
- リアルタイム画像誘導
- 腫瘍を確認しながら治療
- 適応拡大が期待
今後の放射線治療の重要な技術です。
詳しくはこちら
→ MRリニアックとは
放射線治療はどれを選べばいい?
治療法は
- がんの種類
- ステージ
- 腫瘍の位置
- 患者の状態
によって決まります。
最も重要なのは
「装置」ではなく「適応」です。
どんな最新治療でも
適応が合わなければ意味がありません。
国際ガイドライン
放射線治療は以下のガイドラインに基づいて行われます。
これらは世界で最も信頼されている
放射線治療の指針です。
専門医コメント
近年、放射線治療は大きく進歩し
- IMRT
- SBRT
- 粒子線治療
など多くの技術が登場しています。
しかし患者さんにとって重要なのは
「最新装置」ではなく「適切な治療選択」です。
がんの種類や病期によって
最適な放射線治療は異なります。
そのため
放射線治療専門医による適切な判断が非常に重要です。
本サイトでは
放射線治療専門医の立場から
- 治療の仕組み
- 適応
- メリットとデメリット
をできるだけ分かりやすく解説しています。
まとめ
放射線治療には
- IMRT
- SBRT
- サイバーナイフ
- ガンマナイフ
- 粒子線治療
など多くの種類があります。
しかし最も重要なのは
患者さんに最適な治療を選択することです。
この記事では
それぞれの治療の概要を紹介しました。
詳しい解説は
各記事で紹介しています。
FAQ(よくある質問)
Q 放射線治療は痛いですか
痛みはありません。
レントゲン検査と同じように照射するだけです。
Q 放射線治療は何回くらい行いますか
通常は
- 5〜30回
程度です。
SBRTでは
1〜5回の治療になることもあります。
Q 入院が必要ですか
多くの場合
通院治療(外来治療)
で行われます。
Q 放射線は体に残りますか
外部照射では
体内に放射線は残りません。
Q 放射線治療でがんは治りますか
がんの種類や病期によりますが
- 早期肺がん
- 前立腺がん
- 頭頸部がん
などでは
根治が期待できる治療です。
Q 副作用はありますか
副作用はありますが
多くは軽度です。
近年は
- IMRT
- 画像誘導治療
により
副作用は大きく減っています。
Q サイバーナイフは普通の放射線より優れていますか
優劣ではなく
適応が違う治療です。
Q 粒子線治療は最先端ですか
粒子線治療は優れた技術ですが
すべてのがんに有効ではありません。
Q 保険は使えますか
多くの放射線治療は
健康保険適用
です。
Q 放射線治療専門医とは何ですか
放射線治療専門医は
放射線治療を専門とする医師
です。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

















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