放射線治療で体重は変わる?増える・減る理由と対策【放射線治療専門医が解説】

放射線治療を受けるとき、多くの患者さんが気にするのが体重の変化です。

  • 「放射線治療で体重は減るの?」
  • 「逆に太ることはある?」
  • 「体重が変わったら治療に影響する?」

結論から言うと、放射線治療そのものが直接体重を変化させることは多くありません。
しかし、副作用・食事量の変化・生活習慣の変化などによって体重が変わることはあります。

この記事では、放射線治療中の体重変化について

  • 体重が減る理由
  • 体重が増える理由
  • 治療への影響
  • 体重管理のコツ

を、放射線治療専門医の視点からわかりやすく解説します。

※放射線治療の基本を知りたい方はこちら
「放射線治療の初心者向け総合ガイド」


放射線治療で体重は変わるのか

多くの患者さんでは

体重は大きく変化しないことが多いです。

ただし、以下のような場合には体重変化が起こることがあります。

体重減少が起こりやすいケース

  • 頭頸部がん
  • 食道がん
  • 膵臓がん
  • 強い副作用がある場合

体重増加が起こるケース

  • 活動量の低下
  • ホルモン治療併用
  • 食事内容の変化

体重変化は治療内容や照射部位によって大きく異なります。


放射線治療で体重が減る理由

体重減少の原因として多いのは次の3つです。

食欲低下

放射線治療中は

  • 倦怠感
  • ストレス
  • 不安

などで食欲が落ちることがあります。

特に頭頸部や食道の照射では

  • 味覚変化
  • 口内炎
  • 嚥下痛

などが起こるため、食事量が減ることがあります。


粘膜炎・口内炎

頭頸部放射線治療では

  • 口内炎
  • のどの痛み

が起こることがあります。

その結果

食事量が減って体重が落ちる

ことがあります。


消化器症状

腹部や骨盤の照射では

  • 下痢
  • 吐き気
  • 食欲低下

が起こることがあります。

この場合も体重減少につながることがあります。


放射線治療で体重が増える理由

体重増加も珍しくありません。

主な理由は次の通りです。


活動量の低下

放射線治療中は

  • 通院
  • 疲労感
  • 安静

などにより活動量が減ることがあります。

すると消費カロリーが減り

体重が増えることがあります。


ストレスによる食事量増加

治療ストレスによって

  • 甘いもの
  • 間食

が増える人もいます。

これも体重増加の原因になります。


ホルモン治療の影響

前立腺がんなどで行われる

ホルモン療法

では

  • 脂肪増加
  • 筋肉減少

が起こりやすくなります。

その結果

体重が増えることがあります。


体重変化は治療に影響する?

体重変化は場合によって

放射線治療の計画に影響することがあります。

特に重要なのは

急激な体重減少

です。

理由は

  • 体型が変わる
  • 照射位置がずれる可能性

があるためです。

頭頸部放射線治療では

途中でマスクや治療計画を作り直すこと

もあります。


体重管理のポイント

放射線治療中は

体重を極端に変動させないこと

が大切です。


無理なダイエットはしない

治療中は

ダイエットは基本的に推奨されません。

体力を保つことが重要です。


食べられるものを食べる

副作用がある場合は

  • 柔らかい食事
  • 高カロリー食品
  • 栄養補助食品

などを活用します。

放射線治療中の食事についてはこちらの記事で解説しています。


栄養士に相談する

病院には

管理栄養士

がいることが多いです。

食事が難しい場合は

早めに相談することが重要です。


国際ガイドラインの見解

がん治療中の体重管理は、国際的にも重要視されています。

欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)は

がん治療中の栄養管理は予後改善に重要

としています。

参考
ESPEN guideline on clinical nutrition in cancer
Clinical Nutrition
https://www.espen.org

また、放射線治療中の栄養管理は

副作用軽減と治療継続に重要

と報告されています。

参考
Nutritional support in cancer patients receiving radiotherapy
Lancet Oncology


専門医コメント

放射線治療中の体重変化は、患者さんによって大きく異なります。

多くの場合、大きな問題にならないことがほとんどですが、

  • 急激な体重減少
  • 食事がほとんど取れない
  • 数週間で数kg減少

といった場合には、治療に影響することがあります。

その場合は

  • 栄養指導
  • 栄養補助食品
  • 治療計画の再調整

などを行うことで対応できます。

体重変化が気になる場合は、遠慮せず主治医に相談することが大切です。


まとめ

放射線治療中の体重変化は珍しくありません。

ポイントは次の通りです。

  • 放射線治療自体で体重が変わることは少ない
  • 副作用や食事量の変化で体重が変わることがある
  • 急激な体重減少は治療計画に影響することがある
  • 無理なダイエットは避ける
  • 食事が難しい場合は栄養相談を行う

放射線治療の全体像を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

「放射線治療の初心者向け総合ガイド」


FAQ よくある質問

放射線治療で体重は減りますか?

放射線治療そのものが体重を減らすことは多くありません。ただし食欲低下や副作用により体重が減ることがあります。

放射線治療で太ることはありますか?

活動量の低下や食事量の増加により体重が増えることもあります。

体重が減ると放射線治療に影響しますか?

急激な体重減少がある場合、体型が変わることで照射位置に影響する可能性があります。

放射線治療中にダイエットしてもいいですか?

基本的には推奨されません。体力維持のため、十分な栄養摂取が重要です。

放射線治療中に食べられないときはどうすればいいですか?

栄養補助食品や柔らかい食事を利用し、必要に応じて栄養士に相談します。

どのがんで体重減少が起きやすいですか?

頭頸部がん、食道がん、消化器がんでは食事量が減り体重減少が起こりやすいです。

体重が増えると治療に問題がありますか?

通常は大きな問題になりませんが、大きく体型が変わる場合には治療計画の調整が必要になることがあります。

放射線治療中の理想的な体重管理は?

体重を大きく変動させないことが重要です。

栄養相談は受けられますか?

多くの病院では管理栄養士による栄養指導を受けることができます。

体重が減ったら治療は中止になりますか?

通常は中止になりませんが、栄養管理や治療計画の調整が行われることがあります。


放射線治療の総合ガイド

あなたの状況に合わせて詳しく解説しています。


放射線治療の総合ガイド

総合ガイド

放射線治療の副作用を解説

副作用

がん種別の放射線治療を解説

がん別の治療


がん治療と仕事・日常生活

仕事・日常生活

がん治療の医療費と保険のまとめ

医療費・保険

がん治療と人生設計

人生設計


  この記事の執筆者

放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

運営者プロフィール

広告