放射線治療中の入浴は大丈夫?医師が解説|シャワー・湯船・温泉の注意点

放射線治療を受けていると、多くの患者さんが次のような疑問を持ちます。

  • 入浴しても大丈夫?
  • シャワーだけにしたほうがいい?
  • 温泉やサウナは入っていい?
  • 皮膚が赤くなっている時は?

結論から言うと、多くの場合、放射線治療中でも入浴は可能です。

ただし、照射部位の皮膚は敏感になっているため、いくつかの注意点があります。

この記事では、放射線腫瘍医の立場から、

  • 放射線治療中の入浴の基本ルール
  • シャワー・湯船・温泉の注意点
  • 皮膚炎がある場合の対処

をわかりやすく解説します。

また、放射線治療中の生活全体については、以下の記事も参考になります。

▶︎放射線治療中・治療後の生活ガイド


放射線治療中でも入浴は基本的に可能

多くの放射線治療では、入浴を禁止する必要はありません。

むしろ、

  • 体を清潔に保つ
  • 血流を良くする
  • リラックスする

という点で、入浴は生活の質(QOL)を保つうえで重要です。

ただし注意が必要なのは、

放射線が当たっている皮膚(照射部位)です。

放射線治療では、照射された皮膚に以下のような変化が起こることがあります。

  • 赤み
  • 乾燥
  • かゆみ
  • ヒリヒリ感

これは放射線皮膚炎と呼ばれるもので、多くの患者さんにみられる副作用です。

▶︎放射線皮膚炎とは

そのため、入浴の際には皮膚を刺激しないことが重要になります。


シャワーは問題ない?注意点は?

シャワーは、放射線治療中でも基本的に問題ありません。

ただし以下の点に注意してください。

強くこすらない

照射部位の皮膚は非常に敏感です。

  • ナイロンタオル
  • ボディブラシ

などで強くこするのは避けましょう。

おすすめは

  • 手でやさしく洗う
  • 柔らかいガーゼ

です。


刺激の強い石鹸は避ける

以下のようなものは皮膚刺激になることがあります。

  • スクラブ入り石鹸
  • 強い香料のボディソープ
  • アルコール入り製品

できれば

低刺激・保湿タイプ

のボディソープを使うのがおすすめです。


低刺激ボディソープ

放射線治療中は、低刺激のボディソープを使用することが推奨されます。

香料や刺激成分が少ない製品を選ぶことで、
皮膚炎の悪化を防ぐことができます。

無添加タイプのボディソープは、敏感肌の方にも使用しやすいことが多く、
放射線治療中のスキンケアとしてもおすすめされています。

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熱すぎるお湯は避ける

熱いお湯は

  • 皮膚の乾燥
  • 炎症の悪化

につながる可能性があります。

38〜40℃程度のぬるめのお湯が理想です。


湯船に入ってもいい?

基本的には湯船に入ることも可能です。

ただし次のような場合は注意が必要です。

皮膚が赤くなっている

照射部位に

  • 強い赤み
  • ヒリヒリ
  • 皮膚のただれ

がある場合は、

長時間の入浴は避ける方がよい場合があります。

その場合は

  • シャワーのみ
  • 短時間の入浴

にするのがよいでしょう。


こすらないことが重要

入浴時に最も重要なのは

照射部位をこすらないこと

です。

以下は避けましょう。

  • ナイロンタオル
  • ゴシゴシ洗い
  • 強いマッサージ

ガーゼタオル

放射線治療中は、
ナイロンタオルでこすることは避けることが推奨されています。

そのため、

  • ガーゼタオル
  • 柔らかい綿タオル

を使用すると、皮膚への刺激を減らすことができます。

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温泉・サウナは入っていい?

