【医師監修】放射線治療中に休職は必要?働きながら治療する人の判断基準と制度解説
放射線治療を受けながら仕事を続けられるのか、それとも休職すべきなのか。
これは多くの患者さんが悩む問題です。
実際には、
- 通院しながら仕事を続ける人
- 一時的に休職する人
- 治療後に職場復帰する人
など、状況はさまざまです。
この記事では、放射線腫瘍医の立場から
- 放射線治療中に休職が必要になるケース
- 働きながら治療する際の注意点
- 利用できる休職制度
について、医学的エビデンスと実際の臨床経験をもとに解説します。
※まず制度全体を知りたい方は
→ がん治療と休職制度
放射線治療中に休職は必要?
結論から言うと
放射線治療では必ずしも休職が必要とは限りません。
多くの患者さんは
通院しながら仕事を継続できます。
理由はシンプルです。
放射線治療は
- 入院不要
- 外来通院
- 治療時間10〜20分
というケースが多いからです。
しかし一方で、
休職が必要になる場合もあります。
放射線治療で休職を検討するべきケース
以下のような状況では休職が必要になることがあります。
強い副作用が出ている場合
代表的な副作用
- 強い疲労感
- 吐き気
- 皮膚炎
- 食欲低下
特に
- 頭頸部がん
- 食道がん
- 子宮頸がん
などでは副作用が強くなることがあります。
放射線治療の副作用については
→ 放射線治療の副作用
抗がん剤を併用している場合
放射線+抗がん剤(化学放射線療法)
では
- 倦怠感
- 食欲低下
- 骨髄抑制
などが強くなります。
この場合
一時的な休職を勧めることもあります。
体力を使う仕事の場合
次のような職業では
休職を検討することがあります。
例
- 建設業
- 介護職
- 運送業
- 重労働
放射線治療では
疲労感(Cancer-related fatigue)
が出ることが知られています。
この症状は
仕事のパフォーマンスに影響する可能性があります。
(参考:Lancet Oncology review 2021)
放射線治療をしながら仕事を続ける人は多い
実際には
働きながら放射線治療を受ける患者さんは非常に多いです。
特に
- 乳がん
- 前立腺がん
- 皮膚がん
などでは
通常通り勤務する方も珍しくありません。
海外の研究では
約60〜80%の患者が治療中も就労を継続している
と報告されています。
(参考:Journal of Cancer Survivorship)
放射線治療と休職の判断ポイント
休職するかどうかは
次の4つで判断します。
①副作用の強さ
②仕事の内容
③通院の負担
④職場の理解
特に重要なのは
「無理をしないこと」
です。
体調が悪い場合は
一時的な休職も大切な選択です。
利用できる休職制度
休職する場合、利用できる制度があります。
主なものは以下です。
傷病手当金
会社員の場合
給与の約2/3が支給
最大
1年6か月
利用できます。
有給休暇
短期間の治療では
有給休暇で対応する人も多いです。
がん休暇制度
企業によっては
がん治療専用休暇
を設けている場合があります。
制度の詳しい解説はこちら
放射線治療中に仕事を続けるコツ
臨床経験から重要なポイントを紹介します。
職場に早めに相談する
以下を伝えておくとスムーズです。
- 治療期間
- 通院頻度
- 副作用の可能性
最近は
がんと仕事の両立支援
が広がっています。
無理な働き方をしない
特に注意するのは
- 長時間労働
- 夜勤
- 体力仕事
疲労が強い場合は
勤務調整を検討しましょう。
通勤負担を減らす
可能なら
- 在宅勤務
- 時差出勤
- 短時間勤務
を利用すると負担が減ります。
通勤の注意点についてはこちら
放射線治療と休職に関する研究
国際的にも
がん患者の就労支援
は重要なテーマです。
例えば
American Society of Clinical Oncology(ASCO)
では
がん治療中の就労支援の重要性
が強調されています。
また
Lancet Oncology
のレビューでは
- 医療者
- 職場
- 社会制度
の連携が
患者の就労継続に重要
とされています。
専門医コメント
放射線治療は
比較的仕事と両立しやすいがん治療
です。
実際の診療でも
仕事を続けながら治療する患者さんは多くいます。
ただし重要なのは
無理をしないこと
です。
体調が悪いときは
休むことも大切です。
治療と生活のバランスは
患者さんごとに最適解が違います。
主治医と相談しながら
無理のない働き方
を選択してください。
まとめ
放射線治療では
必ずしも休職が必要とは限りません。
多くの患者さんは
通院しながら仕事を続けることが可能です。
ただし
- 副作用が強い場合
- 抗がん剤併用
- 体力仕事
では休職が必要になることもあります。
重要なのは
無理をしないこと
です。
制度も活用しながら
治療と仕事のバランス
をとることが大切です。
FAQ(よくある質問)
Q1 放射線治療中は仕事を休まなければいけませんか?
必ずしも休職する必要はありません。多くの患者さんは通院しながら仕事を続けています。
Q2 放射線治療は入院ですか?
通常は外来治療です。1回の治療時間は10〜20分程度です。
Q3 放射線治療中に働く人は多いですか?
多くの患者さんが仕事を継続しています。特に乳がんや前立腺がんでは働きながら治療するケースが一般的です。
Q4 放射線治療で一番多い副作用は?
疲労感です。治療後半に強くなることがあります。
Q5 放射線治療中に休職する人はどんな人ですか?
抗がん剤併用、体力仕事、強い副作用がある場合などです。
Q6 休職すると収入はなくなりますか?
傷病手当金を利用すると給与の約2/3が支給されます。
Q7 放射線治療は何週間続きますか?
治療内容によりますが、一般的には3〜7週間程度です。
Q8 在宅勤務は可能ですか?
可能であれば、在宅勤務は治療との両立に非常に有効です。
Q9 通勤は負担になりますか?
疲労感がある場合は通勤が負担になることがあります。通勤方法の調整が重要です。
Q10 主治医に仕事の相談はしてもいいですか?
もちろん可能です。医師は仕事との両立も考慮して治療計画を立てます。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。
放射線治療中は仕事を休まなければいけませんか?
必ずしも休職する必要はありません。多くの患者さんは通院しながら仕事を続けています。
放射線治療は入院ですか?
通常は外来治療です。1回の治療時間は10〜20分程度です
放射線治療中に働く人は多いですか?
多くの患者さんが仕事を継続しています。特に乳がんや前立腺がんでは働きながら治療するケースが一般的です。
放射線治療中に休職する人はどんな人ですか?
抗がん剤併用、体力仕事、強い副作用がある場合などです。
休職すると収入はなくなりますか?
傷病手当金を利用すると給与の約2/3が支給されます。




















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