これはケースバイケースです。

温泉

以下の場合は避けたほうが安全です。

  • 強い皮膚炎がある
  • 皮膚がただれている
  • 感染リスクがある

温泉成分によっては

皮膚刺激が強くなることがあります。

皮膚症状が落ち着いていれば問題ないこともありますが、

担当医に確認するのが安全です。


サウナ

サウナは

  • 高温
  • 発汗
  • 摩擦

があるため、

放射線治療中はあまりおすすめされないことが多いです。

特に皮膚炎がある場合は避けましょう。


入浴後のスキンケアが重要

放射線治療中は

入浴後の保湿がとても重要です。

皮膚が乾燥すると、

  • かゆみ
  • 皮膚炎
  • ひび割れ

が起こりやすくなります。

そのため

保湿剤を塗ることが推奨されます。

また、皮膚炎がある場合は、

医師から処方された軟膏を使用することが重要です。

▶︎放射線皮膚炎の治療


保湿クリーム

放射線治療中は皮膚が乾燥しやすいため、
入浴後の保湿が非常に重要です。

低刺激の保湿クリームを使用することで

  • 皮膚の乾燥
  • かゆみ
  • 放射線皮膚炎

を予防できる可能性があります。

※皮膚炎がある場合は、医師の指示された軟膏を優先してください。

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入浴時によくある質問

患者さんからよくある質問をまとめました。


入浴で放射線が体に残ることはありますか?

ありません。

外部照射の放射線治療では、
体の中に放射線が残ることはありません。

そのため、

  • 家族と一緒に入浴
  • 子どもと接する

ことも問題ありません。


入浴すると治療効果が下がりますか?

下がることはありません。

入浴によって放射線治療の効果が変わることはありません。


入浴後に皮膚が赤くなったら?

以下の場合は医師に相談してください。

  • 赤みが強い
  • 痛みがある
  • 水ぶくれ

放射線皮膚炎の可能性があります。


放射線治療中の生活全体について

入浴以外にも、放射線治療中には

  • 食事
  • 運動
  • 仕事
  • 旅行

など、生活のさまざまな疑問があります。

詳しくは以下の記事でまとめています。

▶︎放射線治療中・治療後の生活ガイド


専門医コメント

放射線治療中の入浴について、患者さんからは非常に多くの質問を受けます。

基本的には、多くの患者さんで入浴は問題ありません。

ただし、放射線が当たっている皮膚は敏感になりやすく、

  • 強くこする
  • 熱すぎるお湯
  • 刺激の強い石鹸

などは皮膚炎を悪化させる可能性があります。

特に治療が進むと皮膚炎が出やすくなるため、
照射部位をやさしく扱うことが大切です。

皮膚症状が強い場合は、入浴方法についても主治医と相談することをおすすめします。

放射線治療は数週間続くことが多いため、
無理のない生活を送りながら治療を続けることが重要です。


まとめ

放射線治療中でも、基本的には入浴は可能です。

ただし以下の点に注意しましょう。

  • 照射部位をこすらない
  • 熱すぎるお湯を避ける
  • 刺激の強い石鹸を使わない
  • 入浴後は保湿する

皮膚炎が強い場合は、入浴方法を調整する必要があります。

心配な場合は、遠慮せず主治医に相談しましょう。


FAQ(よくある質問)

放射線治療中は毎日お風呂に入ってもいいですか?

基本的に問題ありません。体を清潔に保つことは大切です。ただし照射部位を強くこすらないようにしましょう。


放射線治療中に温泉に入ってもいいですか?

皮膚炎が強い場合は避けたほうが安全です。皮膚症状が軽い場合でも、担当医に相談することをおすすめします。


放射線治療中にサウナは入っていいですか?

高温や発汗によって皮膚刺激が強くなるため、治療中はあまりおすすめされないことが多いです。


入浴で放射線が流れ出ることはありますか?

ありません。外部照射では体内に放射線が残ることはありません。


放射線治療後は普通に入浴できますか?

多くの場合、問題なく入浴できます。ただし皮膚炎が残っている場合は注意が必要です。


放射線治療中にボディソープは使えますか?

使用できますが、低刺激のものを選ぶことが望ましいです。


入浴後にかゆみが強くなります。どうすればいいですか?

保湿剤の使用や、処方された軟膏を使用することで改善することがあります。医師に相談してください。


入浴後に皮膚がヒリヒリします。

放射線皮膚炎の可能性があります。症状が続く場合は医師に相談してください。


治療中にプールに入ってもいいですか?

皮膚炎や感染リスクがある場合は避けたほうがよいことがあります。担当医に相談してください。


入浴時間の目安はありますか?

長時間の入浴は皮膚の乾燥を悪化させる可能性があるため、短時間の入浴がおすすめです。

  この記事の執筆者

放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。

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